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妹は姉の背に隠れ、今にも泣きだしそうだった。
姉は姉で妹の手を放さないように握り何かに耐える様な表情で、耳もイカ耳になっている。
近寄るグントラムに毛を逆立てて気力だけで威嚇しているようだった。
「・・・あー・・・コレ、俺じゃない方がよくないか?怖がられてる気がする・・・」
「なら、自分が行きますよ?」
困っているグントラムに助け船を出したのはルキウスだった。
腰に吊っていた剣を外し、カイに預けると彼はニッコリと笑みを作ってゆっくりと威嚇する姉妹に近づいていく。
「・・・ごめんね?急にびっくりしたね。でも、大丈夫・・・何も怖いことしないからさ。ね?」
二人と手が届くか届かないか位の距離があるところで両膝を地面につけて視界の高さを二人と揃え、小首を傾げてルキウスは話しかける。
そっと差し出す両手。
万人受けしそうな笑顔を作って二人から動くのを待った。
どのくらいそうしていたかはわからない・・・けれど、根気強く待ち続けたルキウスの笑顔に負け、一歩彼に近寄る2人。
「お姉ちゃん、何処かしんどいとこあるんでしょ?ずっと我慢してて偉かったね。あっちの大きいお兄さんと一緒に、先に行ってゆっくり休みましょう?」
ヨシヨシと2人の頭を優しく撫でて、そうルキウスが労えばプツリと緊張の糸が切れたらしいお姉ちゃん。
そのまま倒れ込んだ。
ソレを静かに抱き留め、心配して泣き出す妹と一緒に彼は抱き上げる。
「よく頑張りました。偉いね。二人とも。じゃぁあっちのお兄さんのトコに行こうね?」




