表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

序章


シャン・・・シャン、シャン・・・・

境内の社殿から、巫女の華麗な神楽舞いを演じる鈴の音が聞こえてくる。

白い小袖に緋色の袴。

襟には襦袢の赤が覗いている。

上着に千早を羽織って、赤い胸紐を結んでいた。

後ろ髪は長く絵元結にして垂らして、頭に天冠を頂く。

足は白足袋で、手には採り物として、木柄の神楽鈴を持っていた。

シャン・・・シャン、シャン・・・・

巫女の木柄の鈴音が邪気を祓い、周囲を浄化していく。


『楠公墓地』の楠の巨木が、静かな時を刻んでいる。

木々の葉が触れ合う音。

小鳥たちの囀り。

温かな木漏れ陽。

その楠の巨木の下で、

女の子が一人、柔らかな草の絨毯でうたた寝をしている。

土と緑の香りが、心地良さそうだ。

シャン・・・シャン、シャン・・・・


ここから東の飯盛山の麓には、『四条畷神社』が鎮座している。

そして、この二つの神域を鎮守しているのが、市の木の楠だ。

『小楠公さま』ゆかりの四条畷市には、幸福な時が流れていた。

シャン・・・シャン、シャン・・・・

「幸福な世界に戻して」

世界を包み込んだ優しい光は、巫女の願いを叶えてくれた。

幸福な世界は、再び、ここから始まる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ