2-18
「私もあまりよくは覚えていません。ただ、私の仕事である北門の門番をしていた時に門の近くの林から何かの気配を感じまして・・・」
「気配?」
グントラムが聞き返せば、ルークは一度頷き、話を続ける。
「はい。何かは分からないけれど『何かが居る』と、漠然と感じただけなのですが・・・もし魔獣であった場合、町に被害が出るかもしれないと思い、他の門番に声を掛けてから様子を見に・・・」
「成程・・・それで、様子を見に行ってどうでしたか?」
「林の中の開けたところに頭の潰された魔獣の死体が十匹程放置されていました」
「・・・今回のウチの件と似ているね。まぁ数は違うけど・・・」
今まで黙って聞いていた身長のバカデカい鬼人、デカい見た目に反して『ゆるふわ』という言葉が似合いそうな優男…アクセルが口を挟んだ。
因みに、TPOを弁えてなどの幾つかの例外もあるのだが、自身の気に入った相手を大抵渾名で呼ぶ傾向がある。
「そうなのですか?」
「うん。キミが発見された場所にはね、数千の魔獣の死体があったんだ。どの魔獣も一様に頭を潰されていてね、シュー君…じゃなくて、シュテン様とメル君の話じゃサバナのある土地の方にしか生息してない魔獣も一緒に見つかったらしい」
「成程・・・すみません、私はそこまで調べる余裕はなかったです。十匹程の魔獣を見た後に気が付いたら別の場所に・・・」
「「「「別の場所?」」」」
シュテン達の疑問の声が重なった。




