2-20
操られていたとはいえ、他領の領主の私兵を殺したのだのだから、何らかの処罰が下されると思ったのだろう。
「あれは、しょうがないよ。守れなかった俺にも責はあるし、彼らの家族から責められるのは俺の役目だから、ルークは気にしなくていい。悪いのは道化師であって、君じゃない。それに幻影とはいえ、俺の部下を殺した時は完全に道化師の姿だったからね。アイツを恨みはしても、君に恨みはないよ。見ず知らずの俺の兵の事を思って心を痛めてくれるだけで充分奴らも浮かばれるさ・・・寧ろ、此方も知らなかっとはいえ、危うくルークを傷つけるところだったし」
お互い様だと言って慰めるシュテンはポンポンと優しくルークの肩を叩く。
「ルークは暫くウチで休んで行きな。そのあいだにウチからサバナに偵察隊を出す。道化師は此処よりもずっと東から来たと言っていたから、今サバナに帰るのは危険だと思う。何もなければいいけど、ルークが操られた場所がサバナの近くの林なら、警戒するに越したことはないからね・・・その間この部屋は好きに使ってくれていいし。領門から出なければ、ウチの街をフラつくのもアリだよ。とは言っても、ウチの名産ガラス細工しかないんだけどね。別の領地は農業とか?まぁ何にしても面白いものでは無いかもだけど」
そう一気にまくしたて、シュテンはニッコリと笑うと、そろそろ仕事しないとそこのエルフに怒られるからもう行くね?とこっそりルークに告げて、視線でメルヴィンを示す。
「・・・お時間、取らせて申し訳ないです・・・あと、昨日と今後のことも・・・」
「・・・また何か思い出したら教えほしい。今は取り敢えずそれで充分かな」
そう言ってシュテンはルークの部屋を後にした。




