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お助け『魔女』になりまして  作者: ふつうのひと
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06


「アニメとかでよく出てくる金髪碧眼の美少女メイドになれ」という注文だと受け取ったトウカは魔法を使い、白と黒のヴィクトリアンメイド服に金髪碧眼の少女に変わった。

ただし変化している本人の知識が曖昧なので、頭はホワイトプリムになっている。


その姿を見た南條は、固まった。


「・・・南條?」

「──────」

「おーい?」

「かっ!!」

「カッ?」

「KAWAIIIIIIIIIIIII!!!!!!!!!III!!!!」


南條、壊れる。


夜中であることを忘れてトウカにダイブした南條は、その小さなメイドをギュッと胸に抱きしめながら頭のてっぺんを嗅ぎながら撫で回す。


「こんな、こんなプラチナブロンドで!完璧な碧眼で!!犯罪だと思わないんですか!?こんな、犯罪級の可愛さで!!!こんなメイドならいくらでも雇うに決まってるじゃないですかああああ!!!???」

「むぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?????」

「髪の毛マジ金糸!金糸!100万ドルの輝き!!!なんでこんなにサラサラなのに一本も絡まってないの、むかつくぅぅ!」


トウカが背中をタップするが理想の少女メイドを目にした南條の暴走は止まらず、そのまま十分間ほど撫でまわされた。


「うへ、うへへ、もう先輩ずっとそのままでいてくださいよ~」

「・・・・・・解除」


ある程度撫でまわして味わったところで理性を取り戻した南條から解放されたトウカは、即座に変化を解除した。

ちなみに南條が住んでいるマンションは鉄筋コンクリート造で、まだ午後9時であったことからギリギリ隣人が殴りこんでくることは無かった。


「なんで戻っちゃうんですか!?」

「お前がそんなに暴走するとは思わなかったからだよ!毎朝あんなのされたら俺が死ぬわ!!あと撮りすぎ!!」

「そんなぁ、いいじゃないですかぁ。まだ写真撮り足りなかったからもう一回変身してくださいよ~!なんなら今度は和ロリとかで~」

「はい、居候時は基本メイド服のみで確定ね。じゃあ明日からの予定話そうか」

「ケチ!!!金髪くらい付けてくれてもいいのに!!」


むくれる南條など気にもせず、トウカは未来の予定を話し始めた。


「まず明日は俺の両親の所に行って話をする。うまくいくかどうかは分からんが、これは絶対だ」

「ぶー、なんでれーすかー?」

「じゃないと戸籍が作れないから小学校に通えないし、最悪お前が誘拐犯として捕まる」

「戸籍?もしかして養子ですか?」

「ああ。流石にそこまでお前にやらせるのは駄目だからな」


トウカが考えているのは少し酷な事であった。

彼女からすれば元々の親にもう一度親になってくれと言うだけであるが、周りから見れば子供を失ったばかりの夫婦が間を置かずに新しい子供を迎えるという、捉え方によっては闇を感じる出来事だ。


下手をすれば両親が近所から噂されるかも知れない出来事だが、親になってもらえばそこからはほとんど帰るつもりが無いからバレないだろう、というのがトウカの計算である。


その計算自体が酷だとは思わない少女であった。


「まあ、それで良いならいいですけど」

「その後は俺の口座の名義とかを変える算段を付けてから、携帯ショップに行きたい」

「スマホを買いに行くんですね」

「小学校編入うんぬんは養子縁組が終わってからだな」

「でもご両親の扶養に入った状態でこっちの学校に通えるんですか?」

「どうにかする。魔法を使ってでも」


そう言い切ったトウカの目は真剣だった。

その真剣さについ息を呑んでしまう南條は、それだけ使命が重要なのかと考えを改める。


「そ、そこまでするんです、ね。学校くらい少し遠くてもどうにでもなりそうなのに・・・」

「これ自体は決定事項だからな。それに戦いが始まったら出来るだけ早めに助けに行ってやりたいし」

「そうなんですか?」

「当たり前だろ。元々俺らが関われないとは言え、大人がのほほんと生きてる中で子供が世界のために戦うんだぞ。出来るなら俺が全部終わらせたいくらいだよ」


その意見に意外さを覚える南條。

てっきりアニメや漫画と被せて物事を考えていると思っていたので、そこまで真剣に考えているとは思っていなかったのだ。

自分の気楽な考え方を認識すると、少し恥ずかしくなってしまう。


「?どうした?」

「いえ、愚かな大人を自覚しまして・・・」

「南條は俺を居候させてくれるだけで十分だよ。適材適所だからな」

「はい・・・あっ、そういえば夕飯は食べましたか?」


少し居たたまれなくなった南條は話題を変える。


「いや、食べて無いけど・・・あんまりお腹減ってる感じしないんだよな」

「一応何か食べたほうが良いんじゃないですか?カップ麺とかならありますけど」

「カップ麺だけかよ・・・」

「夕飯で食材使い切ったので後はお酒とつまみしか冷蔵庫に無いんですよ!明日、帰りにスーパーにも寄りますからね?」

「分かった。あ、出来ればこのマンション近くのスーパーにしてくれ。これからは買い物も全部俺が済ませるから」

「わかりました。普通にシーフードでいいですよね?」

「あぁ、いただきます」


封を切られながら尋ねられては要らないとも言えず、諦めて食べることにした。


「しかし先輩、これから女の子として生きていくなら口調直してくださいね~」

「うっ!・・・頑張ります」

「キャラ付けとして「わっち」とかどうですか?一人称が「わっち」の転入生とか第一印象抜群だと思うんですけど!」

「目立っちゃいけないのに目立ちまくりじゃねーか、やだよ」

「先輩、黒髪黒目だとしてもその容姿で目立つなは無理ですよ。普通に天使のわっか出来てますし。ぐるぐる眼鏡でも買います?」

「え?」


実はきちんと爪の先から頭のてっぺんまで自分の姿を見たことがない故に、その容姿を正しく認識できていないトウカであった。


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