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コクコクとイツキに同意するシュテンの姿を見て、メルヴィンは溜息と共に諦めた。
「そう言えば、メルはさっきから何してるの?」
「仕事です。先程アクセル殿にも申し上げましたが、これはサバナにへの偵察関係の書類です。後でアルヘイム様の署名と印が必要になります」
「・・・聞かなきゃよかった」
うげぇっと、心底嫌そうな顔をしてシュテンは溜息を吐く。
「・・・貴方、それでも領主ですか?まぁ、良いです。アルヘイム様、丁度いいんでコレ飲んで下さい。全部で二十五本」
「MPポーション?・・・ありが・・・二十五本っ?!」
思わずガバリと勢いよく起き上がるシュテン、「動かないで!」とエリザに怒られた。
「貴方が魔力切れだと困りますからね。二十五本、全部飲んで完全回復してもらいますよ?使用期限が近いモノですので遠慮なく飲み干して下さい。ほぼ空なら丁度いいでしょう?」
どこかで聞いたようなセリフと共に、メルヴィンは手袋からポーションを二十五本きっちりと出してシュテンに渡す。
その表情は良い笑顔で、背中に般若の幻覚を背負っていた。
あ、これ絶対昨日の仕返しだ!と瞬時に気づくシュテン。




