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レベルイーター  作者: 亜掛千夜
第九章 原点回帰編

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第396話 発見

 《魔王種殺し+1》は、全ステータス+50から80へ。スキル《対魔物特化》から《対魔物特化+1》効果付与へ。

 後者はより魔物に対しての攻撃力補正が強くなったようだ。

 そしてさらにもう一つ項目が追加されており、魔王種結晶の二個同時使用可。という、《魔王種を喰らう者》を持つものだけに適用される効果まであった。

 竜郎達からしたら二個同時に使えるものと思っていたようだが、これが+1でないと本来は一つずつしか使えなかったらしい。



「でも合体させたり、同じものに複数は無理みたいだな」

「一個を超強化なんてのも面白そうだったんだけどなあ」



 また竜郎がレベル200を越えた時の称号《越境者+1》は、自分以外のパーティメンバーの全ステータスを微増から微が取れて増と表示が変わっていた。

 さらに自分以外のパーティメンバーの環境適応能力微増。というものが加わってもいた。

 これは本来暑さや寒さなどの耐性が付くと言った風に用いられるものだが、凶禍領域にも適応できているらしい。

 カルディナ達の弱体化が、ほんの極わずかだけだが緩和されていることが解った。



「まあ、言われてから初めて気が付けたってレベルなんすけどね」

「けどないよりましですの」

「重複効果もある様なので、私と姉さんがもう一、二体今のレベルの敵を倒して覚えればもっと楽になりそうなんですけどね」



 そして最後に、響きあう存在について。



 --------------------------------------

 称号名:響きあう存在+3

 レアリティ:20

 効果:この称号を同時に取得した人物との念話が可能になる。

    同人物へ心象伝達が可能になる。

    同人物を媒介として、離れた場所でのスキル能力の行使が可能になる。

    同人物と接触している間、任意での五感大上昇。

    同人物と接触している間、ステータスが互いの合算値になる。

    同人物と接触している間、疲労回復速度特大上昇。

    同人物と接触している間、気力、魔力の回復速度極大上昇。

    同人物と接触している間、全ステータス極大上昇。

 --------------------------------------



「あー、なんかさらっともの凄い項目が追加されているんだが……」

「ステータスが互いの合算値って事は、私のステータスとたつろーのステータスを足した値になるって事でしょ?

 つまり私はたつろー並みの魔法ステータスを得て、たつろーは私並みの武術ステータスを得ると……最強じゃない!」

「武術超特化型と魔法超特化型の合算ですからね。

 しかもその上で全ステータスが極大に上昇するわけですし、接触していないといけないとはいえ最強の組み合わせでコレをやられると手が付けられないでしょうね」

「お父様とお母様のいいとこどりのステータスになるんですから、当然ですの」



 その他は全体的に一段階効果が上昇し、より強力な称号になっていた。



「あと確認すべき事と言えば、愛衣は戦闘中にクラスチェンジしたんだっけか?」

「ああ、そうだった。ぬるっと変わったからすっかり忘れてたよ」

「そうなんすか? それじゃあ、遂に神様系のクラスのなったんすか?」

「え? ううん、武帝の前に豪傑なるがついただけで、まだ武帝と言えば武帝なんだよね」

「武帝よりは一歩進んだけれど、まだ神の領域ではないということでしょうか?

 ちなみに何をしたらクラスチェンジしたんですか?」

「身体強化を20まで上げた時だね。そいで称号『剛毅なる到達者』をもらってクラスが上がって、ついでに《気力超収束砲 Lv.15》も取得したんだよ」

「あの口から光線みたいなのを撃っていた奴だよな。ジャンヌの収束砲の気力版みたいなもんか」

「ヒヒーーン」



 愛衣が似たようなスキルを得ていた事に、ジャンヌも嬉しそうに鳴いていた。

 そんなジャンヌの頭を撫でながら、《剛毅なる到達者》の称号効果についてもさらっと調べてみる。

 すると効果は身体強化の制御大上昇。気力操作能力上昇。そして気力を圧縮して体内に保管することが出来る。というものだった。

 この圧縮して保管という効果は、任意のタイミングで開放して気力の回復を図ったり、今放とうとしている攻撃に乗せて一瞬の爆発力を得たりと便利に使える様だ。

 また気力がいっぱいの時に圧縮分を全開放すると、一瞬で外へと放出して霧散してしまうが、その一瞬で全てを使い切る様な攻撃を使うことなら出来るらしい。



「気力の回復や一瞬の爆発力を得るために使うってとこっすね。使いどころが噛み合えば、相当な力になりそうっす」

「だね。今は圧縮なんてしてらんないけど、お休みする前とかにやっておくことにするよ」



 さすがにいつ危険な目に遭うか解らないこの森で、カルディナ達も守っていかなければならないのだから、そんな余裕は無い。

 今は目の前に集中して、先を見据える事にする。



「ってことで、これからどうする? カルディナちゃん達も、もう少し休んだ方がいいよね?」

「だな。聖典や邪典系のスキルも今日の分は使ってしまったし、日付けが変わると同時に出発しようか」



 危険なことに変わりないが、とれる安全策は取っておくに越したことはないので、竜郎達は一時ここで休憩を挟む事にした。

 警戒も一眠りして絶好調の竜郎が請け負う事にし、愛衣と手を繋ぎながら称号効果を確かめつつ、黒鬼討伐の時に空けた大穴を元に戻しておいた。


 そんな事をしながら休息を入れていると、やがて日付も変わりあと一日半程で竜郎と愛衣がこの世界にやってくる時間になっていた。

 やや後れは取ったものの、それだけ時間があればその前にたどり着くことはできるだろう。

 竜郎達は慌てずに確実に一歩ずつ足を進めていった。


 やがて──竜郎の探査範囲内に最奥地の情報が入ってきはじめた。

 それと同時に竜郎の足が止まる。



「……これは」

「どうしたの? そんな青い顔して」

「……なんというのか、見つけたかもしれない。俺達の世界を壊した元凶が」

「そうなの!? やったじゃん! それじゃあ、早く何とかしにいかないと!」

「いや、だがこれは……」



 竜郎は眉根を寄せて難しい顔を取る。それに愛衣は、不安そうな声音で問いかけた。

 他の面々も、元気はないが耳だけはそばだてて情報を聞き取ろうとしている。



「……そんなに不味い物があるの?」

「不味いといえば確かに不味いんだと思う。だがそれと同じくらいよく解らない。

 黒渦らしき反応もあるんだが、イモムー発生器や魔王鳥や鬼が出てきたときのようなモノともまた反応が違うんだ。

 そしてその場に広がっているエネルギー量も、とてつもなく大きい」

「大きいって、それはさっきの鬼と比べてどれくらいなの?」

「……解らない」



 予想外の返答に愛衣はもちろん、カルディナ達も首を傾げた。

 竜郎ほどの解魔法のレベルを持っていて、比較すら出来ないというのは想像できなかったからだ。



「解らない? それってどういう……?」

「例えるなら、イモムー発生器を水たまりとして、魔王黒鬼の黒渦を学校のプールとして比較するとするだろう?」

「うん。それでそれで?」

「そうなると今回のはプールの広さと、目の前に広がる海を比べてどのくらい違うのか。そんな風に聞いてくるの同じくらい──つまり測れないほど広大過ぎて解らないんだ」

「それは……たしかに美味しくはないねぇ……」

「だろ? だが俺達の世界にひびを入れてきた力と非常に似通っている感じがするんだ。

 だから行ってみるしかない。今の所はまだ何か動き出しそうな気配もないし、見るだけ見てみようと思う」

「だね。それを調べにここまで大変な思いをして来たんだから、行かないわけにはいかないよね」



 カルディナ達を見てみれば、うんうんと頷いて肯定してくれている。

 ならば迷うことはない。そこに一番答えに近そうなモノがあるのに、行かないという手はない。


 竜郎は反応のする森の中心地にして最奥地へと向かっていく。

 そこへ近づくにつれて魔物の反応が薄れていき、しまいには全くと言っていいほど生物らしき反応が無くなった。

 本能故なのか、魔物もこの異様な力の気配を察して逃げて行ったのであろう。


 だがそこを目指す竜郎達からしてみれば、余計な邪魔も入らなくなりサクサクと進むことが出来る楽な状況でもあった。

 おかげで進行速度に狂いなく、竜郎たちはその現場へと踏み入っていった。



「──これはっ」

「なにあれ……」



 竜郎は魔物の気配がまるでないので、皆で密集して時空魔法で空間を遮断して空間経由の被害が起きない様にしながら、思わずそんな声が漏れた。


 そこは上から見たら穴のように見えるのではないかと言う程、丸く開けた場所だった。

 そしてその中心部には黒渦──らしきものはあるのだが、その渦が何個も何個も何個も何個もグチャグチャに折り重なって、最早球体のような形になっていた。

 だがその一個一個はまったく安定せずに、何かを排出したり、また産まれたりなんてことも起きる気配はなかった。


 さらにその渦の球体の周囲には空間の罅割れと穴が取り囲むように存在しており、どうやらその穴からエネルギーが流れ込んできているように竜郎の精霊眼には観えた。


 竜郎は遠巻きに観ながら解魔法などでも情報を集めていくが、とにかく強大な何かのエネルギーというくらいしか解らない。

 なので頼みの綱である、ここまで頑張ってついて来てくれた義妹へと視線を送った。



「俺にはただのデカいエネルギーが集まって、グチャグチャに混ざり合ってる──くらいにしか理解できなかったんだが、リアはどうだ?」

「えーと……ですね。確かに兄さんたちの世界に出てきたエネルギーと同一のものであると言って間違いないと思います。

 けれどこれ自体が影響を与えたエネルギー物質だとは断言はできません。状況的に言えば確率は高いでしょうけど」

「他には何か解ったっすか?」

「私の目でも理解不能ではあるのですが、断片的に得られる情報を集めていくと、一応魔物になろうとはしているみたいです。

 ですが次から次へとエネルギーが供給されるので常に安定せずに、消費する事も出来ず、また消費に見合う魔物すら定まらない……そんな感じがします。

 ですので、そこから導き出す答えとしては、結局何物にもなれずに飽和状態となり爆発。

 そのエネルギーが異世界を滅ぼした。と推測できない事はないです。もちろんこれも憶測の範囲内で、正解ではない可能性も十分あります。

 それに、ここにあるものが爆発したとしたら何故こちらの世界は大した影響もなく、外の世界にあれほどの影響を及ぼす事になったかなど、色々と説明できない事も多いですから」



 他の可能性もある。とリアは言うけれど、半分以上それが正解な気がしてきた竜郎と愛衣は、さてどうしたものかと頭を悩ませる。

 おそらく竜郎や愛衣がやってきた時刻と、今この場にある黒渦の集合球体の状態から鑑みて、まだ数時間は猶予があるだろう。

 周りに魔物も一切いないので、ゆっくりと頭を動かす時間くらいはまだあった。



「うーん……。エネルギー量の問題なら、たつろーと奈々ちゃんで何とかできないかな。

 それでアレがどうにか出来れば、私達の世界も何ともならなかったーってことになりそうだけど」

「あまり近寄りたくはないが、今の所それ以外の方法はないか。

 下手に攻撃して結果を早める様な事にでもなったら目も当てられないだろうし、今までの実績と結果がある方法を試してみるのが一番だな。

 よし、やってみよう。奈々は俺が視線を送ったら始めてくれ。まずは俺の《レベルイーター》で様子をみてみるから」

「了解ですの」



 竜郎は愛衣と手を繋ぎながら最大限強化をした状態で、奈々には愛衣の逆サイドに移動して貰い三人並んで近づいていく。

 その後ろにカルディナと機体に乗ったリアが解析班として付いていき、他の面々も最後尾に続いていく。



「──っ。ここまで来ると、エネルギーの圧が凄いな」

「うん、なんだか近くにいるだけで押し潰されそう……」

「これが危険な物と言うのは嫌でも解りますの」

「それに世界でも滅ぼせてしまう程のものだとも、ここまでくれば納得も実感もできますね」

「そうっすね。肌が痛いくらいっす」

「ピィィ……」「ヒヒーン」「「──」」



 一様に抱いた感想は似たようなもので、皆早くここから立ち去りたいと思った。

 そのエネルギーは何と言うのか、生き物としての本能が危険だと訴えかけてくるのだ。

 だが竜郎は、さらにもう一歩先へと踏み出していく。

 そして口の中の黒球を吹き出して、その黒渦が密集してできた球体状の何かの中心部に当てた。



「──あ゛がっ!?」

「たつろー!?」



 だがその瞬間、バットで思い切り胸の辺りを強打されたような痛みが走り、思わず胸を押さえてうずくまった。

 愛衣が真っ青な顔をして、心配そうな顔で支えてくれる。それに竜郎は薄く笑いかけた。



「……だ、大丈夫だ。いきなりデカい衝撃があって驚いただけだから、慣れれば問題──」

「無くはないでしょ?」

「ああ……」



 強がる竜郎の心中をあっさりと見破り、愛衣が責める様な目を向けてくる。



「けれどここでやらなきゃ意味が無い。それに痛みはあるが最初ほどでもないし、我慢できない程でもない。

 だから多少無理をしてでもやらせてくれ」

「本当に大丈夫なの?」



 竜郎は隣で支えてくれる愛衣の目を真っすぐ見つめ返して、力強く頷いた。世界は大事だが、それ以上に自分が死んで愛衣を悲しませるなんて論外なのだ。

 それに愛衣は小さくため息を吐いた。



「解った。でも私やリアちゃんが無理だと思ったら直ぐに止めるから、そうしたら絶対にやめるんだよ? それだけは約束して」

「ああ。約束する。愛衣を悲しませるわけにはいかないからな」



 竜郎は少し茶目っ気のある笑顔で笑いかけた。それに愛衣も微笑んだところで、竜郎はぐっと足に力を込めて立ち上がり、《レベルイーター》から送られてくる情報を観ていくのであった。

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