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「クッソ・・・コレだから、魔力の多いキャスターって奴は・・・俺は、魔法が嫌いなんだよ!!」
悪態をつきつつ、スッと抜き出したのは投擲用のナイフが数本。
ナイフに自身の魔力を流し込み、小さく呪文を呟いた。
「"Booten"」
予め仕込んでおいた魔法陣を起動させ、二本、道化師の足下に放る。
「"Shatten nähen"」
更に呪文を唱えると同時にナイフが光、道化師の足が止まった。
「 ?! 」
初めて道化師の表情が変わる。
先程グントラムの放ったナイフには影縫いの魔法陣が描かれており、そのナイフはきっちりと道化師の影を縫い留めていた。
「・・・これは、影縫いですか?あなた、先程魔法は嫌いだと」
「「嫌い」とは言ったが、「使えない」とは誰も言っていない。魔法を使えることと好き嫌いは関係ない・・・」
そう告げると同時に更に四本のナイフを道化師の影の右手と左手、右肩と左わき腹辺りに放る。




