2-16
治療されながら、視界の隅にそんな彼の姿を見つけたメルヴィンは、リリアン達の一回目の治療を受けた後にリリアンが魔力を回復している間、ボロボロの身体に鞭打って、動くなと怒るイツキを無視し、困った顔で今と同じ様にシュテンの頭を抱き寄せる。
幼い子供を宥めるように何度も何度も頭を撫でて、自分は大丈夫だからと優しく声を掛け続けた。
あの時も、今と同じ様にシュテンは静かに泣いていて、どうしたものかとメルヴィンが頭を悩ませたのは彼だけの秘密である。
そんな懐かしい思い出に浸っていたメルヴィンは、同じ様なことをしている今がふと可笑しくなって思わず笑った。
「・・・おい、笑ってる場合じゃないからな?お前」
「そうだな。でも、笑える・・・」
「笑いごと、じゃない・・・」
「それでも笑えるよ。でっかい子供だなぁって」
「お前がこの体勢に、したんだろ?」
「そりゃぁお前、アルが泣き顔見られたくないかと思って・・・僕の優しさですよ?」
「俺に優しさ振りまく前に、メルは自分に優しくなった方がいい・・・」
「僕は自分にも十分優しいですよー?」
「優しくない・・・いっちゃんもだが、お前も、昔から直ぐに自分を蔑ろにする・・・」
「そうかなぁ?イツキの事は否定しないけど」
「・・・メル。お前、こんなこと続けてたら、絶対何時か死ぬぞ?」
「そうだな。僕もそう思う」
「クソが・・・もう、お前嫌い。莫迦」
「馬鹿な僕が嫌いなら離れてもいいんだぞ?」
「・・・それは、ヤダ・・・メル、もっと・・・」




