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24.5話 『冒険者ギルドにて』


「失礼します。ギルド長」


 太陽が昇り始め、まだ辺りがヒンヤリと涼しい朝。鑑定士・サールは、ギルド長室を訪れていた。彼の手の上には虹色に輝く石が握りしめられている。


「はい。どうぞ」


 中から返事がした。サールはドアを開き、中へ入る。本棚に囲まれたこの部屋の真ん中に置かれているソファにギルド長は座っていた。


「今戻りました。これが高純度の魔石です」


 サールはドワーフと反対側に座り、魔石と呼ばれる石を置いた。光り輝く魔石を見つめ、ドワーフは眼鏡を掛けなおして身を乗り出す。


「ご苦労様です。では、早速解析を進めていくとしよう」


「はい」


 サールは頷き、それからケンの冒険者ライセンスを取り出す。そしてテーブルの上にそれらを置き解析の準備を整えていく。


「そういえば、紋章、ありがとうございました。これはお返しいたします」


 彼はポケットに入っていた紋章を渡す。それを受け取ったドワーフは立ち上がって、デスクに向かう。


「サールさん。ルビーさんはお元気でしたか?」


「はい。お元気でしたよ。今度お会いしてはいかがでしょうか?ルビーさん、寂しがっていましたよ」


 ドワーフは準備を進めながら会話を続けるサールを見つめる。そして苦笑いをした。


「そうでしたか。最近は私も忙しくてね……わかりました。今度会いに行くとしましょう」


 紋章をデスクの引き出しの中に入れたドワーフは、またソファへと戻り席に着く。タイミングが良かったらしい。サールは解析の準備を終わらせていた。


「準備ができました。それでは解析を行っていきたいと思います」


「よろしくお願いします」


 サールは魔石に手を添え、瞑目して念じ始める。しかし、上手くいかなかったのだろう。眉を顰めて目を開ける。


「すみません。もう一度いきます」


 再び目を瞑って念じ始める。眉を顰めて集中するサールを、ドワーフは緊迫した表情で見つめる。


「きます」


 サールがそう呟くや否や、虹色の魔石が急激に光りだし、ギルド長室を虹色で彩る。光に耐えきれないドワーフは、手で目元を隠した。


「解析できました。表示させます」


 彼はさらに集中を深め、魔石に力を籠める。すると、虹色の光の画面が空中に作り出された。


「これは……」


 サールが映し出された画面を確認し、驚いたような声をあげる。気になったドワーフは目を細めて画面を覗き見た。


「『火の加護』……まさかそんな」


 わなわなと唇を震わせて信じられないといった表情でドワーフが呟く。


「ギルド長!これはめでたいですよ!」


「ええ、ええ!まさかこの町で加護持ちが誕生するなんて。すぐに国王に報告しなくては」


 ギルド長は興奮して立ち上がり、急いでデスクに向かう。サールも興奮して扉の方に向かった。


「私は皆にこのことを伝えてきます!」


 ギルド長が頷くと、サールは部屋を退出する。しばらくした後、受付の方から喚声が聞こえてきた。


「『ハヤマ・ケン』か。これは凄いことになった」


 喚声に微笑み、ドワーフは窓の外を眺めたのだった。


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