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シュンとして謝罪するシュテン。
その額にあった角は無くなっている。
だが、そう言う割にさほど気にしていないのか、グントラムの意識は道化師に操られていた獣人の方に向いていた。
「嗚呼、彼ならゲストルームで別の回復術師が付いています。少々記憶も自身の置かれている状況も混乱しているようでしたので、質問があれば明日の方が良いかと・・・」
「分かった。では、明日尋ねるとしよう」
「師匠の呪いについてか、あの道化師って奴の情報があればいいけど・・・」
「どうだろうな?あの道化師の様子からして、恐らくあまり期待は出来ないと思うぞ。アルヘイム」
「自分もグントラム様の意見に一票・・・ん?」
ふと、イツキは視界の端に何かを捉えた。
数舜前まで会話に参加していた筈のメルヴィンである。
「取り敢えず、今日の処は俺も仕事に戻るか・・・そうだ。忘れてたけど、メルはポーションを最低一瓶は飲め。上司命令な!」
「なっ?!」
自分の話題から話が逸れ、油断していたメルヴィンは『何か』を拾って、アイテム袋としての術式を入れてある手袋に仕舞っていた処を、ズバッとシュテンに切り込まれる。
「お前さ、平然と立ってるけど・・・さっきので魔力空っぽにしたの判ってるからな?よく立ってられるよ。真面目に呆れるわ」
「うぐっ」




