邂逅
ジョージが見た力、それは敵か味方か。
「大丈夫か!?」
謎の攻撃が放たれた方向から声がした。俺は腕から血を流しながらも咄嗟に逃げようとし
た。森を抜け、町の石壁が見えた辺りで、目の前に突然人が現れた。
その人は俺の目の前に瞬間移動してきたかのような速さだった。驚き、後ろに倒れてし
まった。もう逃げ道はない!
「まって。今薬を出すから。」
安心した。優しそうな青年の声だった。しかし、腕の痛みは消えない。
「おっと、これをつける前に…」
彼は、布で優しく俺の血をふき取った。それからよくわからない液状の薬を傷口に垂らし
た。
「こ、これは一体!」
俺の傷口が塞がり、治っていく。
意識がはっきりしたとき、目の前には黒い鎧をまとった人がいた。
「いきなり来たけど、大丈夫だった?」
「はい、ありがとうございます!」
「軽装備でこんなところに来ちゃだめだ。まあ最近は動物でさえ狂暴になってるからしょ
うがないのかもしれない。」
「????????」
「町に戻るよ」
「へえ、ジョージって呼ばれてるのか。」
「はあ。この町、あなたの先ほどの行動、何もかも疑問だらけですよ。」
「約束は忘れてないですよね。」
「うん。行くよ!」
「う~~~~んおいし~~~い!」
「はは!腹が減っては戦はできないよね!」
「じゃ、先に質問させてもらうよ。君はどこから?」
「モグモグ、ゴクッ。んー思い出せない。」
「少しずつでいい。何とか思い出せない?」
「俺は‥‥‥‥」