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暮らしのヒント

産婦人科受診でアレする時は

作者: 山本大介

 人生、何事も経験(笑)。

 数年前の話になりますか。

 私たち夫妻は一時期、妊活をしていました。

 中々妊活って大変です。

 特に奥さんの方がめっちゃキツイですよね。

 なんとかこっちも協力したい。

 私がそんな頃に体験したお話です。



 私は朝からソワソワしていました。

 産婦人科なんてめったに行く機会が無いし、妹が産まれた時や、妹の子どもたちが産まれた時に行ったくらいです。

 まさか自分が産婦人科を受診することになるなんて、絶対ないなと思っていました。

 なんと人生つーのは不思議なことでしょうか(笑)。


 朝食を食べ終えた私は、着替えて準備を済ませ、奥さんに、

「じゃ行ってくる」

 と、ぎこちなく伝えます。

「うん。行ってらっしゃい」

 苦笑いの奥さん。


 玄関先まで奥さんに見送られ、近くの産婦人科まで車を走らせました。

 駐車場に車を停め、いざ、たのもー。

 私にとって場違い感満載の産婦人科の建物を前に、尻込みする私であります。

 勇気をもってドアをくぐり、ええ顔をしつつ受付を済ますと、待合室のソファへ腰かけました。

 当然女性の方ばかりです。

 きょろきょろ。

 男なんていません。

 私は所在なげにスマホをいじりながら、順番を待ちました。

 結構、待ち時間が長く感じましたね。


 すると、受付の方が、

「山本さんどうぞ」

「はい」

 私は頷きつつ、うわずった声をだすと看護師さんに案内され、後ろへ続きます。


 階段をのぼって通路を進むと、個室の前へ着きました。

「これをお願いします」

 と、手渡されたのが円形のシャーレでした(※採集する容器はこれだったと思います・・・が意外と記憶が曖昧です)。

「はい」

 こくりと頷く私。

「では」

 看護師さんはそう言うと、離れていかれました。

 ガチャリ。

 おずおずと扉を開け、そこへ入ると狭い部屋でした。

 テレビとDVDデッキ、ヘッドホン、座り込ごこちのよさそうなソファが置いてありました。

 それから、オカズですね。

 エロDVDからエロ本もあり、皆まで言うなと察するに十分です。

 アレしてナニからソレをだせですな。

 私はひとり頷きガチャリ扉を閉めます。

 部屋を見渡すとただそれだけをイタす、個室であります。

 まさにそれ専用の部屋・・・もちろんティッシュもあります。

 しんとして凜として潔いオ〇ニー部屋ですよ。


 とはいえ、

 いきなりオ〇ニーしろと言われてもなあ。

 できるかなぁでるかなぁと多少の不安はあるのです。

 だけど、私は自称天才おなにすとであります(笑)。

 黄金の右手をつかわせると、私の右に(右手だけに)並ぶものなどいないと思っているほどです。

 苦節40年、プロ(自称)を舐めてもらっちゃ困ります。

 我にかかればお茶の子さいさいさ・・・多分。


 まずは吟味ですな。

 ん~どれも古くさかです。

 これかなと数少ないDVDラインナップから選んだのは、家庭教師モノだった(かな?)。

 ヘッドホンをつけ、いざっダイブ!

 あっはーん、ここは当然、お楽しみ場面まで早送り。

 紳士の嗜みであります。

 唸る右手・・・だが、X〇IDEOになれきった男には、ちと刺激が足りません。

 だが、しかし!

 集中、集中、全集中っ!

 あ~。

 う~。

 キタキタキタ~っ!

 よっしゃあ!用意じゃあ。

 えええ、この丸いシャーレにどうやって飛ばすの?

 えっーと、とりあえずチ〇チン前に添えとけ~。

 あとは添えるだけって・・・おーい集中継続っ!

 あばばばばっ!でるってばよ。

 3、2、1、0、ファイア。

 !!!

 はふっ(自主規制)。

 スッキリ。

 男の一仕事やりましたな、ミッションコンプリート。


 ふふふ。天才おなにすとにかかれば、こんなもん造作もないことですわよ。

 おほほほほほほっ!

 私はクール(フリ)に身支度を整えると、颯爽と部屋を出て、検査室へシャーレを置いたのでした。

 キリリといい顔で病院を出ると、産婦人科の建物を見上げました。

(これで俺も多少なりとも共に妊活に励んでいる)

 そう思うと私は誇らしい気持ちになるのでした。



 今思いだすと、なかなか無い経験だったので、リアルタイムで産婦人科での受診のお話を書きたかったなあと。

 そうすれば、もっと細部的な所やリアルに描けたかもと思うと、ちょっとだけ残念な感じがします(笑)。

 でも、このぐらいがソフト?でいいんかなと。

 このお話は拙作の「旦那ちゃん嫁ちゃん」シリーズより修正、大幅加筆して届けております。

 暮らしのヒント(滅多になかよね~)になれば幸いでございます。



 ちょっぴり、成長したような。

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― 新着の感想 ―
[一言] ある方曰く「男対男」のビデオもあったとか。 そちらの需要にも対応してるのかと感心した記憶があります。
[一言]  私は紙コップでした(笑)
[良い点] 男性が産婦人科を受診する場合、こういう感じなんですね。 私はまだ受診の機会がないので、とっても興味深かったです。 貴重な御話をありがとうございます。 [一言] 狭い部屋でサンプルを採取する…
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