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シュテンの執務室
「おい、アルッ!聞いてるのか?!」
「・・・・・・・」
一方、此方はシュテンの逆鱗に触れ、彼の執務室まで強制連行されたメルヴィンである。
道中も今も、言葉使いは違えど、下ろせと喚くメルヴィンをシュテンは完全無視。
そのまま自身のデスクの前にある応接用のソファーとテーブルセットまで来ると、やっとメルヴィンをソファーに下ろした。
「・・・さて、メルヴィン・・・」
普段よりも数段声を低くさせたシュテンが、メルヴィンの名を呼び彼を見下ろす。
嗚呼、これは完全に『プッツン』している・・・と、メルヴィンは漸く自身の失態に気が付いた。
これでも長く共に居るのだ、シュテンがどういう奴なのかくらいはメルヴィンも分かっているつもりである。
今回は完全に自分の落ち度であると認めたメルヴィンは観念して両手を上げた。
「・・・降参です。僕が悪かった・・・」
「・・・本当にわかってるのか?」
「分かってますよ。さすがに、僕も生まれたばかりの子供とリリィを残して死ぬなんて、死んでも死に切れませんし。何より・・・」
そこで一旦言葉を切ったメルヴィンは、困ったように笑って、俯くシュテンの頭に手を伸ばして撫でる。




