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Part3.まず「わかる」「わかんない」ってどういう状態?

2019.05.14 19:15ごろ

事例をブラッシュアップ(もっとかんたんに! 具体的に!)しました。

一部表記ゆれを修正しました。

 ことばや体験によって、なにかが「わかった」ということは、ことばや体験を受けとった者が以下の四つの条件――『わかった成立の四条件』を満たした状態になった、ということである。


1.その事柄に関しての、必要充分な一連の情報が……

2.矛盾なく整頓されて、脳内に格納された


 これによって、


3.必要に応じ、そのことに関する、必要な情報を自在に引き出すことができるようになった

4.さらには、意図されたとおりの推測を、まちがいなく、できるようになった


 これはすなわち、充分な学習がされたということに他ならない。

 逆に言えば、充分な学習を成立させられるようなことばや体験が「わかる」ことばや体験、ということになる。



 具体例を挙げよう。

 たとえばあなたがベテランメイド(執事でもよし!)で、今年入ったばかりの新米メイドにおいしいお紅茶の入れ方を教えている、とする。

 茶葉の扱い方、お湯は沸かしすぎないこと、ポットやカップをあらかじめ温めておくことや、茶葉によって抽出時間をかえること、などなどを手順にそって説明すると、最後にはこうチェックすることだろう。


『これでわかったわね? じゃあそうね、茶葉の扱いについて、説明してみせて!』

『これでわかったかな? 今度はこっちの茶葉でいちから、一人で考えて入れてみて』


 つまり、あなたのした説明を、相手が「わかった」というのは――


・必要に応じ、そのことに関する、必要な情報を自在に引き出すことができるようになった

(例に基づけば、紅茶の入れ方について、一部をピックアップした説明でも、できるようになった)


・さらには、意図されたとおりの推測を、まちがいなく、できるようになった

(例に基づけば、茶葉によって抽出時間を調整する、などの対応を自分で考えてやれるようになった)


 ――相手が、あなたからのことばや体験を受け取ったことにより、このような状態になった、ということなのである。

 これはつまり『そのことについての充分な学習がなされた』ということである。



 ではそうなるために、必要な条件は、何か。


 まずそのことについて、相手がことばや体験を受け取り、そこから情報を得るのは大前提だ。

(上の例なら、そもそもおいしい紅茶の入れ方について、教えてないといけない)


 その情報は、不足してはいけない。

(たとえば、最初の方はしょられたから、わかんないや……とかだとだめ)


 そしてそれらは頭の中に、理路整然とあらなければならない。

 余計なものはいらないし、おのおのが矛盾してはいけないし、ごちゃごちゃでもいけない。

(これはそのまま。

 紅茶の入れ方説明なのに突如ブラックホールについて語りだしたら余計だし……

「紅茶のポットは温めておくこと」と言いながら「紅茶のポットはキンキンに冷やしておくこと」と言ったら矛盾している。

 手順が順番に覚えられていないのも、いけない。)


 それらの条件をまとめると、『わかった成立の四条件』になる。



 逆にわからない、というのは、この条件のどれかを満たしてない、ということだ。

 つまり、こういう状態だ――


 1.より

『必要』が満たされてない→提示されている情報が、不足している

『充分』が満たされてない→余計な情報が提示されている


 2.より

『矛盾なく』が満たされてない→矛盾する情報が提示されている

『整頓されて』が満たされてない→配置がごちゃついている


 →そのどれかか、全部のせいで、3.4.ができない。




 かみくだいて言うならば……


 情報をそもそも得ていない。(ぜんぜん教わってない!)

 情報が足らない。余計な情報が邪魔になっている。(途中からしか聞かされてないとか、別の話がまじってる)

 情報が矛盾していたり、頭の中でごっちゃごちゃだったりする。

(ポットを温めとくと言いつつ冷やすともいったり、手順がごちゃごちゃだったり)


 これでは、必要な情報を自在に引き出すことも、それを用いての正しい推論もできなくなってくる。


 すなわち、あなたの

『茶葉の扱いについて、説明してみせて!』

『こっちの茶葉でいちから、一人で考えて入れてみて』

 に対して新米ちゃんが『えーと……』となってしまう状態。

 つまり、わからない、という状態になってしまうのだ。



 ではどうしたら、相手に渡すことばや体験が、『わかった成立の四条件』を満たした状態になるのだろうか?


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