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それでも兵士たちを守る結界と回復の魔法陣を維持するために彼女は全魔力と神経を使っていた。
「・・・アレはギリギリ踏み止まっている感じか・・・早く終わらせた方が良いな・・・」
シュテンの視線を追い、イツキを軽く観察したグントラムはボソリと呟くと剣先を道化師に向ける。
「・・・周囲のコレを見た限り、先の魔獣の件と同一犯とみたが?」
キッと相手を睨みつけ、グントラムは問いかけた。
「うん?もしや私に問うてますか?人間の分際で・・・?」
「貴様以外に下手人が居るのなら、ソイツの情報も吐いて貰おうか?」
「ふふ。成程、あなたも『雑魚の一人』と思っていましたが、どうやら違うみたいですね・・・そこの三人と同様、私と『遊べる』程度のレベルにはあると・・・いいでしょう。『遊んで』差し上げます。人間如きが吐かせられるものなら吐かせて見せてくださいな」
そう言ってふわりと微笑むソイツに、イツキ以外の三人の背筋が凍る。
何処から見ても温和な笑顔であるはずなのに、何故か悪寒が止まらず、頬や背中を冷や汗が流れた。
「・・・でも、まぁそうですね。一つだけ先に提供して差し上げます。私の名前は『道化師』と申します。以後お見知りおきを」




