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「アルヘイム様、帰りますよ」
「・・・・・・はい」
「またどうぞ」
そう笑顔で告げるアサギに見送られ、シュテンとメルヴィンは店を後にする。
「・・・あの、メルヴィン?」
「・・・僕が何を言いたいか、分かりますね?」
「はい・・・職務放棄してごめんなさい」
苦笑して謝るシュテンに、メルヴィンは大きな溜息を吐くと、周囲を見回し誰も此方を見ていないことを確認した。
そうして人気のない路地に入り込むと、シュテンを見上げて告げる。
「違う。別に、職務を投げ出して遊びに出たこと自体には怒っていない。そんなの、アルは日常的だ」
「うぐぅ・・・」
「それに、今回はちゃんとアサギに用事もあったみたいだし、それは別にいい」
「じゃぁ、護衛をつけなかった事?」
「いや、元冒険者のお前の腕は元パーティメンバーの僕も知っている。そんな心配してない。でもまぁ、つけないと体裁が悪い時はつけてほしいけど、ソレ以外は別につけなくてもいい」
「じゃぁ何?」
「何じゃない!黙って出て行く奴が居るか!!馬鹿!!」




