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あなたが放尿したアフィリエイト広告が恋しくて……

一動画残らず低評価しました

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…………

 とあるユーチューバーの動画にて。


「はいどーも。ピカルです」


 小さくSE。


「今回ですけども! 大事なお知らせがあります~!」


 ワーッ~と拍手をする子供たちのSE。ピカルも拍手をしつつ、場を盛り上げる。


「みなさん、ミナミ町って知ってます?」


 ポン、とSE。ピカルは手をカメラに向けて差し出すように振り、まさに視聴者へ語り掛けるような仕草をする。


「けっこう、ネットニュースとか、あっ、テレビでもやってるね。Twitterなんかじゃ、もうお祭り騒ぎってくらいに盛り上がってるか」


「フライアンだとか、エンジンニアだとか。ネットを騒がせた犯罪者たちはミナミ町で逮捕されたみたいで、わりと聖地的な? 感じになってるわけです」


 所々にカットを入れつつ、ピカルはスムーズに話を進める。


「で、さっきも言った犯罪者たちを倒したヒーローみたいな人がいるらしいんですよ!」


 デンッ! と言葉を強調させるようなSE。


「名前は、エレボルって言って、まぁ……なんというか恰好は変態って言うか、ダサい(笑)」


 ダサい(笑)はサイズが大きく、太字のゴシック体、派手なカラーで強調される。


「けど、ムっちゃ強いんですよ! アメコミのスーパーヒーローみたいに、雷をばぁーっ! と出して、空も飛べるんです!」


「実際、エンジンニアだとかフライアンって、警察や侍がどうにもできなかったくらいに強いんですよ。てことは、エレボルってめっちゃつええ! みたいな?」


 ピカルはエレボルに対する美辞麗句をそこそこにまとめる。


「で、そんなエレボルなんですけど、割と正体が不明なんですよね」


 で、の部分で、ポンっとSE。それにより話が変わることを伝える。


「出てきて間もない、ってのもあるんですけど、わかっているのが、ざっとまとめて4つ」


「まず、電気とか、磁力を使って闘うことです」


 画面の目立つところに、『電気や磁力を使う』という文字。字幕より目立つようにカラーやサイズ、フォントを変える。『電気』の部分はサイズを大きめで黄色、『磁力』の部分はサイズ大きめでシルバー。


「まぁ、これは見ればわかりますね。俺もざっと調べただけですけど、エンジンニアと闘った時は、車を持ち上げるくらいに強い磁力も操れるらしいです」


 いらすと屋で拝借した車のイラストをぷかぷかと浮かせるようなイメージを画面の端に映す。


「2つ目! 恰好がダサい!」


 これも先と同じように、字幕より目立つようにカラーやサイズ、フォントを変えて画面の端に『恰好がダサい!』と文字を置く。


「まーこれも見ればわかりますね。よくあんな恰好で人前に出れるなぁ。俺だったら自殺してる(笑)」


「そして3つ目。なんか上司がいる!」


 1つ目、2つ目と同様に文字を置く。


「これもエンジンニアと闘った時なんだけど、ピンチの時に、『Mr.cheer』とか言う、まーこれもダッサイ人が出てきたらしいんですね。詳しくはわかりませんが」


「もしかしたら、エレボルみたいな人がもっといるのかもしれませんねー。炎とか、氷とか操る魔法使い的な集団があるのかも!」


「4つ目ですが、学生……かもしれない!」


 学生、は堂々と、かもしれない、は目立たないくらいに小さな文字として表示される。


「と言うのもですね。フライアンと闘った時、けっこーすぐに到着してるんですよ。その中で、その学校の生徒たちに向けて話した言葉もあるんだけど、他は良く聞こえなくてなーんか特定には至っていないらしいね」


「まぁ、最初からフライアンと闘おうと思っていればすぐには到着するだろうけど、うーん、その辺はわりとまだわかってないみたいだねー」


 あとは適当な考察などを簡単に述べた後、


「さて、ここからが本題です。実は、今度ミナミ町に行ってみようかと思っています!」


 拍手喝采のSE。画面の字幕も目立つように配置、とにかく盛り上げる。


「ここまで見てくれたらわかると思うけど、実はエレボルに興味があってー。一回でもいいから会ってみたいんだよねー」


「みなさんも、どうやって雷を出すかとか、どうしてそんな事が出来るようになったかとか、知りたくありません?」


「良く考えてたら、心臓にエンジンが埋め込まれたエンジンニアや、ナガノで育ったフライアンは科学的だけど、雷を出すエレボルって、魔法みたいだよね」


「できれば、会って、いろいろ話をしてみたいですねー。それを動画にして、みなさんにも知っていただければ一石二鳥ですし」


「で、みなさんに相談なんですが、僕がミナミ町に来るってことを拡散して欲しいんです!」


 拡散、の文字は目立つように配置。


「もし、エレボルがこの動画を見ていたら、すぐに連絡が欲しいです。でも、たぶんそれだけじゃ知らせるのは無理だろうね」


 無理だろうね、のあたりで気の抜けるようなSE。


「だから、とりあえずtwitterで拡散して、youtuberのピカルが会いたがっていることを、エレボルに伝えれたらいいなー、と思っています!」


「ま、ミナミ市には3泊4日くらいを予定してるかなー。とりあえず、ミナミ市でエレボルがエンジンニアやフライアンと闘った聖地的な場所を散策して、動画に上げたいと思います」


「今日はこんな所かな。じゃあ、みなさんTwitterの拡散をよろしくねー。それと、ちゃんねる登録もお願いしまーす」


 画面下部分に大きくちゃんねる登録の文字。




 


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