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あまりにも予想外の報告に、メルヴィンとシュテンは思わず素になって聞き返し、イツキとリンドウは黙って話の続きを待つ。
「月に一度の魔獣間引きの為、東の森に入ったところ数千匹の魔獣の死体を発見しました」
「数千って・・・狩りにしては多すぎないか?生態系ぶっ壊れそう・・・っていうか、死体ってことは殺されてそのまま放置されてたってこと?」
「縄張り争いの可能性は・・・って、その骸の量じゃありえませんね・・・」
「はい。食用や素材の為の狩りにあったという訳でも、縄張り争いがおきた訳でもなさそうです。もちろん、我々が間引いたわけでもありません。ただ、魔獣の死体は全て同じ殺され方をしていたようですので、おそらくはすべて同一人物の仕業かと・・・」
「アルヘイム様・・・」
「はぁ・・・マジか・・・分かった。第一小隊の本体はまだ森か?」
「はい。二手に分かれて魔獣の片付けと、下手人が近くに居ないか周辺を捜索しています」
「了解。メルヴィン、少し付き合ってくれないか?」
「・・・現場に向かいますか?」
「嗚呼。流石に確認しないわけにはいかなそうだ。報告ご苦労。ついでに師匠・・・いや、ルートヴィッヒを呼んできてくれ。それと、手が空いてる小隊も。数千の魔獣の死体を片すにはやっぱり人手がいるだろう?準備が出来次第東の森に出発する」
「畏まりました。現場までは私がご案内致します」
「嗚呼、頼んだ」
一つ頷き、兵士は三人に一礼するとシュテンの執務室を素早く後にした。
兵士の足音が遠のき、執務室から十分距離が取られたことを確認すると、シュテンは溜息を一つついてメルヴィンに視線を向ける。




