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『冒険の書』  作者: テープコーン
第1部 魔王と魔眼持ちエルフ
72/110

2-39

 


『硝子式』…シュテンや彼の部下達が偵察や連絡を取る時に使う式神として使える魔道具で、文字通りガラスでできている。

元はメルヴィンが冒険者時代に小さな水晶を蝶型に削り出して個人的に使っていたモノを、シュテンが水晶よりは安価で領地で材料が揃いやすい硝子で代用し、取り入れたのだ。

領地内にある、彼のお抱え硝子細工職人から仕入れており、使う際に魔力を通すとその人物の魔力に合わせて淡く色が付き、まるで本物のであるかのように目的地に向かって飛ぶ。

因みに彼の騎士団の共通硝子式は鳩型の魔獣を模したものだ。

また個人の判断で蝶や蜻蛉と言った昆虫型などの小さいものから鳥類系などの魔獣型の硝子式もあり、頻繁に使用するのが連絡用ということから基本的には『飛べる』魔獣系や昆虫系が多い。

稀に家屋などの密偵調査のためにヤモリのような爬虫類系もあったりするのだ。

最も魔力が硝子式の原動力なので、何か合った時は予め刻印を入れておくことによって攻撃、防御魔法を使えたり、硝子式の視界を共有したり、飛べない魔獣型でも飛ばそうと思えば飛ばせるのだが、その場合領地外だと目立つこともある。



「うん。了解。メル君がいるから大丈夫だと思うけど、シュー君、オレが居なくても無茶しないようにね?」


「いや、どっちかっていうと俺のセリフじゃね?ソレ」


「うん?そうかも?あ、でもオレ、そっちよりも少し気になる単語があったんですけど?」


「 ? 」


「メルくん『不老不死』って、どういうこと?ラム君は『不死』の呪いを掛けられたんじゃ?」



コテンと首を傾げ、アクセルがメルヴィンに問う。



「嗚呼、今日グントラムに会って改めて気がついたんですけど・・・どうやら、彼が掛けられた呪いは『不老不死』のようですね。彼の心臓を縛っているのは全然読めない文字の羅列、と僕は思ったんですけど・・・いや、実際そうなんですけど、その単語だけは読めるようにエルフ文字になっていました」


 

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