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「始まったって、何が・・・!?」
グントラムがズポッと短剣を抜いた掌を見ると、その傷が治り始めている。
「・・・マジか?」
「マジマジ。大マジ。エリザ様も俺も、もちろんお前たち三人も何もしていない。つまり、実験の結果、どうやら俺の身体は文字通りの『化け物』になったらしい」
「師匠・・・」
「まぁ、死なないなら死なないで良い。それだけ長くアルヘイムを鍛えてやれるってことだ。めでたく俺も長寿の仲間入りって事だな。化け物同士、よろしく頼んだ。メルヴィン」
短剣に付いた自身の血を今さっき血塗れにしたシーツの端で綺麗に拭い取り、鞘に戻しながらながらそう告げたグントラム。
ニヤッと笑って短剣をメルヴィンに返した。
「・・・おっさん、アンタ始めから起きてたな?」
短剣を受け取りながらメルヴィンは苦笑して言う。
「当たり前だ。さっきも言ったが、お前ら医務室で煩い。あんな中で寝てられるわけないだろうが。現にイツキだって起きただろう?」
「それは・・・うん、ごめん。俺もメルも反省してるよ」
「まぁそれはもう良い。それより、あの獣人はどうした?」




