表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベルイーター  作者: 亜掛千夜
第四編 躍進

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

490/634

第488話 新たなカルディナ

 《魔法域超越》でのレベル上限突破に加えて、さらに神竜魔力という扱いにくい部類のエネルギーを使って最大出力での極光と極闇の混合魔法。


 これは純粋に力として考えれば強力無比なものではあるが、今までの魔力頭脳ではこれで複雑な魔法を使おうと思えばオーバーフローを起して真面まともに扱うことが出来なかった。


 だがしかし、今竜郎が使っている塔杖に搭載されている新型魔力頭脳は、魔法構築難易度で言えば最高難度と言ってもいい魔法に対しても、余裕すら持って演算を始めていた。



『なんだこれっ。正直魔力頭脳を強化しただけの物かと思っていたが、別物じゃないか!』

『そーなの? 私からじゃ良く解んないけど』

『全然違う!』



 魔力頭脳をパーソルコンピュータとするのなら、新型魔力頭脳はスーパーコンピュータといっても過言ではないだろう。

 もはや性能面では比べられるレベルの違いではない。


 先ほどまでの動作チェックでは魔力頭脳でも出来る範囲での演算だったのでそのスペックの違いに気が付くことは出来なかったが、今なら竜郎でもはっきりと解った。


 あの苦労していた混合魔法が、ほとんど勝手にと言っていいほど精密でムラなく完璧に構築されていっているのが感覚で理解できる。

 今までの苦労は一体何だったのかと言いたくなるほど工程は順調に進んでいき、正味5分もすれば完成してしまった。



「まじか…………。カルディナー! どうだー? できそうかー?」

「ピュィーーーー!」



 塔の先端に出来上がっていた、強大なエネルギーが込められた極光と極闇の混合球のある場所までカルディナは飛んで行く。

 そして暫く眺めると、いけそうだと竜郎へと大きく鳴いた。



「よし、ならそのまま移植に移ろう!」

「ピュィィイイュィー」



 音魔法によって拡声された声がカルディナに届くと、大きく頷きながらその中へと飛び込んでいった。


 最初のころと比べて随分と肥大化した情報もなんのその。

 新型魔力頭脳の演算能力をフルに使って、あっという間に移植作業も終わりカルディナの体は無事に生まれかわった……のだが。



「どうした? カルディナ」



 いつもの形になることなく、エネルギーの球体状態で塔の立体魔方陣をすり抜けて竜郎の前までやってきたのだ。

 それから天照などを介して色々と聞いてみると、まだ完全に馴染んでおらず形を取るのは難しい状態なのだという。


 そう言う事ならと、竜郎はカルディナを自分の中に戻して安静にしていて貰うことにした。



「こう御期待! ってことだね」

「だな。明日には新しい体にも馴染むだろう。それじゃあまだ《魔法域超越》が切れるまで時間もあるしジャンヌ!

 次はジャンヌの体を造ろうと思うがいいかー?」

「ヒヒーーン!」



 元気よく大きな声で快諾を貰えたので、竜郎はさっそく先ほどの魔法を《複合魔法スキル化》でスキルにしておいた。

 すると竜郎のスキル欄には《神域陰陽玉》というスキル名で、今の魔法が登録された。


 後はもう簡単だ。

 竜郎は神竜魔力を必要な分生成して、スキル化された《神域陰陽玉》を発動するだけ。

 後はなんのイメージもする事無く塔杖が勝手に演算処理して構築してくれる。

 先ほどは5分かかった工程も2分にまで短縮された。


 そのままジャンヌも塔杖の上に出来あがった《神域陰陽玉》へとダイブして、竜郎がジャンヌの情報を移植。

 カルディナの時同様に直ぐに形を作れそうにないというので、竜郎の中に戻っていった。



「この調子なら全員分いけそうだ! じゃんじゃん行こう!」

「次はわたくしですのー!」



 そうして時間一杯になるまで続けていき、何とか《魔法域超越》の効果が切れる前に最後まで待って貰っていた天照も換装を完了した。


 魔力体生物組は全員竜郎の中へと戻ってしまっているが、それでも確実に更なる高次元の存在に至るために巨大な力を、その身に馴染ませているのが伝わってくる。

 だが少なくとも明日まではかかりそうな雰囲気があったので、これ以上は何もできないと判断し、塔杖の新型魔力頭脳を停止して貰い、竜郎と愛衣は下まで降りて行った。



「明日が楽しみだね!」

「ああ。明日はカルディナたちのお披露目会でもやるか」

「うん!」



 そしてやって来たるは翌日の昼。

 最後に新しい体に換装した天照も完全に馴染んだという事なので、さっそく砂浜まで全員でやってきた。


 今回は爺やに彩人、彩花。ウリエルもいる。鬼武者幽霊の武蔵や魔剣の眷属ダーインスレイヴも後の方でこちらを見ている。


 ちなみにルシアンはといえば、そちらはウリエルの使徒の赤スライムと光霊が見ている。

 スライムは器用と言っていただけあり、人間の姿になれば単純作業は簡単にこなすし、何かあれば遠隔でウリエルが操作できるので城の管理に非常に役立っていたりもする。


 賑やかしに子パンダ達や豆太、シャチ太なども呼んで、蒼太やワニワニ隊も遠巻きながら見守っている。

 そんな非常にギャラリーが多い中で竜郎は中心に出て行き、いよいよカルディナ達のお披露目となった。



「まずはカルディナから。出てきてくれ」

「ピュィーーー」



 《成体化》状態で現れたカルディナは黒と白のボディから一新し、灰銀色の鷲といったフォルムに落ち着いていた。

 それ以外は全長40センチと地球にいる普通の鳥に比べたら大きい方だが、以前と変わり映えはしなかった。



「白と黒色はいわば陰陽玉の色みたいなところがありましたからね。

 色が変わったのは《成体化》状態であっても、自己としてより確立した存在になったという事でしょうね」

「ジャンヌや奈々、アテナも《真体化》以外は、ほぼ白黒で構成されてたからな。

 まさしく自分の色を持ち始めたって所か」



 少し竜郎がカルディナを調べてみれば、今まで出来なかった自己構成魔力の自力回復が微量ながらできるようになっていた。

 そのおかげで構成魔力を消費してしまっても、じっとしていれば長い時間を掛けて元の状態に戻れそうだ。

 ただ膨大過ぎる構成魔力を4分の1でも消費してしまえば、竜郎の補給なしで完全回復するまでの時間は年単位に上る。

 それなら消耗した時は今まで通り竜郎が補充するという方法を取った方が効率的ではあった。



「それじゃあ、今度は《真体化》を見せてくれ」

「ピィュー」



 一瞬の輝きと共にカルディナの体が大きく膨れ上がった。

 そうして現れたは高さ2.5メートル程だった体長は3メートル程まで大きくなり、全身を覆っていた綺麗な青色の竜燐は薄青になり、一枚一枚が刃のように硬く尖った羽で構成される翼は灰銀へ。

 そんな竜燐まとう灰銀の翼を持つグリフォン──といった姿へ変貌していた。



「ちょっと大きくなったねー」

「ピュィーーー♪」



 愛衣に撫でられて嬉しそうに鳴くカルディナ。そんな光景に微笑みながらも、竜郎は重要な事をカルディナに聞いてみる。



「それでカルディナ。神格者にはなれたか?」

「ピィューーー」



 答えはイエス。カルディナは大きく首を縦に振った。

 そして《アイテムボックス》から出した紙に字を書いて、クラスが『疾速刃竜帝』から『疾速刃竜神』へ変わり、クラスチェンジ特典として《神格者》の称号と《天翔竜神刃》というスキルを入手したと伝えてきた。


 さらに驚くべくことにクラスチェンジの影響でなのか、いくつかのスキルに変動が起きたらしくステータスを見てほしいとの事。

 なのでさっそくカルディナのステータスを見ていく。



 --------------------------------

 名前:カルディナ

 クラス:疾速刃竜神

 レベル:164


 竜力:17153

 神力:100


 筋力:9397

 耐久力:7027

 速力:13441

 魔法力:16255

 魔法抵抗力:14703

 魔法制御力:16501

 ◆取得スキル◆

 《神体化》《真体化》《成体化》《幼体化》

 《分霊神器:遠映近斬》《竜飛疾風》

 《飛竜滞空強化》《飛竜加速突射》《天翔竜神刃》

 《竜飛翔 Lv.20》《後竜飛翔 Lv.20》《超高速竜飛翔 Lv.17》

 《竜翼刃 Lv.20》《真・竜翼刃 Lv.14》

 《解魔法 Lv.20》《土魔法 Lv.18》《水魔法 Lv.16》

 《射魔法 Lv.14》《魔弾》《自動追尾 Lv.13》

 《剣術 Lv.16》《ひっかく Lv.11》《竜爪襲撃・豪 Lv.7》

 《居合斬り Lv.8》《斬撃超強化 Lv.17》《竜魔剣 Lv.14》

 《高所絶対優勢》《高所睥睨》《須断尽斬 Lv.13》

 《竜力回復速度上昇 Lv.11》

 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+4》《マップ機能+4》

 残存スキルポイント:611

 ◆称号◆

 《解を修めし者》《土を修めし者》《水を修めし者》

 《射を修めし者》《解を極めし者》《剣を修めし者》

 《獣を修めし者》《すごーい!》《越境者》

 《竜飛鳳舞》《竜飛鳳舞・極》《竜飛鳳舞・後》

 《竜飛鳳舞・後極》《超竜飛鳳舞》

 《竜刃之権化》《竜刃之権化・極》

 《真・竜刃之権化》《竜なる者》

 《デヴェルリュート》《高難易度迷宮踏破者》

 《竜殺し》《竜を喰らう者》《魔王種殺し+2》

 《魔王種を喰らう者》《斬撃の申し子》《神格者》

 --------------------------------



「《真体化》とかの形態変化に《神体化》が加わってるな。

 って事は、《真体化》の更なる上の形態が増えたって事か?」

「ピュィーー」



 どうやらそう言う事らしい。

 なので《神体化》を早くみたいとも思ったが、他にもいくつかステータスで気になる項目を見つけた愛衣が声を上げる。



「あっ、それに分霊が分霊神器に変わってるよ。何か解る? イシュタルちゃん」

「神格者持ちの竜が持つ分霊の事だ。

 ただの分霊よりも強く性能がアップしたと思えばいいだろうな」



 後は神力が新たに加わっており、他にもいろいろと以前見た時よりもスキルのレベルが上がっていたり、それによって得た称号が増えたりとしていた。



「それでこのクラスチェンジで覚えた《天翔竜神刃》ってのは、どんなスキルなんだろうな」

「見てみましょう」



 --------------------------------------

 スキル名:天翔竜神刃

 レアリティ:ユニーク

 タイプ:アクティブスキル

 効果:攻撃する瞬間に、その時の速力、移動速度に応じて切れ味が増す刃を生成する。

    またその発動時のみ速力100倍となる。

 --------------------------------------



「これはまたとんでもないスキルね」



 飛行時のカルディナの速力はスキルや称号効果はたまた素体自体の性能もあって、ステータスに表示されているよりも高くなる。

 さらにその速力での高速飛翔によって移動速度も上昇。

 それらが折り重なった時に放たれる《天翔竜神刃》は、まさに神速の刃と化して相手を切り裂くだろう。


 ただこれを使うには《神体化》状態であり、なおかつ神力と大量の竜力も必要なので、何度も発動できるようなスキルではない様だ。



「連発は難しいとはいえ強力なスキルだし、たいていの敵は一回で終わる事がほとんどになりそうだから大丈夫だろう。

 ──さて。それじゃあカルディナ。新しい形態、《神体化》を見せてくれ」



 一度手を叩いて区切りをつけると、竜郎はカルディナに向かってそういった。

 するとカルディナは「ピュィーー!」と一声鳴いて頷くと、やや皆から離れた位置まで飛んで行く。


 そして《真体化》の上に位置する新たな姿へと変化していく。



「ピュュィィイイイイイイーーーーーーー!」

「これが《神体化》か……」



 そこにいたはパッと見5メートルまで肥大化したグリフォンに見えた。

 だが鷲獅子と言われる様にグリフォンの特徴である下半身は獅子ではなくなり、竜の足に竜の尾が生えた鷲竜とでも言うべき存在になっていた。

 さらに嘴の周りには牙が並んでおり、より凶悪に。鷲の顔も心なしか細長くもなっているようだ。

 そして翼。こちらは大きい竜翼が手前に一対。中くらいの鷲翼が奥に一対と、計四枚の翼になっていた。



「なんか高貴な印象が増したって感じだね」

「ピュイー」

「鳴き声はそのままみたいだけどな」



 どことなく近寄りがたい風貌になっていたが、それでも変わらぬ鳴き声に竜郎は思わず笑ってしまった。

 そしてせっかく《神体化》したのならと、ジャンヌに出てきてもらう前に分霊神器を見せて貰う事にする。



「ピュュィィィイイーー」



 現れた分霊神器は、以前と変わらぬ金の輪っかに小さなナイフを周りに付けたような日輪と見た目に変化はなかった。

 しかし最高5個までだった個数制限が50個に跳ね上がり、周囲に全て展開してぐるぐる回転させればそれだけで脅威となるだろう。


 しかし、神器へと至ったこれにはもう二つ機能が追加されていた。

 まずその一つ目。

 カルディナは50個展開した金の日輪を体にくっつけていく。

 すると日輪がカルディナに同化するようにして見えなくなった。


 それに何の意味が? と全員が首を傾げていると、《分霊:遠映近斬》が持っていた、探査魔法の範囲を映し出すという能力を応用し、自分の周囲の映像を同化した日輪に映し出していく。

 するとカルディナの表面に周囲の風景が映し出され、その姿を消して見せた。

 さしずめ日輪を使った光学迷彩といったところだろう。


 そんな透明になったカルディナを、イシュタルは苦笑しながら見つめていた。



「あの馬鹿みたいな飛行速度で迫って来るのに、目に見えないと考えると恐ろしいな……」

「精霊眼なんかで見ればサーモグラフィー的な感覚で観る事は出来るが、そういうのが無いとなると気が付かれないように後ろから魔弾でズドン、翼刃でズバッて事も容易だろうな」

「スパイみたい! かっくいー!」

「ピィィィューーー♪」



 日輪が剥がれて落ちるように離れていくとカルディナの姿が現れる。そして、はしゃぐ愛衣に嬉しそうに鳴いていた。


 それからもう一つの機能は、スキルの発動起点に出来るようになったという事。

 つまり日輪はカルディナの体の一部として使うことが出来、離れた所にそれを飛ばしてそこから魔弾を撃つ、《居合斬り》で切り裂くなんて事も可能。


 50個を広げて展開し自分自身と合わせて一斉に魔弾を発動させれば、それはそれは愉快な事になるだろう。

 はたまた離れた所に飛ばした日輪から探査魔法を放ち、カルディナ単体では届かなかった範囲まで調べる事も出来るだろう。



「これだとナナ達の分霊も期待できそうですね、兄さん」

「だな。それじゃあ、カルディナこっちにおいで。次はジャンヌの番だ」

「ピィィユーーー」



 《神体化》から《成体化》に戻って竜郎の方へ飛んでくると、頭の上で《幼体化》してポスンと小さな灰銀色の鷲の雛鳥が乗っかった。

 そんなミニカルディナを愛衣は可愛いと言いながら、指先でその頭を撫でたのだった。

ジャンヌ達のステータス作成が間に合いそうにありません……(汗

おそらく明日以降のジャンヌ達のステータス画面は省略され、文字だけでの説明になるかと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ