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「勿論です。では、一から五の小隊長とポルク殿を呼んできます」
「了解」
そうして素早くシュテンの執務室を出たメルヴィンは騎士団の詰め所に向かい、第一、第三、第四、第五小隊長全員と第二小隊長代理のポルク、回復術師に召集を掛けるのだった。
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獣人族の町『サバナ』 南門付近
「さて・・・シュー君に報告は終えたけど・・・どうしようかなぁ。コレ」
通信を切り、自身の蜻蛉型硝子式を肩に止めたアクセルはそう言って大きな溜息を吐く。
先程シュテンにも言った通り、戦闘中の彼らはアクセルが殿を務め、道化師から一番遠い場所にある町の南門から生き残りの住人達を逃がしている最中なのだが・・・如何せん、操られている魔獣の数が多く流石のアクセルも辟易してきたのだ。
魔獣の足止めをする為に自ら残った訳だが・・・細い路地に入ったのは早まったかもしれない。
と一人苦笑した。
最も、他に住人を安全に逃がせる方法は思いつかなかったからなのだが・・・。
魔獣自体の知能が低いのが幸いし、壁を登ったり、屋根に上ったりしない事にパトリックが気付き、その為細い路地を使って部下の四人とイツキ、リンドウで住人達を囲う様にして先に逃がすことが出来た。




