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そのうちの一人が後方に居た兵の一部が失われたことと、シュテンとメルヴィン、更にイツキが三人で残りの兵を逃がすために戦っていること、自分たちでは役に立てない相手であることをグントラムに報告をするや否やその場に倒れ込んだ。
護衛役のリンドウの綺麗な銀色の毛にも、血が付いている様子を見てグントラムは眉間にシワを寄せる。
リンドウが怪我を負うこと等、滅多にないからだ。
ソレだけ、相手が強いことを示している。
「・・・リンドウ」
〖掠り傷だ。問題ない・・・まだ、問題ない〗
「・・・分かった。彼らを頼む。応急処置をした後、即連れて帰れ。リンドウ含めて全員エリザ様に診て貰うんだ」
〖・・・了解〗
「此方も、分かりました。残りの者はどうしますか?」
「アルヘイム様とメルヴィン、更にはイツキの三人掛かりで相手をしても逃げて来れた数がコレだけだ・・・一緒に来れば間違いなく死ぬぞ。これ以上無駄に兵を減らすわけにはいかない。お前たちはケガをした兵士を護衛しながら早くここから逃げた方が良い。おそらく、相手は今回の魔獣虐殺の犯人、俺が三人を助けに行くから応急処置が済み次第行け!いいな?これはアルヘイム様の命と受け取っていい。リンドウ、すまないが其処とあっちの奴を乗せてやってくれ。あの怪我ではこれ以上は歩けまい・・・」
〖分かった・・・ルート?〗
「なんだ?」
〖イツキを頼む・・・〗
主に任された役割がある為、自分で助けに行けないことを承知しているリンドウは、そう言ってグントラムを見上げた。
そんな忠犬に、任せろと頭を優しく撫でる。
そうして、逃げ伸びた兵士の手当てを別の兵士に任せると、グントラムは来た道を一人素早く引き返した。




