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レベルイーター  作者: 亜掛千夜
第九章 原点回帰編

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380/634

第378話 天照と月読の成長、そして出発

 アテナのステータスを確認し終わると、残りの二人──まずは天照の方を見ていく。



 --------------------------------

 名前:アマテラス

 クラス:殲滅炎嵐奏竜帝

 レベル:58


 竜力:4732


 筋力:1219

 耐久力:1218

 速力:1212

 魔法力:4465

 魔法抵抗力:3568

 魔法制御力:3763

 ◆取得スキル◆

 《低出力体》《常態出力体》《高出力体》《攻勢強化》

 《分霊:火力増幅輪》《極炎嵐世界》《炎嵐蝶群》

 《竜の息吹 Lv.16》《竜念動 Lv.13》

 《火魔法 Lv.20》《風魔法 Lv.18》《突魔法 Lv.16》。

 《斬魔法 Lv.14》《投擲 Lv.3》《炎嵐の調べ Lv.10》

 《炎嵐奏竜の息吹 Lv.10》《属性体》《炎嵐手裏剣 Lv.7》

 《竜力回復速度上昇 Lv.8》

 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+4》


 残存スキルポイント:164


 ◆称号◆

 《火を修めし者》《風を修めし者》《突を修めし者》

 《斬を修めし者》《火を極めし者》《竜息之権化》

 《炎嵐奏竜息之権化》《竜念之権化》《炎嵐之権化》

 《魔王種殺し》《魔王種を喰らう者》《天衣無縫》

 --------------------------------



「やっぱり、たつろーの杖としてずっと一緒にいるからか、魔法攻撃特化型になってきてるね」

「ほとんど一緒に同じ行動をやっているようなものだしな」



 そんな天照が今回新たに覚えたスキルは《投擲 Lv.3》と《炎嵐手裏剣 Lv.7》の二つ。それも自力での取得になる。

 カルディナ達と比べてしまうとどうしても少なく思えるが、この先に神力を使った体でのバージョンアップも有りえる段階。

 なのに姉達ほど余裕のないSP量しか持っていない天照と月読が、冒険して大量消費するのは後々に困るかもしれない。

 そんな理由からSP消費を止めたので、お互いに新スキルは少ない。



「まだレベルが低いってのもあるっすけど、称号の《すごーい!》が無いのが地味に響いてスキルが取りにくいってのがあるっすよね」

「《すごーい!》があれば、一レベルごとに得られるSPが4になりますからね。

 たった1とはいえ、レベル10も上がればSP10の差が出てくるわけですし」

「どこかで似たような称号を得られればいいんですけれど、なかなか難しそうですの」

「けどまあ取れるに越したことはないが、素の才能値も高いからSPでスキルを取得しなくても、良いっちゃあ良いんだがな」

「だねえ。実際にカルディナちゃん達も、これまでは取らずに溜めっぱなしだったけど何の問題も無かったし」



 何も無理する必要は無く皆で助け合えばいいのだと、ひとまずその件は保留にしておくことにし話を進めていく。



「《炎嵐手裏剣》ってのは、まあ文字そのまんまのスキルで、火と風の混合魔法と属性体のミックスみたいな奴だな。

 レベル数だけ炎と嵐の力が宿った手裏剣が作れる。大きさはわりと自由に決められるみたいだな」

「あー。それで投擲スキルを覚えたんですね」

「物を投げるなら覚えておいて損はないスキルだからね」



 最初は属性体を作って、それを投擲武器として使えないかと考えた。

 そして竜郎が手裏剣の形をイメージして作って貰った瞬間、このスキル取得のアナウンスが流れたのだ。

 あとはそれをポイポイ投げていたら、勝手に投擲を覚えたと言うわけだ。


 竜郎達基準ではまだ実戦投入レベルではないが、伸ばしていけばきっと役に立つだろう。



「スキルの説明はこれでいいとして、称号は結構覚えたんだよな」

「うーんと、新しく覚えたのはーひのふのみの……六つかな」



 愛衣の言った通り、今回新しく得た称号は──。

 《突を修めし者》《斬を修めし者》《火を極めし者》。

 《炎嵐奏竜息之権化》《竜念之権化》《炎嵐之権化》の六つ。



「修めと極めシリーズはいいとしてっすよ。

 残りは字面からして《炎嵐奏竜の息吹》で《炎嵐奏竜息之権化》。

 《竜念動》で《竜念之権化》。《炎嵐の調べ》で《炎嵐之権化》って感じでいいんすかね」

「ああ、それで合ってる。天照も月読もスキルのレベル上げの方で頑張っていたからな」



 属性体で現れた小さな天照と月読のミニドラゴンが、うんうんと頷いた。


 ちなみに効果は──。

 《竜念之権化》、竜力+100。魔法力+150。竜力消費大減。制御力上昇。

 《炎嵐之権化》、竜力+100。魔法系150。竜力消費大減。制御力上昇。

 《炎嵐奏竜息之権化》、竜力+200。魔法系250。竜力消費大減。制御力上昇。

 となっており、変わった称号効果は無いが、ステータスは大きく強化された。



 --------------------------------

 名前:ツクヨミ

 クラス:不落水晶竜帝

 レベル:58


 竜力:4831


 筋力:1404

 耐久力:1934

 速力:1249

 魔法力:3281

 魔法抵抗力:3640

 魔法制御力:2899

 ◆取得スキル◆

 《低出力体》《常態出力体》《高出力体》《分霊:内通外防球》

 《竜障壁 Lv.15》《竜反射 Lv.11》《守勢強化》

 《水魔法 Lv.20》《氷魔法 Lv.18》《打魔法 Lv.16》

 《生魔法 Lv.14》《盾術 Lv.5》《鞭術 Lv.3》

 《竜水晶創造 Lv.17》《竜水晶制御 Lv.15》

 《属性体》《竜力回復速度上昇 Lv.8》

 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+4》


 残存スキルポイント:164


 ◆称号◆

 《水を修めし者》《氷を修めし者》《生を修めし者》

 《打を修めし者》《水を極めし者》《竜壁之権化》

 《竜晶創者》《竜晶操者》《竜反之権化》

 《魔王種殺し》《魔王種を喰らう者》《天衣無縫》

 --------------------------------


「月読ちゃんはジャンヌちゃんの平均的に物理に魔法と、どっちも優れた耐久性じゃなくて、どちらかと言えば魔法よりの防御型って事で良いのかな」

「といっても、魔法系の防御スキルで物理もシャットダウンできるし、基本前のめりに突出する事はあまりないからな。問題ないだろ」

「セコム君の自動迎撃システムもありますしね」

「それで新しく増えたスキルは《盾術 Lv.5》《鞭術 Lv.3》ですの?

 こちらは魔法系ではなく武術職のスキルを得たんですのね」



 月読が新しく覚えたのは奈々が言った2つ。

 盾術は竜郎の新しい戦闘スタイルでもある、竜腕に付いている盾を操作していたら勝手に覚えた。



「んで鞭術は愛衣が振り回しているのを見て、自分でもやってみたくなったらしくてな」

「私のを? うんうん、解るよその気持ち。

 打って良し絡めて良し絞めて良しって、最初は使い難いかと思ったけど意外と便利なんだよね鞭って」

「ふにゃふにゃしてるっすけど、あたると打撃力もあるから攻撃性も抜群っすからね」



 ちなみに月読の鞭はセコム君を使ったスライム鞭。

 愛衣の鞭と同じく伸び縮み自由で、竜水晶を混ぜたりすることで先端に重りを付けたり、氷柱の様に尖らせて刺す、刃の様にして切る──なんて事も出来る。

 今はスキルレベルが低いのでただ振り回しているのに近いが、竜帝の才能値は普通の竜よりもずっと高いようなので、その内愛衣にも引けを取らない程の使い手になれるだろう。



「称号は天照と同じく六つ新しく覚えた様ですの」



 新しい称号は──。

 《生を修めし者》《打を修めし者》《水を極めし者》。

 《竜晶創者》《竜晶操者》《竜反之権化》の六つ。



「《竜晶創者》は《竜水晶創造》から、《竜晶操者》は《竜水晶制御》から、んで《竜反之権化》は《竜反射》からだな。

 水晶関連は城を作ったり道を舗装したり壁を作ったりしていたら、グングン上がっていったんだよな」



 月読のミニドラゴンが竜郎の横で頷いた。


 効果は天照の時と似たようなもので──。

 《竜晶創者》、竜力+100。魔法系150。竜力消費大減。制御力上昇。

 《竜晶操者》、竜力+200。魔法系250。竜力消費大減。制御力上昇。

 《竜反之権化》、竜力+100。魔法力+150。竜力消費大減。制御力上昇。

 となっており、こちらも珍しい効果は無いが、ステータスの底上げに貢献してくれている。



「とまあ、ステータス確認はこんなところか。

 各々自分が何が得意かは良く解っているだろうからいいとして、今の皆のステータスから他の人達がどんなことが得意で、どんな場面で力を借りたりフォローした方がいいのか、よく頭に入れておいてくれ」

「はーい」



 竜郎の言葉に対し愛衣を筆頭に皆が声を上げたり頷いたりして、返事を返してくれた。



「それじゃあ明日、明朝ここへ集合した後に地下へ行って、俺達がこちらの世界に来る少し前のアムネリ大森林へと転移する。

 危険な場所だろうから、気を抜かぬよう覚悟して付いて来てくれ。

 ──では解散!」



 後は竜郎や愛衣、リアも寝るだけなので各々の部屋へと去って行った。


 深夜。二人は一通りお互いを求め会った後、ベッドの上で寄り添い合っていると、ポツリと独り言でも話すかの様に愛衣が呟き始めた。



「明日森に行くって事だけどさ。………………ちゃんと何かあるよね?」

「あるさ。あるに決まってる。もしも根本的な解決にならなくても、絶対に何かあそこで起こっているのは間違いないんだ。

 じゃなきゃいきなり魔竜なんて出てこないだろう? それも俺達がこっちに来て直ぐ何てタイミングよくさ」

「──だよね! ……うん、ごめんね。やっぱりちょっと不安になってたみたい。

 だからちゅーして欲しいな。そんでギュ~ってして」

「それくらいなら毎日してもいいな」

「毎日してるじゃな──ん」



 最後まで愛衣が言い切る前に、竜郎はギュッと抱き寄せて唇を塞いだ。

 竜郎とて別に全く不安が無いわけじゃない。

 けれど彼女にかっこ悪いところなんて見せられないから、なんでもない素振りをする。

 そして愛衣は、そんな竜郎を見てくすりと笑った。



「たつろーも不安なのに、私ばっかり甘えてごめんね。

 でもたつろーだって、かっこつけて我慢せずに甘えてくれていいんだよ?」

「甘えるのはやぶさかではないが、好きな人の前でカッコつけないで何処でカッコつけるんだよ。

 こういう大事な時は無理してでもかっこいい彼氏でいさせてくれ。

 男のプライドって奴だ」

「でもね。そんなことしなくても、たつろーはいつもかっこいいんだよ♪」

「──んぐ」



 愛おしそうな瞳で竜郎の目を覗き込んだ愛衣は、今度は自分から竜郎の口を塞いだ。

 竜郎はたまらず愛衣を力強く抱きしめた。今の愛衣なら竜郎が全力で抱きしめても問題ないので、遠慮はしないで。

 そしてどちらからともなく唇同士が離れていき、お互いに情欲の炎が宿った目と目で見つめ合う。



「甘えたくなりました──んぐんぐ」

「あ、甘えるってそっち──っ。こらぁ……赤ちゃんみたいに吸わないでっ──ん」

「いや、甘えてもいいと言ったから……」

「もう。さっきまでは、かっこいいたつろーだったのに台無しじゃない」



 不貞腐れるようにそう言うが、その顔が本気で言っているわけじゃないことくらい竜郎にはすぐ解る。



「こういう時は、愛衣に言われた通り素直になろうかと」

「えろろーの時だけ素直にならないでよ……。しょうがないんだから、もう──」



 そうして二人は長い夜を仲良く過ごしていくのであった。




 翌日。あまり睡眠の必要は無いが、二時間ほど寝ておいた竜郎と愛衣は朝食を皆で集まってから食べて他愛のない会話を楽しんだ。

 そして最後尾に見送りたいと言う爺やも連れて、ぞろぞろと城の地下へと降りて行った。



「私も出来ればお供したいのではございますが、今はまだ足手まといなのでしょうね」

「ヒヒーーン」



 知性ある者では弱体化してしまう場所でなければ、竜郎達の補助くらいならこなせる実力はあるとは思うのだが、今から行く場所では爺やは実力不足だ。

 そんな事に落ち込む爺やにジャンヌは「きにしなくていいんだよー」と声をかけていた。



「いえ。いずれジャンヌ様たちの末席に入れるように、努力いたします。

 なので今回はこれをお持ちください」

「ヒヒーーン?」



 爺やがジャンヌに渡してきたのは、《聖具創造》で作った強力な聖具である黄金のティアラだった。

 それはジャンヌの形状に合わせて大きさを変え、ピッタリと頭にくっ付いていてくれるので戦闘の邪魔にもならないだろう、との事。

 ジャンヌはお礼を言って頭にかぶせて貰う。



「かわいいよ、ジャンヌちゃん」

「ヒヒーーン♪」



 嬉しそうに目を細めて嘶くジャンヌに、爺やは眩しい物を見るような視線を送っていた。



「それはジャンヌ様の御身をお守りするように念じながら作りました。

 聖なる力を宿しておりますので、きっとお力になってくれる筈でございます」

「みたいですね。聖に属したモノ達がそれを付けると、自動回復の効果が付くみたいですよ。

 面白いですね。確かにジャンヌさんへのお守りとしては最高の品だと思います」

「リア様にそう言っていただけると光栄でございますな。けれど私ではジャンヌ様以外の方々には作って差し上げられないので、贈れる物はこれだけでございますが……」

「それこそ気にしないでくれよ、爺や。ジャンヌを守ってくれれば、そのジャンヌが今度は俺達を守ってくれるんだから」

「そうそう。だからそこん所は気にしないで、お城の事お願いね!」

「お任せください。皆様が心地よく寛げるように、しかと管理させていただきます」



 爺やは深々と頭を下げて、少し離れた場所まで下がっていった。

 それを見届けた竜郎は、天照を構えて時空魔法を行使していく。



「目指すはヘルダムド国歴、992年の3月11日、解属の日! ──はあっ!!」



 そうして竜郎、愛衣、カルディナ、ジャンヌ、奈々、リア、アテナ、天照、月読の九人は、カルディナ城の地下から消えたのであった。



「どうか皆様、御無事でお帰りになりますように──」

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