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さめまる 台本置き場  作者: よぼし
5/6

【2:1:2】 アンドロ・グラッジ

【キャラクター】


アンドロイド【マヤ】…アラキ博士に作られたアンドロイド。グラッジやグラトニーと剣を持って戦う。


博士【アラキ】……マヤの製作者、グラッジに家族を殺されている。


男性【ユウマ】……グラッジに襲われてる所をマヤに助けられる。事故で記憶を無くしている。


研究者……アラキの助手。事故後に研究所へ入社した。


グラッジ……人の魂を喰らい、グラトニーにする。


モブ……悪魔に襲われている一般人。研究者と兼役。


グラトニー……悪魔に魂を売った人間の成れの果て恨みの感情で人間を食らう。悪魔と兼役。




【配役】

マヤ♀:

アラキ♂:

ユウマ♂:

研究者、モブ♀♂:

グラッジ、グラトニー♀♂:







【本編】



マヤM:私は、目覚めた。闇が世界を覆うそんな日に。



ー間



アラキ:おはよう。気分はどうだい?


研究者:脳波、感情メーター共に異常なし。


マヤ:……ここは。


アラキ:私の研究所だ。君はマヤ。戦闘用アンドロイドだ。


マヤ:戦闘用、アンドロイド。


アラキ:そう。君は、これからグラッジと戦う。


マヤ:グラッジ?


研究者:グラッジは悪魔のようなもの。人はグラッジの誘いにつられ、心を売ってしまう。


アラキ:グラッジに心を売った者はグラトニーとなり、二度と人間には戻れない。


研究者:私たちは、グラッジを滅するために集められ、そして、あなたを作った。


アラキ:マヤ、君の力が必要だ。力を貸してくれ。




ユウマ:アンドロ・グラッジ(タイトルコール)




ー夜。風の音。とあるビルの屋上から地上を眺めているマヤ



マヤM:アンドロイドとして生まれて、数ヶ月が経つ。人間と同じ生活をし、グラトニーの討伐をする日々が続く。ただ1つ、気になることがあるとすれば、夢を見る度に、男の子が出てくる。あれは、誰なのだろうか。



ー遠くから誰かの叫ぶ声が聞こえる



モブ:う、うわぁぁぁ!


マヤ:……っ!



ーモブ、グラトニーに襲われている



モブ:や、やめろ……。来るな、来るなあああっ!


グラトニー:ヴァアァ!!


マヤ:はあああっ!



ーマヤ、グラトニーを刺す



マヤ:大丈夫か?


モブ:……。


グラトニー:う、ググ……..。


マヤ:まだ生きて……っ!


グラトニー:ヴァアアアア!!!


マヤ:クソっ!



ーグラトニー、マヤにトドメを刺され、灰のように消える



マヤ:おい!生きてるか?


モブ:……。


マヤ:ダメだったか。すまない。


マヤM:グラトニーを倒しても何も変わらない。グラッジを仕留めなければ、これからも被害が増えていく一方だ。



ーアラキからの通信



アラキ:あー。マヤ、聞こえるかい?


マヤ:アラキ博士。


アラキ:グラトニーが大量発生し、街中を荒らしているらしい。行ってくれるかい?


マヤ:わかった。



ー街中。マヤ、グラトニーと戦闘中



グラトニー:ヴァアアア…!


マヤ:くっ、こんなに多いなんて……聞いてないぞっ!


グラトニー:ヴァアアア!


マヤ:クソがァっ!


グラトニー:ヴゥ。


マヤ:これで、終わりか。



ー遠くから、男の子の叫ぶ声



ユウマ:うわぁぁぁっ!


マヤ:チッ。あっちもか。



ーマヤ、走って声の方へ向かう

ーユウマ、悪魔に追い詰められている



ユウマ:……っ!


グラッジ:お前、弱そうだな。


ユウマ:う、うるさい!


グラッジ:そうやって、今までも逃げてきたんだろ?


ユウマ:……っ。


グラッジ:周りの声から逃げて、自分を守ろうと殻に閉じこもって。


ユウマ:黙れ!!


グラッジ:そんな自分、変えたいと思わないのかい?


ユウマ:……っ。


グラッジ:オレと契約をすれば、そんな弱い心、すぐに無くせるぞ?


ユウマ:……えっ。


グラッジ:オマエに力を授けよう。


ユウマ:ほ、本当か?


グラッジ:あぁ。


ユウマ:強くなれるのか。


グラッジ:変えたいか?弱い自分を。


ユウマ:……変えたい。


グラッジ:フフ、そうか!なら、お前の願い叶えてやろう!!対価として、オマエの魂を。


マヤ:させるかぁ!



ーマヤ、グラッジに切りかかる

ーグラッジ、マヤの攻撃を避ける



グラッジ:っと。グラッジに対抗できる人間がいたとはな。


マヤ:お前がグラッジか。今、ぶっ潰してやる。


グラッジ:おぉ、怖い。


マヤ:アンタ、大丈夫か?


ユウマ:僕は、平気です。


マヤ:グラッジなんかの口車に乗るなよ。グラトニーになりてぇのか?


ユウマ:……っ。


グラッジ:あーぁ。どうしてくれんのさ!オレの食事ぃ!!


マヤ:お前に食わせる魂はないっ!


グラッジ:あと、もう少しだったのになぁ。


マヤ:うぉおおおっ!



ーマヤ、グラッジに切りかかる

ーグラッジ、攻撃をガードする



グラッジ:っ!いいなぁ。そのお前の強さ!


マヤ:余裕ぶっこいてンのも、今のうちだぞッ!


グラッジ:ぐわあっ!


マヤ:ほらな。


グラッジ:クソっ!人間ごときがッ!


マヤ:言っとくが、私は人間じゃねぇ。アンドロイドだ。


グラッジ:アンドロイド?


マヤ:お前たち、グラッジを滅するアンドロイドだよッ!


グラッジ:よっ、と!へぇ、面白いね。


マヤ:すばしっこいヤツめ。


グラッジ:やーめた!魂食えないならいいや。


マヤ:まて!!


グラッジ:じゃあね、アンドロイドさん!



ーグラッジ、どこかへ飛んでいく

ーアラキからの通信



アラキ:マヤ!グラッジと接触したのを確認したが、大丈夫か?


マヤ:あぁ。だが、逃げられた。


アラキ:そうか。無事で何よりだ。今の戦闘で、少しだがデータが取れた。ありがとう、マヤ。


マヤ:グラッジを減らすには、情報がもっと欲しい。


アラキ:こちらでも、グラッジについてもう少し調べてみるよ。


マヤ:頼む。


アラキ:では、研究所で待ってるよ。



ーアラキからの連絡が途絶える



ユウマ:あ、あの……。


マヤ:あぁ、大丈夫か?


ユウマ:助けてくれて、ありがとうございました。


マヤ:礼はいい。仕事だから。


ユウマ:……あの、名前を聞いても?


マヤ:なんで?


ユウマ:い、命の恩人だから。


マヤ:……マヤ。


ユウマ:マヤ…さん。


マヤ:さんは、いらない。マヤでいい。


ユウマ:ふふ、ありがとう、マヤ!


マヤ:……キミ、は?



ーマヤ、ふらつき突然倒れ込む



ユウマ:マヤ?マヤ!!!



ーマヤの夢。壊れかけの研究所内



マヤ:父さん!■■■!どこにいるさ!!


アラキ:マヤ!ここにいたのか。


マヤ:私は、大丈夫。


アラキ:そうか、良かった。早くここから出よう。


マヤ:待って!■■■が!■■■がいないの!


アラキ:ここも時期に崩れてしまう。その前に先に出るんだ!


マヤ:でも!


アラキ:マヤ!お前は、父さんの大切な子どもだ。


マヤ:私が父さんにとって、大切なのは分かってるよ!でも、■■■を見つけないと!


アラキ:マヤ!!



ーマヤ、■■■を探す



マヤM:これは……夢?



ーユウマ宅。マヤ、ベッドに寝ている



マヤ:ん……。


ユウマ:マヤ?


マヤ:君は。


ユウマ:僕はユウマ。さっきは、助けてくれてありがとう。


マヤ:あぁ、そうか。私は、戦闘後に。


ユウマ:体調は、どう?


マヤ:大丈夫。ありがとう。


ユウマ:まだ動かない方がいいよ!


マヤ:このくらい平気だ。


ユウマ:ダメだって!


マヤ:平気だ。


ユウマ:ダメ!


マヤ:私は、アンドロイドなの。アンタと違って頑丈なんだ。


ユウマ:へ?アンド、ロイド……?


マヤ:そう。だから、体は修復できる。


ユウマ:そう、なんだ。


マヤ:世話になった。


ユウマ:どこに行くの?


マヤ:帰るんだよ。


ユウマ:帰る?


マヤ:研究所に帰る。


ユウマ:マヤは、またグラッジと戦うの?


マヤ:あぁ。


ユウマ:ダメだよ!それじゃ、またマヤが死んじゃう!


マヤ:また?


ユウマ:あれ?どうして、僕。


マヤ:……。


ユウマ:あはは。僕もグラッジに会っておかしくなってるのかも。キミと会うのは、初めてなのに。


マヤ:アンタも休んだ方がいい。


ユウマ:……そうだね。


マヤ:……。


ユウマ:……。


マヤ:……わかった。アンタがゆっくり休めるように一晩だけいてやる。


ユウマ:えっ。


マヤ:だから、一晩だけいてやるって言ってんの。


ユウマ:いいの?


マヤ:グラッジと接触した後だ。不安定になるのも仕方ない。ただし、明日には帰るからな。


ユウマ:ありがとう。マヤは優しいね。


マヤM:なぜだか、分からない。でも今は、ユウマを一人にしては行けないとそう思ってしまった。



ー研究所内。アラキ、PCとにらめっこをし、データを解析中。



アラキ:……ふむ、グラッジは、人の心を奪うために。


研究者:アラキ博士。


アラキ:君か、お疲れ。


研究者:お疲れ様です。新しい研究データですか?


アラキ:あぁ。マヤがグラッジと戦った。


研究者:グラッジと?


アラキ:データはあまり取れなかったが、それでもいい収穫だ。


研究者:そうなんですね。


アラキ:これで、グラッジ討伐に一歩近づけた。しかし時間が無い、早くしなければ。


研究者:博士は。


アラキ:ん?


研究者:博士は、どうしてグラッジを?


アラキ:あぁ……。僕はね、グラッジに家族を殺されたんだ。


研究者:えっ?


アラキ:あれは、5年前だったかな。研究所がグラッジに襲われた。


研究者:襲われた?


アラキ:研究所は爆破され、跡形もなくなった。その日は家族が遊びに来ていたんだが、助かったのは私と息子と数人の研究員だけだった。


研究者:……。


アラキ:私は、グラッジが許せなかった。グラッジに復讐せねばと……。


研究者:……。


アラキ:そして、私は新しい研究所でアンドロイドを作った。


研究者:あのアンドロイドは。


アラキ:あの時亡くなった娘が忘れられなくてね。娘の記憶をインプットさせて作ったアンドロイドなのさ。


研究者:そうだったんですね。


アラキ:すまない。こんな昔話をするつもりはなかったんだかな。


研究者:いえいえ。辛かったですよね。


アラキ:分かってくれるか。


研究者:えぇ。……でも、変ですね。


アラキ:え?


研究者:グラッジは、元々人の心に存在し、現実には存在しなかった。


アラキ:……。


研究者:心の闇、それがグラッジの正体。


アラキ:なぜ、それを……?!


研究者:あなたは人の心の闇を抜き取り、グラッジとして具現化していた。


アラキ:私は、心の闇を研究し、世の中のために!


研究者:世の中のために、グラッジを作った?


アラキ:そうだ!


研究者:今やグラッジは世界を壊している。


アラキ:……っ!


研究者:博士の失態が世界を巻き込んでいる。それを復讐?


アラキ:お、お前は、誰なんだ!!


研究者:私?私は……。



ーマヤ、夢の中



マヤ:君は……。ねぇ、待って。行かないで!お願い、待って!



ーマヤ、目が覚める。



ユウマ:マヤ?


マヤ:……はぁ……はぁ……。


ユウマ:マヤ、おはよう。大丈夫?


マヤ:大丈夫。


ユウマ:ほんとに?


マヤ:平気だ。


ユウマ:そっか。


マヤ:……。


ユウマ:パンケーキ作ったけど、マヤは食べる?あーでも、アンドロイドだから、人間のものは食べないのかな。でも、2人前作っちゃったし、一人で食べきれ。


マヤ:私も、食べる。


ユウマ:えっ?!マヤ、食べれるの?


マヤ:うん。お腹空いた。


ユウマ:良かった!じゃあ、一緒に食べよう!


マヤ:ふふっ。


ユウマ:え?なんで笑ってるの?


マヤ:いや、ユウマが子どもみたいに無邪気にはしゃいでるから。


ユウマ:え?そんなことないよ!子どもじゃないし!


マヤ:そう?


ユウマ:そうだよ!!


マヤ:ふふ。


マヤM:なんだろう。この懐かしい感じは。とても、暖かい気持ちになる。



ー間



マヤ:世話になった。


ユウマ:こちらこそ、助けてもらった恩返しができて良かった。


マヤ:助けたなんて、私は何も。


ユウマ:マヤ。また会えるかな?


マヤ:どうして?


ユウマ:なんだか、マヤといると心地いいんだ。


マヤ:そうか。


ユウマ:だから、またこうやって会いたいなって。


マヤ:……また、くるよ。


ユウマ:ほんと?!


マヤ:あぁ。約束する。


ユウマ:次は、もっと美味しいの作ろうかな!


マヤ:呑気なやつだな。


ユウマ:人生楽しく生きていかなくちゃ!


マヤ:ふふ。……じゃあ、また。


ユウマ:うん。マヤ!無理しないでね!


マヤ:あぁ。


マヤM:みんなが、ああやって笑顔で過ごせるように、早くグラッジをぶっ潰さないと。



ー研究所内、荒らされている



マヤ:ただいまー。って……なにこれ。


グラッジ:おやおや、アンドロイドのおじょーさんじゃないかぁ。


マヤ:お前は、あの時のグラッジ!


グラッジ:覚えていてくれたのかい?嬉しいなぁ。


マヤ:お前が研究所のみんなを?!


グラッジ:半分正解で、半分ハズレ。


マヤ:なに?


グラッジ:オレはただ、手伝っただけ。


マヤ:手伝った?


グラッジ:オレの仲魔(なかま)から、お誘いを受けたのさ。


マヤ:仲魔…?


グラッジ:あ、そうそう!お前を作った博士は、今頃仲魔たちと楽しく遊んでいる頃じゃないかなぁ!


マヤ:クソが。


グラッジ:おお、怖い。


マヤ:今日こそ、お前を倒す。


グラッジ:あの時、何も出来なかったお前が?


マヤ:うるせぇ。


グラッジ:あれま、すごい殺気。


マヤ:容赦は、しないっ!!!


グラッジ:うわっ、いきなり切りかかるなんて酷いなぁ。


マヤ:余裕ぶっこいてるお前が悪いんだろ?


グラッジ:機械のくせに、生意気だゾッ!


マヤ:消えた?!


グラッジ:う・し・ろっ!


マヤ:ぐっ!


グラッジ:アヒャヒャヒャ!弱い弱い!!


マヤ:……っ。


グラッジ:こんなもんで終わりぃ?アンドロイドってそんなに弱いンだぁ。


マヤ:うるせぇ!!


グラッジ:イヒヒヒヒ。


マヤ:チッ。


グラッジ:そんなんで世界を救おうなんて、馬鹿げた話だよなぁ。


マヤ:お前に何がわかる。


グラッジ:ちーっともわかんないねぇ。けどさぁ、その正義感には虫唾が走るんだっ!


マヤ:くっ…。


グラッジ:アンドロイドのお前は、人間に飼われている。家畜と同じ。イヒヒ。


マヤ:違う!


グラッジ:気に触ったか?攻撃が荒くなっているぞ?


マヤ:……。


グラッジ:そんなにイライラしてるとさぁ。


マヤ:っ!


グラッジ:隙、突かれちゃうよ?


マヤ:ぐわあっ!!


グラッジ:アヒャヒャヒャヒャ!弱い弱い!アンドロイドなんてただの機械。


マヤ:くっ……。


グラッジ:痛い?苦しい?ヒヒヒ。じゃあ、これはっ?!


マヤ:うわああああっ…!


グラッジ:痛そうだねぇ。アンドロイドにも、痛覚があるんだぁ。


マヤ:クソ…がっ……。


グラッジ:まだそんなこと言うの?悲しいなぁ。あぁ、その口も壊そうか?


マヤ:くっ……。


グラッジ:イヒヒ。今日はしないでおくよォ。美味しい魂たくさん食べてオレ、もう満足しちゃったし!あぁ。でも、デザートが欲しいなぁ…。帰りに子どもの魂でも食べて帰ろっかなァ!


マヤ:……っ。



ーマヤ、フラフラと立ち上がる



グラッジ:アンドロイドのおじょーさん、無理しちゃダメだよ?


マヤ:……。


グラッジ:んぁ?黙り込んじゃってどーしたの?


マヤ:お前に魂は、もう食わせない!



ーマヤ、グラッジを一突きする



グラッジ:かはっ……!痛い、痛いぃいい!そんな…そんなぁ……!オレの方が強いのに。なんで……なんで!!


マヤ:……っ。


グラッジ:クソアンドロイド!!機械のくせに!


マヤ:私はお前を許さない。


グラッジ:クソ、クソクソクソ!!魂……魂が足りないぃいい!!



ーグラッジ。魂を求め、研究所の奥へ

ーマヤ、戦闘のキズでグラッジを追いかけられず、倒れかける



マヤ:待て!くっ、早く行かないと。



ー研究所奥。

ーアラキ、研究者にボロボロにされ、壁に磔になっている。



アラキ:く……っ。


研究者:博士、どうです?遊ばれる気分は。


アラキ:……。


研究者:あぁ、何も言えないですか?


アラキ:……っ。


研究者:やはり、人間は無力です。心の闇に犯されて、絶望する。


アラキ:……クソっ。


研究者:苦痛と不安と絶望に満ちた顔。博士、とてもいい顔をしてますよ。このまま、食べてしまいたいくらいに。


グラッジ:魂……魂っ!!


研究者:おや、アナタですか。


グラッジ:絶望した美味そうな匂い……。


研究者:これは、私の獲物です。


グラッジ:オレにもよこせ!


研究者:あなたは、他の研究員をたらふく食べたのでしょう?


グラッジ:オレには、魂が必要なんだっ!


研究者:もしかして、やられました?


グラッジ:くっ……!


研究者:所詮は出来損ない。アンドロイドごときに負傷するなんて。


グラッジ:うるせぇ!


研究者:口の利き方を慎みなさい。


グラッジ:うるせーんだよ!


研究者:慎めと言うのが分からないのか……っ!


グラッジ:ぐはっ!


研究者:お前はもう用済みよ。


グラッジ:や、やめろ!やめろ!!


研究者:ふんっ!


グラッジ:うわああああっ!



ー研究者、グラッジの魂を抜き取り、食す

ーグラッジ、灰となり消えていく



研究者:……やはり、グラッジの魂は美味しいものでは無いですね。


マヤ:博士!


アラキ:マヤ……。


研究者:あら、マヤさん。おかえりなさい。だいぶ、ボロボロですね。安心してください。あのグラッジならもういないですよ。


マヤ:なに?


研究者:私が食べちゃいましたから。


マヤ:食べた?


研究者:えぇ、人間の魂とは違って美味しいものではありませんでしたが。


マヤ:お前もグラッジか。


研究者:ずっと気付いていなかったのですね。意外です。


マヤ:他の人間とはオーラが違うとは思っていたが。


研究者:まぁ、アンドロイドなんて所詮作られたもの。気付かなくてもしょうがないです。


マヤ:……。


研究者:ただ、これ以上あなたに動かれると迷惑なんですよね。


マヤ:迷惑?


研究者:これからは、私たちグラッジがこの世界を支配する。人を家畜のように育て食す。


マヤ:……っ!


研究者: そのためにはあなたの存在が邪魔なのです。


アラキ:マヤ。ダメだ、逃げろ!


研究者:人間はどうして、お互いを助け合おうとするんですかね。笑えてきます。……そうだ。マヤさんは知ってますか?グラッジの正体。


マヤ:グラッジの正体?


研究者:アラキ博士からは、聞いてないですよね?


アラキ:……やめ、ろっ。


研究者:私たちグラッジは、人間の心の闇です。


マヤ:心の闇?


研究者:この世界の全てのグラッジが、アラキ博士の手によって、生成されたもの。


マヤ:……。


研究者:私は、最初に生まれたグラッジ。


マヤ:博士が、グラッジを……?


研究者:ねぇ、博士。一番最初のグラッジは、誰の心の闇か覚えていますか?


アラキ:……っ。


研究者:答えてくださいよっ!



ー研究者、アラキの脇腹を攻撃する



アラキ:ぐっ……!


マヤ:博士っ!


研究者:マヤさんは、手出ししないでくださいね。じゃないと博士の命はありません。


マヤ:くっ……。


研究者:ねぇ、博士?答えてくださいよ。私が誰なのか。



ー長い間



アラキ:娘の、マヤだ。


マヤ:……私と、同じ名前?


研究者:マヤさん、そろそろ思い出したらどうです?


マヤ:なにを。


研究者:人間だった頃の記憶を。


マヤ:私は、アンドロイドだ。


研究者:本当は覚えてるでしょう?



ーユウマ、自室にて



ユウマM:マヤが帰ってから、胸騒ぎがする。マヤに何かが起こっている。


ユウマ:いこう。マヤのところへ。



ー研究所奥



マヤ:私が、人間……?


研究者:そう。5年前、グラッジが研究所を襲い、あなたは死んだ。


マヤ:じゃあ、夢に出てくるあれは。


研究者:人間の頃の記憶。


マヤ:そんな。


研究者:私は、あなたの心の闇。


マヤ:私の、心の闇。


研究者:私とあなたは一心同体だった。


マヤ:……そうやって、私を陥れる気か?


研究者:陥れる?違う。あなたに真実をつたえているだけ。


マヤ:真実を伝えてどうする。


研究者:私は、あなたが欲しい。


マヤ:私?


研究者:今やグラッジは、世界を覆う。私は元の私となり、グラッジの王となるのです!


マヤ:……っ!


研究者:あぁ。拒否したら、博士の魂は私がいただきます。


アラキ:私は大丈夫だ。マヤ、グラッジの話を聞いてはいけない!


マヤ:……アンタに従えば、博士は助かるんだな?


研究者:えぇ。博士には、私が王になるお手伝いをしていただきます。


アラキ:マヤ、ダメだっ!


研究者:博士は、黙っていてくださいっ!



ー研究者、アラキの首の急所を殴る



アラキ:ぐあっ……。


マヤ:博士!!お前、何を!


研究者:少し眠ってもらっただけです。さぁ、どうするんです?



ー間



マヤ:わかった。ただ一つだけ、条件がある。


研究者:条件?


マヤ:……博士ともう1人、ユウマってヤツを見逃して欲しい。


研究者:ユウマ……ですか。しょうがないですね。人間1匹くらい大目に見ましょう。では、マヤ。私の前へ。


マヤ:……。


研究者:魂の共鳴を!



ー研究者、マヤに向かって闇のパワーを発する



マヤ:ぐっ……っ!


研究者:闇を受け入れるのです。


マヤ:あああぁっ!!



ーマヤ、回想。



ユウマ:ねぇ、もし世界にグラトニーやグラッジがいなかったら、どんな世界なのかな。


マヤ:どんな世界?


ユウマ:うん。この本のように、花や木が綺麗に咲いて、動物たちが豊かに生きて、人間が普通の暮らしをしているのかな。


マヤ:私には、わかんないや。


ユウマ:マヤは、本が苦手だもんね。


マヤ:細かい文字を見てると、こう、なんだか目が……。


ユウマ:ふふ、マヤらしいや。


マヤ:うるせぇ。


ユウマ:でも、そんな世界になったらいいのにね。


マヤ:そうだね。


ユウマ:グラッジがくるまでは、そんな世界だったのかな。


マヤ:さぁな。



ー回想終了

ーマヤ、ガクッと膝をつく



マヤM:あぁ、思い出した。なんで気づかなかったんだろう。大切な弟だったのに。ごめんね。ユウマ。


ユウマ:父さん!マヤ!!


マヤ:……。


研究者:おや、来たのですか。


ユウマ:グラッジ!お前、マヤに何を!!


研究者:今から、私たちはひとつになるのです。


ユウマ:ひとつになる?ふざけたこといってんじゃねぇ!うぉおおおおお!!



ーユウマ、研究者に体当たりしようとする

ー研究者、ユウマを吹き飛ばす


研究者:せっかく、お姉ちゃんが助けてくれようとしたのに!


ユウマ:ぐわっ!


研究者:所詮、人間。弱いものですね。


マヤ:……手を出すなと、言っただろう。


研究者:ん?


マヤ:私の家族に、手を出すなと言っただろ!!


研究者:ぐっ……魂の共鳴が、拒絶されている。


マヤ:元々、グラッジは信用してなかったが。


研究者:や、やめろ。


マヤ:私は、お前を許せなくなった!


研究者:クソっ。拒絶どころか、私を飲み込もうと?!


マヤ:なぁ。アンタは、私なんだろう?


研究者:離れ……っ!


マヤ:なら、私が取り込んでやる。


研究者:やめろっ!


マヤ:アンタの力を取り込んで、私が世界を救う!


研究者:うわあああああああっ!!!!


マヤ:ぐっ……っ。



ーマヤ、その場で蹲る



マヤ:かはっ……。ぐっ……私の闇だ。言うことを聞け。


ユウマ:マヤ!!


マヤ:はぁ……はぁ……。大、丈夫。


ユウマ:無茶し過ぎ。


マヤ:また大切な家族を失うのは、嫌だったから。


ユウマ:マヤ、僕も思い出したよ。


マヤ:私もだ。



ー数日後、研究所内



アラキ:よし、修復完了だ。


マヤ:ありがとう、父さん。


アラキ:……マヤ、すまなかった。


マヤ:え?


アラキ:私が研究に没頭したために、お前たち家族を巻き込んでしまった。本当にすまない。


マヤ:……父さんしたことは許されないことかもしれない。でも、今は自分の過ちと向き合っている。それは凄いことなんじゃないかな。


アラキ:マヤ……。


マヤ:父さんは凄いよ。


アラキ:……っ。


マヤ:私はアンドロイドになっても父さんの味方だ。



ーユウマ、研究室に入ってくる



ユウマ:僕も父さんの味方だよ。


アラキ:ユウマ……!


ユウマ:父さん、僕思い出したんだ。家族のこと。ずっと見ないふりをして、辛いのは僕だけだって。でも、父さんも辛かったんだよね。


アラキ:一人にさせてしまって、すまない。


ユウマ:父さん、僕も父さんの研究、手伝っていい?


アラキ:えっ?


ユウマ:僕はマヤみたいに戦ったりは出来ないけど、父さんと一緒に研究することは出来る。それに、マヤのサポートもできる。


マヤ:ユウマのサポートか、それは頼もしいな。


ユウマ:マヤもこう言ってるし、どうかな。


アラキ:しかし……。


マヤ:まさか、自分の失態にまた家族を巻き込んでしまうのか。なんて考えてる?


アラキ:……っ!


マヤ:父さん、アタマ固すぎ。


ユウマ:家族だからこそ、支えたいんだ。



ー間



アラキ:……分かった。今日から、ビシバシ教えていくからな!


ユウマ:そう来なくちゃ!


マヤ:頼もしいサポートたちだな。


アラキ:マヤ、ユウマ、本当にありがとう。頼りにしているぞ。



マヤM:グラッジは、今もどこかで魂を食い荒らしている。私は、これからも家族と共にグラッジを倒していく。世界を救うその日まで。




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