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レベルイーター  作者: 亜掛千夜
第九章 原点回帰編

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第394話 鬼退治決着

 全員に作戦を伝え終えた竜郎達は、さっそく鬼退治へと乗り出した。



「──ウガ?」



 黒鬼の周囲に大量のアテナが現れた。

 そしてそのアテナたちは、一斉に空を(・・)飛んで(・・・)黒鬼に向かって特攻していく。

 さらにカルディナやジャンヌが複数体現れて、それぞれ空から魔弾、地上から斧の風斬撃を飛ばしてくる。


 それを見た愛衣はやや後方に下がり、中距離からユスティーナの雷嵐やガブソンの吸引などで、大量のアテナが犠牲になっていくのも構わずに場をかき乱していく。


 アテナ軍団はたまに強めの個体がいるが、黒鬼の相手にはならない。

 だがそれが愛衣を相手にしながらだと、うっとうしい事この上ない。

 例えるのなら、やや格上の相手との試合中に小蠅がブンブン顔や体の周りを飛んでいるとでも言えばいいか。

 集中力はかき乱されて、例え殺しても直ぐに復活してまた群がってくる。


 空からチマチマと魔弾攻撃してくる者──カルディナへ斬撃を飛ばして殺そうとするも、当たっているのに攻撃がすり抜けていく。

 幻術の類かとは思うのだが、撃ち出される魔弾は本物だ。

 そしてそれは地上から風の斬撃を放ってくる者──ジャンヌもそうだった。

 良くもない頭ながらに必死で考えてみるも、状況がまるで理解できずに混乱してくる黒鬼。

 はたして自分は何と戦っているのか。何を倒せばいいのかと。



「いい感じに乱れてきてるな。それじゃあ、俺も邪魔していくか」



 竜郎は戦闘スピードについていけないので、愛衣を巻き込まない為にも迂闊な攻撃は出来ない。

 だったらどうすれば邪魔できるのか。答えは簡単だった。攻撃しなければいい。



「──ふっ」

「──ウガアッ!」



 周囲に転移魔法の気配を感じ、慌ててそちらを発動前にと《魔法斬殺》で消していく。

 最悪空のカルディナや、地上のジャンヌとアテナ。この三種類の攻撃は直撃した所で痛くもかゆくもない。

 だが竜郎の魔法と愛衣の攻撃だけは警戒に値する。

 下手したら大量の腕を掻い潜って、その内にある本体に届きうる威力を有している可能性もあるのだから。

 なので黒鬼にとって竜郎の魔法への警戒は最優先事項の一つだった。



「馬鹿だなあ。意味のない事をご苦労様」



 自分の魔法を消されたと言うのに、竜郎は笑みを浮かべる。

 何故なら今のは別に攻撃しようなんて思っていなかったからだ。

 ただそこへ転移魔法の兆候を起こしただけで、発動した所で何も起きはしない。消費もほとんどゼロだ。

 だが今までの経験則から危険な魔法だと思いこみ、黒鬼は必死で対応してくれた。

 これで十分視野を狭めて行く事が出来る。まだ仕込中なので、それに気が付かれるわけにはいかない。




 まず今回の作戦として投入した大量のアテナ軍団は、ジャンヌの《竜聖典第二節》によって作られた悪魔たちに、アテナの《幻想竜術》でアテナ像を被せた代物。

 そしてカルディナは天照の《炎嵐蝶群》による火と風の蝶々の集まり、ジャンヌは月読の属性体に──と、それぞれの像を被せている。

 本体はいざ攻撃されて避けられなかったら困るので、幻想竜術で姿を透明にして地上に潜んでいる。


 カルディナは山形に魔弾を撃ちこんで、空に浮かぶ自分の幻影たちを通すように《自動追尾》で黒鬼へと落とし、まるでそこから攻撃しているかのように見せる。

 ジャンヌは遠巻きに歩きながら《風閃斬存》を設置していき、自分が通り過ぎてから自分の幻影を通して発射し、そこから攻撃しているかのように見せている。


 そしてアテナ本体はと言うと、大量のアテナ軍団に混じって移動し、《幻想竜杖》で模倣されたユスティーナを使って愛衣の攻撃だと錯覚させた。

 振り向かれても何食わぬ顔で大軍に混じって、《完全通過》で地面に潜って距離を取る──と、ヒット&アウェイで攻めていく。

 アテナを隠すならアテナの中ということだ。


 また今回、何故わざわざ幻想竜術にベースを用意したのかと言われれば、それはこの森によってアテナが弱体化していたからだ。

 本来の実力なら、何もなくても本当にそこにあるかのように錯覚させることも出来た。

 だが今回の相手は強化されすぎていて、魔法抵抗も非常に高い。

 なので無から有を幻術でつくっても直ぐにばれる。

 けれどそこにあるものに像を被せるくらいなら省エネで済むし、現実感が増す。

 よくよく観察すれば黒鬼ならば気付けただろうが、現場は混沌と化しており、そんな余裕も無いので真贋の区別は難しくなっていた。




 そんな状態が数分も続いただろうか。

 今回の作戦の肝である事業を成し遂げてきた奈々とリアが戻ってきた。



「こちらの準備は整いましたの」

「あとはっ……タイ、ミング……を、見計ら、うだけです。万全の状態、なら、三十秒もかからずに、出来たのですが……」



 奈々は地面に両手をついて座る様な格好で、リアは作業で疲れたのか息を切らせながらそう言ってきた。



「それじゃあ、奈々。天使を召喚してくれ」

「了解ですの」



 奈々は地面に両手を付けたまま《竜邪典一節》を発動。少し間を置いて二節も発動。

 奈々の体色や翼が白く変わっていき、角も無くなり天使の姿へと変わっていく。

 そして周囲には六体の天使たちが現れる。

 全員が白銀の鎧を身に纏い二対四枚の白翼で、槍と盾を構えた三人、杖と盾を構えた三人だ。



「アレの足止めを頼みますの。死んでもやってのけなさいですの」

「「「「「「────」」」」」」



 六体の精鋭天使は力強く頷くと、白く柔らかそうな翼をはためかせ、勢いよく黒鬼へと突っ込んでいく。



「そっちの仕込みは大丈夫だったか?」

「ええ。こちらの姿になっても、ちゃんと機能してますの」

「事前にやった事があって良かったですよね」



 切らせていた呼吸が元に戻り始めたリアが、機体の中から安心したような雰囲気の声でそう言った。

 それに竜郎が頷いていると、天使たちと入れ替わるように愛衣は黒鬼から距離を取り始め、それを黒鬼は追おうとするも死をも恐れない天使たちの猛攻に迷惑そうな顔をしながら足を止めた。

 こんなやつら直ぐに殺して見せるとばかりに、何百と言う腕を振るって叩き斬った。

 しかし死ぬと同時に復活し、殺されたことなど意に介さずにドンドン腕を掻き分け本体の方へと迫ってくる。



「秘儀! ゾンビアタックですの!」

「天使に向かってゾンビってどうなんでしょうね……?」

「さ、さあ?」



 竜郎はリアのもっともな意見に苦笑しながらも、周囲に転移魔法攻撃のフリをした偽装魔法だけを黒鬼に振りまいていく。

 天使たちを気持ち悪そうに体から遠ざけようとして暴れている黒鬼は、相変わらず瞬時に竜郎の魔法の気配を察して健気に全てを斬っていく。


 アテナに偽装されている悪魔たちも天使に触発されたのか、奇声を上げながら黒鬼にゾンビアタックしていく。

 そんな風にして黒鬼の足が一か所で踏みとどまっている間に、愛衣、カルディナ、ジャンヌ、アテナの本体も全て竜郎側へと集結した。



「全員居るな?」



 竜郎は解魔法も使って、ちゃんと全員本物(・・)()いるかどうか確かめる。

 それから自分や愛衣も含めて全員本体は幻想竜術で姿を消す。

 だが突然、全員消えてしまっては怪しすぎて幻術が見破られてしまうだろう。

 なので天照の《炎嵐蝶群》の群れや、月読の属性体で形を模った物に偽の姿を被せ、あたかも黒鬼の近くにまだいると演出する。



「ウガァ──?」



 それでも何もせずに愛衣や竜郎が近くを歩いている事に疑問を持ったのか、眉を顰めて怪訝な表情を取る。

 だが天使たちが何度もその場で復活し直し、腕の山を潜り抜けて本体にたどり着きそうになり、アテナの姿をした悪魔たちもゾンビアタックをしだしてから腕中に入り込み纏わりつき始めた。

 それが気持ち悪くて振りほどこうと暴れまわるが、竜郎達の雰囲気も気になる。

 やはり天使たちは無視してでも、竜郎達へ攻撃しようかという素振りを見せ始める。



「だがもう遅い──奈々!」

「ガッテンですの!」



 どこでそんな言葉を覚えたんだろうかと竜郎が一瞬思っている間に、奈々はこちらに戻ってきてからずっと地面につけていた両手を離した。

 それと同時に竜郎は短距離転移で全員を連れてさらに後方へと下がり、全力で自分たちは外で黒鬼を中心に置いた大きな箱型結界をありとあらゆる属性魔法を混ぜ込んで、耐衝撃、音、熱、光、風などなど考えうる限りの危険から守れる物を築き上げる。



「──ウガッ!?」



 突如張られた結界に目を見開いて、何かは解らないが急いで消そうと足を踏み出そうとする。

 けれど踏み出した足は空を蹴る。

 そして今まで地面があった場所が一斉に崩れ始め、大きな穴へと変わっていく。

 黒鬼が飛行能力を持っていないことはリアが確認済み。

 なすすべなく大量の腕を伸ばすも、それが届く範囲に掴むものはない。

 あったとしても自身と共に落ちていく土の塊だろう。



「ウガアアアアアアアアアーーーーー!?」



 実は先ほどまで奈々には、この巨大な穴がばれないように、地面に竜邪槍・棘を使って邪槍を張り巡らせて、張りぼての大地を支えて貰っていたのだ。

 天使の姿になっても、邪槍だった物が聖槍に代わるだけで消えるわけではないと以前シュベ太や清子さんの騒動の時に使った時に知ったので、問題なく支えられていた。

 天使化した時に竜郎が大丈夫かと聞いたのは、それをもう一度確認していただけである。

 そして今。張りぼての地面を支えていた竜聖槍は消え去って、八メートルの体躯を持つ千本腕の黒鬼は重力に引っ張られる様に落ちていく。


 黒鬼は魔法で掘った穴だろうと、完全に穴の底に体が沈み込む前に《魔法斬殺》を込めた斬撃を放って穴の壁に当てる。

 もしこれが魔法で作った物で、周囲に土を圧縮して押し固めただけの穴であったのなら直ぐに元に戻って落ちる事も無かっただろう。

 けれどこの穴は《鍛冶術》で作ってあるので、《魔法斬殺》の刃を穴の壁に当ててもキャンセルされて戻る事はない。

 何故なら魔法の様だが、魔法では無いからだ。

 黒鬼の体はなすすべなく、穴に吸い込まれていった。


 ──だが。だからなんだというのだろう。それが黒鬼の抱いた感情だった。

 どれだけ深い穴に落ちようとも、自分が死ぬわけがない。

 そしてもうすぐ下に見えている着地点からして、穴の深さも中途半端だった。とても自分を殺そうとしている物ではない。

 だったら逃げる為の時間稼ぎ? それもしっくりこなかった。それが理由だとしても、やはりもっと深い穴を掘るだろう。

 そんな事を落ちるまでの間の数瞬に考え抜いて、とりあえず無様に転がらない様に着地を決めようと態勢を整える。

 そして両足でしっかりと地面へと着地した──瞬間、地面が大爆発を起こした。

 それも自分の足元だけでなく、穴の底全体から何か所もだ。



「お前は確かに攻撃範囲も広いし、勘もいい。その上スキルを使いこなす技術に、パワーもあった。

 だが一か所、反応が遅れる場所があるんだよ」



 竜郎は解魔法で黒鬼の落ちていく様を観察しながら、そんなことを口にする。

 この反応が遅れる場所とは、即ち足元である。

 黒鬼が千本の腕を生やしたとき大樹の様だと表現したが、まさにそう。

 黒鬼自身を幹と根とする。最初からあった八本腕にプラスして、上半身の腹や背中なんかからも出てくる太い腕を幹から出てくる太い枝とする。

 そしてその枝から細い枝が伸び葉っぱを持つように、腕を生やし刀を持った。

 しかしそうなると、自分の腕で足元を完全に隠してしまっていた。

 また刀から一番距離のある体の部位もまた、足元であった。

 竜郎はそこをついてみたのだ。


 この黒鬼の戦い方をみて、穴へと落ちても無様に背中から落ちるのをよしとはせず、必ずプライドを保つためにも、直ぐに這い上がるためにも両足でしっかりと着地してくれるだろうとも予測していた。


 そして穴の底には何処に着地してもいいようにと、そこらじゅうに設置されていたのは、竜郎の転移魔法攻撃とは違い発動するまで何の気配も放たない人工の魔法爆弾。

 それも以前、ダンジョン内での対人戦でリアが使うの止めたとっておき。

 これが竜郎の言っていたアレの正体だ。

 これは、おふざけで威力重視で生産性やエネルギーは度外視の代物。それが改良版や旧式含めて数十機地雷のように作用するよう改造した状態で敷き詰められていた。

 それぞれ爆発の仕方が異なったり、内包されている魔力の属性が違っていたりはするものの、どれも威力は必殺級。


 だがこれは人造であろうとも魔法は魔法。《魔法斬殺》は適用される。

 けれど完全に不意打ちだったこと。

 そして竜郎が言った通り、体にやってくる爆発のエネルギーは消せているが、不意打ちで遅れた意識で足元までカバーできるわけもない。

 その恐ろしい威力の爆発に黒鬼は飲まれていった。



「ぐおっ!? 何つー威力だよ!」

「えへへ。最新のアレはけっこうな自信作ですよ、兄さん」



 無邪気に機体の中で微笑み小さく胸を張るリアをスルーした竜郎は、穴の上から少し離れた場所で、自分たちや周囲への被害も最小限に抑えようと結界の維持に集中していた。

 愛衣は竜郎にしがみ付いてくれていて、制御能力やステータスも向上しているはずなのに、それでも完璧に抑えるのには難儀した。

 実際に抑えているはずなのに、地面が微かに揺れていた。

 この内側がどうなっているかなど考えたくもない。


 やがて……。竜郎は抑え込んでいた爆発が収まっていくのを直に感じ取り、安堵から息が漏れた。

 しかし次の瞬間、気が引き締まる。何故なら──。



「ウガアアアアアアアァアアアアアアアァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァアアアアアアアアアアァァァァァアアアアアアアアアアアアアアァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!」



 それは穴の底で怒りの咆哮を上げて、まだ生きていると如実に訴えかけてきたからだ。



「うんまあ、しぶとそうだしそうなるかもとは思っていたさ。

 愛衣、最後の仕上げだ」

「うん!」



 黒鬼は下半身を丸々無くし、上半身も肉が吹き飛び大部分の骨が見えていて、腕も二本しかない。

 頭部と胸部だけは最優先で守ったので何とか形を残しているが、それでも所々焼けただれて重体だ。

 何故これで生きていられるのかと思えるほどの状態でありながら、体中の傷を《失肉補皮刃》という傷口を刃で埋めるスキルで命をつなぎとめた。

 だがあの千本の腕を出す《千手千刀》というスキルは、生身の肉体でなければ生やす事が出来ない。

 上半身しかなく体中をパッチワークのように刃の皮膚で覆っているので、《千手千刀》を発動しても空いた隙間から細く頼りない腕がにょろにょろ生えて、その数は二百にも届かないだろう。

 だがその怒り、痛みによる執念で、二百近い腕で上半身を持ち上げ、刀をピッケルのように刺しながら穴を登っていく。鎧は重いのでスキルを使わず脱いだ状態。

 その姿はもはや鬼ではなく虫の様。


 殺す殺す殺す殺す殺す──ただそれだけが頭の中を占めた状態で、土の壁を這い上がる。

 そしてついに顔を出し、念願の目標物達が見えて口元を歪ませた。

 何やら円錐型の白金に煌めく槍のような形をした魔法をこちらに向けているようだが、ほぼ全身を刀に覆われている今、その全てに《魔法斬殺》を発動させてしまえば問題はない。

 黒鬼は叫びながら地を這い突っ込んできた。



「そんな姿でよくもまあ……。だがこれで本当に──」

「終わりだ」「終わりだよ!」

「ピィィューーー」「ヒヒーーン」「くらえですの」「いい加減死んでください」「くたばれっすー」「「────」」



 白金に煌めく槍が放たれ、それと同時にカルディナ達も今できる最大の攻撃を撃ち放つ。



「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァアアッ!!」



 それがどうした。と言わんばかりに奇声を上げて、地面を這うのに使っていない腕で《刃流し》と《魔法斬殺》のスキルを二重起動。

 危険な威力を帯びているのは煌めく槍のみ。後は当たった所で死にはしないだろう。

 それから奴らに喰らいついて貪ってやれば、そこで死んでも悔いは無い。

 そんな心持で黒鬼は白金に煌めく槍に刀を当てた。

 ──だというのに。その魔法のような槍は消えてくれない。



「残念。それも魔法じゃあないんだよ」



 その竜郎の言葉が届いたかどうかは定かではない。そして届いていたとしても、意味は解しないだろう。

 それは竜郎と愛衣の気魔混合に竜力、神力を混ぜ込んだ、魔法でも武術でもなんでもない特殊なことわり

 よって《魔法斬殺》では殺せないし、今の二人が全力で練りこんだ気魔混合に触れればただでは済まない。


 愛衣の攻撃を受けてもひびすら入らなかった刀が消し飛び、スキルで嵩増ししていた腕も消失。

 黒鬼はこれ以上ないほどに目を見開き、大口を開けて信じられないと驚愕の表情を浮かべる。


 そのまま白金に煌めく槍は破壊の力を振りまきながら、我がままに突き進む。

 何とか消そうと、何故消えないのかと焦りながら移動のために使っていた腕も使って止めようとする。



「ウガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!?????」



 だが触れた所から消滅していき、やがてのその体を貫いた。



「アアァァァ……アァ……ァァ……ァ──?」



 黒鬼の上半身は消え去って、首だけがボトリと地面に落ちる。

 薄れる意識の中で、何故自分は地面に突っ伏しているのだろうか。

 それが、黒鬼が最後に感じた唯一の感情だった──。

 

 

 

今年も今日で終わりですね。何とか穴をあけずに乗り切れよかったです。

感想をくださる方々、ブックマークや評価してくれた方々のおかげで、執筆へのモチベーションを切らさず続けてこれました。

来年には確実に完結を迎えられるはずなので、せめてそれまではお付き合い頂ければ幸いです。

それでは来年もよろしくお願いします!


次回、第395話は1月3日(水)更新です。

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