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そんな二人の様子に、やっとこ書類から視線をあげたイツキが転移魔法によって自身の使い魔である銀色の毛並みの狼型魔獣のリンドウを呼び出した。
「・・・リンドウ」
〖足音は一人分、聞き覚えがあるから敵じゃない・・・〗
イツキの問いにそうリンドウが返すと同時に、コンコンコンっと三回のノックの後に名乗りをあげられ、急いでやってきたのが領地外へ巡回と魔獣間引きの為に出していた騎士団の第一小隊の一人だと判明する。
取り敢えず敵では無いことに安堵をしつつも、切羽詰まった様子のその兵士に何かあったらしいと三人は視線を見合わせた。
そうして剣の柄から手を放したメルヴィンに、兵士を部屋の中に入れるようにとシュテンは促す。
「メルヴィン、入れてやれ」
「はい。・・・どうぞ、お入りください」
シュテンの執務室に入ってきたその兵士は片膝をつき、視線を床に落としながら報告を上げた。
「アルヘイム様、大変です。東の森に住む魔獣が何者かによって討伐されていました。その数ザっと数えて数千程です」
「・・・は?」
「・・・ごめん、なんて?」
「・・・・・。」
〖・・・・・。〗




