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08

 何この状況!?

 一周回って怖い!

 てか、会長って以外と積極的なの!?


「あ、あの……い、いきなり何を……」


「そ、その……あの……あ、アピールかしら? その……貴霞君に対する」


「な、なるほど……それで俺はこれから何をされるんですか?」


「………何をしたら良いと思う?」


「いや、そこ聞くんですか!?」


 抱きついたは良いけど、何をしたら良いかわからなくなったんだろうな……。

 まぁ、俺みたいな不細工童貞には抱きつくだけで効果は抜群なのだが……。


「あ、あの……とりあえず離れて貰えますか? 整理が出来ないので……」


 非常に嬉しい感覚ではあるが、このままではいつまで経っても整理は終わらない。

 今日はバイトもあるので、俺は正直早く終わらせてバイトに向かいたい。


「む……貴霞君は私に抱きつかれても何も感じないのかな?」


「メチャクチャドキドキするに決まってるじゃないですか」


「だったら、もう少しドキドキしてるような反応を見せて欲しいんだけど?」


「すいません、もうなんか一周回って悟ってます」


「何を!?」


 いや、巨乳の女性から抱きつかれるって……こんな幸せな気持ちに慣れるんだ……あぁもう……死んでも良い……。

 俺は一人でそんな事を思っていた。


「むぅ……貴霞君を振り向かせるのは大変そうだよ……」


 離れる時会長は小さな声でそう言った。





 会長の手伝いを終えた俺はバイト先の喫茶店に急いでいた。

 

「はぁ……はぁ……すいません、ギリギリで」


「あぁ、明嶋君。どうしたんだい? 今日はギリギリだね、いつもは十分前には来てるのに」


「いや……学校で色々あって……」


 俺はバイト先に到着し、急いで準備をする。 今日は誰と一緒のシフトだっただろうかと考えながら、俺はエプロンを着けてフロアに出る。


「あ、明嶋さんお疲れ様で~す」


「げっ……胡桃ちゃん……」


「げって何ですか? げっ! って?」


「い、いや何でもないよ……あはは……」


 今朝あんな事があったし、本当は当分シフト被らないで欲しいな……とか思ってた矢先に胡桃ちゃんと同じ時間帯に……。


「さ、さて……テーブルでも拭いてこようかな……」


「あ、私がしておきましたよ」


「そ、そっか……じゃぁお冷やの水交換に……」


「それも私がしておきましたよ」


「あ、あぁ……そう……」


 なんでこの子はさっきから笑顔なんだろうか……その笑顔が逆に怖い。

 しかも、この職場には胡桃ちゃんのお父さんも居る。

 もし、昨日の事を胡桃ちゃんのお父さんが知ったら……。


「……殺されるな」


「何でだい?」


「おわぁっ!! て、店長……」


「どうしたんだい? なんだか今日はビクビクして」


「い、いえ……別に何でも……あの、店長に聞きたいんですけど……」


「ん? なんだい?」


「その……胡桃ちゃんがもし振られたらどうしますか?」


「いきなりどうしたんだい?」


「あぁ……いや、店長は胡桃ちゃんを溺愛してるので……少し気になって」


「あはは、いくら私が娘を溺愛していても、ちゃんと常識の有る大人だよ、そのときは胡桃を慰めるさ」


「あ、そ……そうなんですか」


 もしかしたら俺が思ってるほどの事をこの人はしないのか?

 そんな事を俺が思っていると店長はニコニコしながら話しを続ける。


「あぁ、その後は……振った男の家まで行って、その男を八つ裂きにするかな?」


「………」


 ダメだ……この人やっぱりヤバイ……。


「あ、あの……ち、ちなみに彼氏が出来たら……」


「彼氏? 胡桃にかい? うーん……そう言う存在はお父さんが許さないから、そう言う男が居たら……ドボンかな?」


 それは何!?

 海に沈めるってこと!!

 怖いよ!

 やっぱり胡桃ちゃんのお父さん恐ろしいよ!!

 どっちにしろ殺されるよ!!

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