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わたしとビートと大怪獣さんの物語。  作者: 小空Q
第1章 ~はじまり~
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オルタネータです。


「バッテリー交換でしょうか」


 恐る恐る訊ねた私に、澤部さわべさんは「いいえ……」と静かに言った。


「オルタネータです。えと、ざっくり発電機のようなもので、それが寿命をむかえたみたいです」


 それで車の電気が止まったんだ。


「修理は高いですか?」


「交換になりますので5万くらいはしますねえ」


「……5万円……」


 5万円。

 ぶつけて買い替えようって思ってる時に急な出費の5万円。

 もう死にたい、って心の底から思ってしまった。

 わかんない、人生が終わる値段でもなんでもないのに、ものすごくつらくて悲しかった。


(なんで車なんかのことで悩まないといけないの? オルタネータって誰よ?)


 誰がそんな名前を付けたのよ。

 バッテリー上がりなら聞いたことあるけどオルタネータなんて人は知らない。

 なんでそんな知らないヤツに5万円もはらわなきゃいけないの?


「……私が大事にしてないから?」


「い、いえ。走行距離や年数から考えたらオルタネータは良くった方だと思いますよ。一応、電気関係の部品はどんな車でも寿命がありますから」


 工学系をやってた私ならすぐわかって当然なのに、この時はだいぶ混乱していた。

 自分のせいに思えて仕方なかった。

ひいらぎさん」と澤部さわべさんが私に言った。


かしたりしませんから、良かったら代車に乗っておきません? 買う買わない、直す直さないは別として、気持ちが定まるまで待ちましょうよ。使ってない古い代車で申し訳ないですけどソレならしばらく使っていただいて結構ですから」


 先に言うと、この澤部さわべさんに似た人とは、この先の7年以上に渡ってお世話になり、7年後の現在もなお継続中である。


「ありがとうございます」


 と、彼の言葉に甘えることにし、ライフはあずけて代車を貸してもらうことになった。





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