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「はいはい。シュテンはワガママだなぁ?」
メルヴィンは困ったように呟きながらも視界の端に捉えたポーションを届けに来たエリザに、自身の人差し指を口元に持っていって『静かに』のポーズを取りつつ「もう少し待って」と頼む。
そうして、あの時よりも何倍も大きくなったのに、ちっとも変わらないシュテンに彼は気づかれないようにそっと口元に笑みを浮かべた。
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アルヘイム邸 ゲストルーム
翌日、シュテン、メルヴィン、グントラム、イツキの四人は、リンドウとエリザの兄でありアルヘイム騎士団第二小隊長の鬼人であるアクセルを連れ立って、道化師の傀儡にされていた獣人のもとに向かった。
それぞれ挨拶を済ませると、代表してメルヴィンが獣人に問う。
「昨日の今日で申し訳ないのですが、貴方が知っていることを全て教えて頂けませんか?」
「はい。私はライオンの獣人族のルークと申します。ここよりももっと東にある獣人族の町『サバナ』から来ました。いえ、私の意志で来たわけでもないのですが・・・」
「そうでしょうね。サバナから此処までかなりの距離がありますし、見たところ商人と言う訳でもなさそうですしね」
「それで、どうして道化師なんかに捕まっちゃったの?」
首を傾げ、シュテンが話の先を促した。




