異形
店主からもらった林檎で元気になったジョージ。
しかし彼は自分の力を過信していた‥‥。
ジョージは謎の生物におそわれていた。
いや、苦戦していたというべきか。時をさかのぼること1時間前・・・
「ラッキー!おかねひろった!」
俺は自動販売機らしきものの前で言った。もちろんこのお金にも持ち主がいるのだろうが
俺は使う。
飲み物でも買おうと思ったが、この街にはもっと買うべきものがあると思い、商店街へと
駆けていった。
「さて、何を買うかね?」
悩んだ。いろいろな武器があるが、使いこなしたいものばかり!弓で遠くから攻撃するの
もいいし、剣で接近戦を仕掛けるのもロマンがある。
その時。あるものが俺の目を引いた。刀だ。
この俺は、歴史に名を遺した数々の「武将」にあこがれていた。武将が主に活
躍した時代のテストでは満点を取ったことがあるほどそれについて知っている。武将が主
に使っていた武器は刀。俺の興味を引かないはずがない。
「これ、ください。」
「『マサムネ』だね。500ゴールドだ。」
お金を払うと、お釣りはなかった。ちょうどの金額で買えたわけだ。都合がいいな。
「だが大丈夫かね、刀は素早い者が使えば強いが、大剣や槍に比べてリーチが短い。駆け
出しの狩人にはお勧めしないよ。」
「ははは、大丈夫、大丈夫だよぉ。」
俺は店主の注意も上の空に、獣をバッタバッタとなぎ倒す妄想に浸っていた。
そして今、こうなったのだ。猪のような猛獣に腕を噛まれ鮮血が舞う。俺は決し
て素早いわけではなく、攻撃する前に敵の攻撃を受けてしまう。逃げ回るように猛獣の攻
撃を必死に刀で受け止めていたがもう限界だ。こんな森に来るんじゃなかった、その上動
物に手出しなんて・・・
「ハアッ!!」
その時。謎の黒いオーラが猛獣に纏わりついた。猛獣は、消えた。跡形もなく。
俺は怖気づいた。あの猛獣より強いものがいるのだろうか。まがまがしい気配を感じた
が、俺は怯えることしかできなかった。