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「お前、また・・・」
「またって・・・何を言ってるんだ。アル、昨日のこと忘れたのか?使用期限間近だからとか言って、僕にしこたまMPポーション飲ませただろ?『空だから丁度いい!』とかいって、よくも四十本も飲ませてくれたな?おかげで魔力満タンだっつーの」
「え?よんじゅ・・・マジで?!」
「マジですよ。お陰で僕のお腹は大変な事に・・・」
大きなため息を一つ吐き、メルヴィンはさっさと本題を終わらせるべくシュテンにあるものを投げ渡した。
剣の形を模した訓練用の木剣である。
「久々に付き合ってやるよシュテン。メルヴィンお兄さんに全部吐き出してみろ!」
剣撃でも魔法でもなんでも来いだとシュテンに告げ、メルヴィンは木剣を構えた。
序でにこっそりと『鑑定』を使い、現在のシュテンの精神状態などをチェックする。
「・・・あんまり、『良い』とは、言えないな・・・」
ボソリと呟くメルヴィンは嫌な予感がし、木剣を握りなおした。
普段は魔法を使うことが多いが、元S級冒険者としての腕は伊達ではなく、弓、剣、魔法とそこそこの腕前を持つ。
「・・・来い・・・」
木剣の刀身を下に向け、俯いていたシュテンはメルヴィンのその言葉を合図に、『タガ』が外れた。




