第619話 偽神器封印
今日の投稿分は昨日、実生活でトラブルが相次いだため非常に短いです(汗
すいません。明日からは元に戻るはずです(泣
竜郎はさっそく《多重レベルイーター+α》を発動し、口内に黒球を生み出していく。
カルディナたち魔力体生物組は竜郎のレベルイーターを補助してもらうので、今から吸収している間、竜郎とカルディナ達は戦線に加わるのは難しくなった。
だがアレはニーナの猛攻によってモドキーズの召喚が難しくなったせいもあって、今現在は大体30体そこそこが最大値くらいにまで下がっていた。
それは、こちらにモドキーズ除去班から戦力を呼び戻すことが出来るようになったと言う事でもある。
「マカセテクレ」
「お任せを──マスター」
「よっしゃあ──俺の出番だ!」
蒼太。アーサー&アイギス。ガウェイン&黒田を加えて、アレとの戦闘が激化していく。
蒼太は尻尾の先でモドキーズを弾き飛ばしながら、さらにあり余る力を使って上から見下ろすように下を向いて、雷と光魔法を混ぜた大出力の超竜力収束砲を何度も何度もお見舞いしていく。
消費度外視による一撃は非常に強力で、アレも無視できない。
味方にはいつどこに放たれるのかミネルヴァ経由で理解しているので、皆いちいちタイミングを探り合う事も無いので非常に有効的だった。
さらにガウェイン。彼はここまでの長時間戦闘と、モドキーズを殴り蹴って来たことでステータスは戦闘を始めた頃よりもかなり向上し、皆が疲弊してきている中、蒼太と同じく絶好調。
むしろ今こそ最盛期ともいえるほどの活躍見せていた。
アレの気を引きつけたり、自らが蹴り飛ばしに行ったりと、今まで溜めこんできた鬱憤を吐き出すように暴れまわる。
そんなガウェインに混ざりながら、堅実にアーサーは攻防一体の技と力でしのいでいった。
ニーナや愛衣もここに加わっているので、危なげなく事態は進行していく。
竜郎は武蔵の《瞬動》と《移動多歩》で近付き黒球を1個2個と当てていく。
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レベル:5003
スキル:《世界力変換吸収》《超特級自己再生・極》
《断絶破掌》《空間反転》《偽神格》
《分霊偽神器:多次元私参照復元 Lv.9999》
《多次元私劣化複製》《飛翔 Lv.12》
《鱗飛散乱 Lv.20》《魔力球 Lv.20》
《引っかく Lv.20》《爪襲撃 Lv.20》
《魔力波 Lv.18》《突進 Lv.20》
《角射出 Lv.20》《魔力収束砲 Lv.20》
《粒種超爆 Lv.20》《爆弾吐き Lv.20》
《足爪伸刺 Lv.20》《全溶舌伸 Lv.20》
《蹴襲撃 Lv.20》《切断手刀 Lv.20》
《極魔大砲 Lv.20》《偽神強体 Lv.20》
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(《偽神格》……。偽の疑似的な神格を得るスキルの様だが、恐らくこれがあったからこそ、偽神器が作れたんだろうな。
偽神種ってのは、こういうことが出来るようになるってのは覚えておいた方がいいかもしれない)
そんな考察をしながらも、10個20個とアレに黒球が吸い込まれていき、カルディナ達が吸い出し作業に乗り出してくれている。
竜郎が黒球を当てるごとにその速度は増していき、アレの偽神器のレベルはグングンと下がっていく。
だが恐らく普通のレベルと違うので、今の状態でも分霊偽神器を発動すれば、一瞬で元のレベルに戻って復元できるだろう。
そして復元されると書き換えからやり直し、属性構成は丸のまま復元なので解析し直しなんてことは無いだろうが、今のこちらの疲労度からいっても一度で終わらせたい。
だからこそ復元しなければいけない様な攻撃はせずに、アレを引きつけておいてもらう必要があった。
30個40個と黒球を当てていく。
ここまで来ると元は9999もあった数字が、かなりの速度で減っていく。
そして竜郎がカルディナたちの補助を得た状態で制御できる数が、52個だと判明したころには、高速で早送りするようなスピードでレベルがカウントダウンされていく。
アレはそれなりに近い所にいるくせに何もしてこない竜郎やカルディナたちを不気味に感じている様子は見せるが、今もまたニーナに顔面を殴られ顔を陥没させられ、こちらに構っている余裕はなさそうだ。
それに思わず苦笑してしまいながら、最後の詰めを見誤らない様に目の前のことに集中していき──。
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レベル:5003
スキル:《世界力変換吸収》《超特級自己再生・極》
《断絶破掌》《空間反転》《偽神格》
《分霊偽神器:多次元私参照復元 Lv.0》
《多次元私劣化複製》《飛翔 Lv.12》
《鱗飛散乱 Lv.20》《魔力球 Lv.20》
《引っかく Lv.20》《爪襲撃 Lv.20》
《魔力波 Lv.18》《突進 Lv.20》
《角射出 Lv.20》《魔力収束砲 Lv.20》
《粒種超爆 Lv.20》《爆弾吐き Lv.20》
《足爪伸刺 Lv.20》《全溶舌伸 Lv.20》
《蹴襲撃 Lv.20》《切断手刀 Lv.20》
《極魔大砲 Lv.20》《偽神強体 Lv.20》
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(とった!)
竜郎は、いつ気まぐれを起して復元しだすかヒヤヒヤしていたのもあって、すぐさま口内に集まった黒球を一気にごくりと飲み込んだ。
──カッと胸が焼けるような熱さを数秒味わいながら、アレの分霊偽神器は完全にレベル0となった。
そこでアレを見る。まだ気が付いていない。ニーナのおかげで、こちらにも余裕はある。
(これ……他のスキルもヤバそうなのは取れるんじゃないか?)
カルディナ達に目線を送ると、うんうんと頷いている。
ミネルヴァにそれを伝えて皆の意見も聞いてみるが、どうせならその方が楽に倒せそうだという意見が多数で可決された。
そうと決まれば早かった。竜郎はまた武蔵のスキルを借りながら黒球を当て直していく。
飲み込んだ時点で、アレに入れていた黒球は全部消えてしまったからだ。
けれど今度吸い取るのは馬鹿げた数字ではないので、竜郎が当てていくとカルディナたちが吸い出し始め、どんどんスキルのレベルをハゲタカのように貪っていく。
アレの頑丈さをさらに増強させていた《偽神強体》。
一撃の破壊力が高い《極魔大砲》。小粒な割に威力の高い厄介な《粒種超爆》《爆弾吐き》などなどドンドン0にしていく。
そしてついに──。
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レベル:5003
スキル:《世界力変換吸収》《超特級自己再生・極》
《断絶破掌》《空間反転》《偽神格》
《分霊偽神器:多次元私参照復元 Lv.0》
《多次元私劣化複製》《飛翔 Lv.0》
《鱗飛散乱 Lv.1》《魔力球 Lv.3》
《引っかく Lv.3》《爪襲撃 Lv.3》
《魔力波 Lv.0》《突進 Lv.3》
《角射出 Lv.3》《魔力収束砲 Lv.1》
《粒種超爆 Lv.0》《爆弾吐き Lv.0》
《足爪伸刺 Lv.1》《全溶舌伸 Lv.0》
《蹴襲撃 Lv.1》《切断手刀 Lv.1》
《極魔大砲 Lv.0》《偽神強体 Lv.0》
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一部だけ行動を読みやすくするために食べ残し、残っていると面倒なスキルだけはきっちりと0にし終わった。
竜郎はごくりと再び黒球を飲み込んだ。これでアレのレベルは竜郎に喰われたことになる。
アレは目に見えて弱体化していた。
スキルが使えないことに驚き苛立ち、訳が解らず殴られる。
さすがにおかしいと思って《分霊偽神器:多次元私参照復元》で復元を試みるが、発動してくれない。
さらに《多次元私劣化複製》を使ってモドキーズを呼び出しても、呼べる数は10体に激減。さらに呼んだとしてもレベルにすれば500程度。スキルの劣化具合も著しい。
もはやモドキーズは竜郎たちにとって何の脅威でもなくなった。
アレは目に見えてオロオロし始めた。
ならば、後は──。
「全員集結だ! アレを全力で叩き潰すぞ!」
下手に動かれてまた妙なスキルを会得したり、スキルレベルを上げ直されたりしても面倒だ。
ならばあとは《断絶破掌》《空間反転》に気を付けながら、初期よりも随分と防御性能の下がった体を寄ってたかって破壊するだけ。
竜郎たちは最後の大詰めに向かって最後の余力を振り絞り、アレに立ち向かっていくのであった。




