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レベルイーター  作者: 亜掛千夜
第五章 呪われた少女編

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236/634

第234話 組み分け考察

 新たな挑戦に挑むためにも情報整理だと、全員のステータスを見てみることにした。

 なのでまず最初に、言いだしっぺの竜郎からステータスを公開した。


 --------------------------------

 名前:タツロウ・ハサミ

 クラス:エレメンタルマスター

 レベル:84


 気力:170

 魔力:3488

 竜力:910


 筋力:234

 耐久力:233+60

 速力:215+40

 魔法力:3872

 魔法抵抗力:3572

 魔法制御力:4188


 ◆取得スキル◆

 《レベルイーター》《複合魔法スキル化》《精霊眼》

 《精霊魔法》《陰陽玉》《炎風》《土尖風》

《粘着水》《呪幻視》《施錠魔法:火解風呪雷.タイプ1》

 《光魔法 Lv.14》《闇魔法 Lv.14》《火魔法 Lv.11》

 《水魔法 Lv.10:上限解放》《生魔法 Lv.10:上限解放》

 《土魔法 Lv.10:上限解放》《解魔法 Lv.11》

 《風魔法 Lv.11》《呪魔法 Lv.11》《雷魔法 Lv.11》

 《樹魔法 Lv.10:上限解放》《氷魔法 Lv.10:上限解放》

 《爆発魔法》《施錠魔法》《魔力質上昇 Lv.5》

 《魔法密度上昇 Lv.3》《魔法生成上昇 Lv.3》

 《魔力回復速度上昇 Lv.6》《集中 Lv.8》

 《連弾 Lv.2》《多重思考 Lv.1》《全言語理解》

 ◆システムスキル◆

 《マップ機能》《無限アイテムフィールド》


 残存スキルポイント:469

 ◆称号◆

 《光を修めし者》《闇を修めし者》《火を修めし者》

 《水を修めし者》《生を修めし者》《土を修めし者》

 《解を修めし者》《風を修めし者》《呪を修めし者》

 《雷を修めし者》《樹を修めし者》《氷を修めし者》

 《打ち破る者》《響きあう存在+1》《竜殺し》

 《竜を喰らう者》《収納狂い》《すごーい!》

 《創造主・序》

 --------------------------------


「ここまで来るのに大分、寄り道しちゃったね」

「まあな。カルディナ達と自分の強化の為に、光と闇魔法を14まで上げて、それぞれの第一属性も11まで上げちゃったからな」

「使ったことのない重力魔法に走るよりも、攻略を優先するなら全体を押し上げていった方が安全ってことだよね」

「ああ」



 ここまで来るのに重力魔法が取れるにもかかわらず、カルディナ達の成長を優先したのは訳があった。

 そのうちの大きな一つとしてあげられるのは、カルディナ達の成長度である。

 どうやら10を超えてから見た目の変化自体は納まっていたのだが、増えた竜力と、より高いレベルでの《陰陽玉》による体は竜種としての格まで上げてしまったようで、スキルの成長度合いが更に増している事が判明した。

 そして更に、ステータスに載らない基礎能力値もしっかりと上がっていた。

 なのでこのダンジョンでより生存率を確かめるためにも、そちらを優先したのだ。



「帰るって目的も大事だけど、こっちが気になっちゃったからね。

 しょうがないよ」

「ですがそれでも使えるSPが469もありますし、これから残っている敵とボスから取れれば直ぐに重力魔法が取れそうですね」

「それどころか、時空魔法の為の貯金も貯まりそうですの」



 リアと奈々のそのやり取りに、全員が頷く。

 なにせ残っているメインディッシュは、レベル10という超高難易度ダンジョンのボス様で、さらに竜種様でもあるらしい。

 それはさぞ強いのだろうが、スキルもたらふく持っているに違いない。

 そして現在の(469)を引いた時空魔法までの残りSPは(1031)。

 一気にそこまでとは言わないが、それでも帰りの切符が見えてくる。

 そんな皮算用に胸を膨らませつつ、今度は竜郎の次は私しかいないとばかりに愛衣がステータスを出していく。


 --------------------------------

 名前:アイ・ヤシキ

 クラス:武王

 レベル:75


 気力:11216

 魔力:152

 竜力:910


 筋力:4642

 耐久力:4480

 速力:4323

 魔法力:146

 魔法抵抗力:146+100

 魔法制御力:146


 ◆取得スキル◆

 《武神》《一発多貫 Lv.4》《砲刃矢石》

 《体術 Lv.14》《棒術 Lv.12》《投擲 Lv.11》

 《槍術 Lv.13》《剣術 Lv.13》《盾術 Lv.12》

 《鞭術 Lv.11》《斧術 Lv.10》《弓術 Lv.13》

 《扇術 Lv.10》《槌術 Lv.10》《かみつく Lv.10》

 《鎌術 Lv.10》《竜尾閃 Lv.9》《気力回復速度上昇 Lv.8》

 《身体強化 Lv.10》《集中 Lv.2》《空中飛び Lv.6》

 《遠見 Lv.7》《受け流し Lv.5》《危機感知 Lv.6》

 《軌道修正 Lv.3》《溜め突き Lv.4》《居合斬り Lv.4》

 《反射 Lv.4》《硬質突破 Lv.3》《急加速 Lv.2》

 《重量増加 Lv.4》《錯視 Lv.1》《隠密迷彩 Lv.1》

 《鑑定眼 Lv.1》《器用 Lv.3》《財宝感知 Lv.5》

 《全言語理解》

 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+7》


 残存スキルポイント:176

 ◆称号◆

 《体を修めし者》《棒を修めし者》《投を修めし者》

 《槍を修めし者》《剣を修めし者》《盾を修めし者》

 《鞭を修めし者》《槌を修めし者》《獣を修めし者》

 《扇を修めし者》《斧を修めし者》《弓を修めし者》

 《鎌を修めし者》《剛なる者》《打ち破る者》

 《響きあう存在+1》《竜殺し》《竜を喰らう者》

 《すごーい!》

 --------------------------------


「とーさんもっすけど、かーさんも大分もっちゃりしてきたっすね~」

「でしょ~。それにスキルのレべルも全体的に上がったし、いう事なしだね」

「んで、SPを使って取ったのが《鑑定眼 Lv.1》《器用 Lv.3》《財宝感知 Lv.5》か

 他はまあ良いとしても、器用は別になくても良かったんじゃないのか?」



 愛衣の不器用さも竜郎にとって魅力の一つであったので、少し残念そうに呟いた。



「けど、やっぱり手編みのマフラーとか竜郎に作ってあげたかったし。

 地球にいた時は悲惨だったし……」

「あー。まあそんな事もあったか…」



 竜郎は網目がガタガタの、細長い毛糸の塊としか形容しえない物を思い出していた。

 貰った時に何なのか全く解らずに、愛衣をむくれさせてしまったのはいい思い出である。



「それにこれのおかげかスキルの伸びも、もっと良くなった気がするし」

「攻撃もより隙が無くなった気がしますの」

「それはあるな。んで、鑑定眼は《錯視》を覚えるためにで、《財宝感知》は意外と使えるスキルだったな」

「そのおかげで色んな珍しい材料も手に入れられましたし、大助かりでした」

「でしょでしょ」



 《財宝感知》は読んで字の如く、近くにある金目の物を感知するスキルである。

 これは解魔法の様に様々な物を探ることが出来ない代わりに、こと財宝にだけに特化して、それ以上の感知能力を保有していた。

 しかもガラクタにしか見えない物で誰もが素通りしそうな時も、愛衣がピタリと止まって感知した。

 なんて事もあったので、道中の実入りがさらに増大したのだ。



「あと気になる点はと言えば、気力が一万超えちゃってるってところか。

 これで回復力も並外れてるんだから、実質大技使いたい放題だよな」

「大技は頑張って制御しなきゃだから大変だけどね。

 暴発したら、それこそ味方を巻き込んでの大爆発だろうし」

「もう見慣れてしまったので何も思わないようになってしまってましたけど、よく考えれば一発一発にとんでもない量の気力が内包されてますからね。

 そのおかげで生半可な武器はすぐ粉砕されてしまいますし」

「あはは……。面目ないです」



 ここまで来るのに手加減できない魔物が多く現れていたこともあって、いくつもの武器を気力の注ぎ過ぎで木端微塵に変えてきた。

 その中にはリアに造ってもらったり、改造して貰ったりした物も多く含まれていた為、愛衣は少々バツが悪そうに頭を掻いた。

 けれどリアの方は、別に嫌味が言いたかったわけではない様である。



「いえいえ。むしろ使い手に耐えきれない様な半端な武器は壊してください。

 それだけ、やりがいもあるってものです!」

「そう言って貰えると助かるよー」

「──わわっ」



 鼻息を荒くして豪語するリアに、愛衣は抱きついたのだった。

 そしてそれを羨ましそうな目で、竜郎達に見られたリアなのであった。


 そんな事もありつつ愛衣の物も一通り確認したので、今度はカルディナの物に目を移していく。


 --------------------------------

 名前:カルディナ

 クラス:魔弾射手 → ----

 レベル:49 → ----

 竜力:1030


 筋力:223+20

 耐久力:223+30

 速力:418+50

 魔法力:881

 魔法抵抗力:856

 魔法制御力:901

 ◆取得スキル◆

 《真体化》《成体化》《幼体化》

 《竜飛翔 Lv.12》《竜翼刃 Lv.9》《解魔法 Lv.11》

 《土魔法 Lv.10》《水魔法 Lv.10》《魔弾》

 《竜力回復速度上昇 Lv.8》

 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+4》


 残存スキルポイント:271

 ◆称号◆

 《解を修めし者》《土を修めし者》《水を修めし者》

 《すごーい!》《竜飛鳳舞》

 --------------------------------


「結局ここまでで、愛衣以外は50の壁を越えられなかったな」

「そりゃあ、素の能力が高すぎて中々壁らしい壁が見つからないってのがねえ」

「私の場合は壁というのが今の研究だと思うので、そういう理由じゃないと思いますけどね」



 リアの研究も色々な素材や魔物をここまで観てきた事もあってか、かなり進んで来ていた。

 だがあと一歩、手が届かないといった所の様である。



「それにしても、やっぱりカル姉は鳥の形体だけあって《竜飛翔》の伸びが早いっすよね」

「ピィーー」

「後はレベル14の体になったから、第三属性も10まで渡せるようになったんだよな」

「これなら、四つ目の属性も視野に入ってくるですの」



 レベル14の《陰陽玉》で造った体の場合、第一属性は14、第二は12、第三は10、第四は8まで受け入れられる。

 このレベルのダンジョンでも8も有れば補助としてくらいなら通用するので、何か取ってみるという選択も悪い物ではなかった。



「でも、まだ考え中なんだよね?」

「ピィー!」



 まだ今できる事すら満足に使ってはいないし、50レベルでクラスが変わった時に、どんなクラスでどんなスキルが貰えるのかも解らない。

 なので第四属性は与えるのならそれが解ってからの方がいいね、という話だったのだ。


 そうしてカルディナのステータスを見終わった後は、今度はジャンヌの物に皆の視線が集まっていく。


 --------------------------------

 名前:ジャンヌ

 クラス:守護騎士 → ----

 レベル:49 → ----


 竜力:1137


 筋 力:381

 耐久力:622

 速 力:288+50

 魔法力:596+30

 魔法抵抗力:937

 魔法制御力:587+20

 ◆取得スキル◆

 《真体化》《成体化》《幼体化》

 《竜角槍刃 Lv.12》《竜飛翔 Lv.7》《風魔法 Lv.11》

 《樹魔法 Lv.10》《火魔法 Lv.10》《竜尾閃 Lv.7》

 《魔法生成上昇 Lv.6》《竜力回復速度上昇 Lv.8》

 《超硬化外皮》《魔力減退粒子》

 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+4》


 残存スキルポイント:272

 ◆称号◆

 《風を修めし者》《樹を修めし者》《火を修めし者》

 《すごーい!》《竜槍之権化》

 --------------------------------


「守護騎士ってかっちょいいよね」

「ヒヒーーン! ヒヒーーン!」

「おかーさまの武王も、かっちょいいと言ってますの」

「ふふっ。ありがと」



 お互いのクラスを褒め合いながら、愛衣はジャンヌの鼻先をよしよしと撫でた。

 それを上機嫌に受け入れているジャンヌに目を細めながら、竜郎は新たに加わった称号について触れていく。



「カッコいいっていうのなら、《竜槍之権化》って称号もなかなか厳ついよな」

「《竜角槍刃》が Lv.10になった時に覚えた称号っすよね。

 確か竜力+100。筋力+100。竜力消費大減。制御力上昇。だったすか」

「ヒヒーーン!」



 アテナの言葉に、ジャンヌが肯定する様に頷きながら嘶いた。



「後は火魔法を第三属性にしたんだよね」

「風に火を混ぜれば強力だし、樹魔法の植物は可燃性の物が多い。

 どっちにも相性が良さそうだし、攻撃能力がぐっと増したって感じだな」

「ヒヒーーン」



 防御性能は分厚い鎧にスキルも相まって申し分ない上に、物理的な攻撃力も高い。

 今は高難易度ダンジョンにいるから苦戦もするが、外に出てしまえばその力は容易く町を滅ぼせるほどになっていた。

 まあ、それは他のメンバーにも言える事なのだが……。


 そしてジャンヌのものを見終わったので、次は奈々のステータスに目を通していく。


 --------------------------------

 名前:ナナ


 クラス:獣術家 → ----

 レベル:49 → ----


 竜力:1186


 筋力:679

 耐久力:639

 速力:699

 魔法力:569+100

 魔法抵抗力:569

 魔法制御力:561

 ◆取得スキル◆

 《アストラル体》《真体化》《成体化》

 《浮遊 Lv.8》《竜吸精 Lv.8》《竜飛翔 Lv.8》

 《呪魔法 Lv.11》《生魔法 Lv.10》《毒魔法 Lv.9》

 《解毒魔法 Lv.9》《氷魔法 Lv.10》《かみつく Lv.10》

 《ひっかく Lv.9》《竜尾閃 Lv.2》《竜爪襲撃 Lv.7》

 《急加速 Lv.4》《竜力回復速度上昇 Lv.8》

《魔法密度上昇 Lv.5》

 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+5》


 残存スキルポイント:266

 ◆称号◆

 《呪を修めし者》《生を修めし者》《氷を修めし者》

 《獣を修めし者》《すごーい!》

 --------------------------------


「《かみつく》がレベル10になって称号《獣を修めし者》を覚えて、氷魔法を第三属性として渡したから《氷を修めし者》も貰ったんだよな」

「氷は防御にも足止めにも使い易いですし、攻撃にも使えますから色々便利ですの」

「うーん、ここまでの流れからすると、レベル10になると称号を覚えるのは決まってるみたいだね」



 属性魔法以外にも、他の全てのスキルのレベルが10に至る度に称号を覚えているのは最早、恒例行事の様になっていた。



「となると毒魔法みたいにレベルがあるスキルの方が、最終的にはお得なのかもしれませんね」

「それが二つもだし、エクストラステージの特等賞ってのは伊達じゃないな」



 その毒魔法もLv.9なので、称号取得までにリーチがかかっている状態。

 一方竜郎の爆発魔法やカルディナの魔弾はレベルが無いので、そういう事は無さそうである。


 そしてお次は、リアのステータスを覗いていく。


 --------------------------------

 名前:リア・シュライエルマッハー


 クラス:鍛冶師 → ----

 レベル:49 → ----


 気力:530

 魔力:396


 筋力:610

 耐久力:410

 速力:425+50

 魔法力:464

 魔法抵抗力:364

 魔法制御力:329+50


 ◆取得スキル◆

 《万象解識眼》《土精の血脈+8》

 《鍛冶術 Lv.12:【専】魔力頭脳・魔導兵装》

 《ステータス効果付与 Lv.3》《集中 Lv.8》《品質向上》

 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+4》


 残存スキルポイント:108

 ◆称号◆

 《すごーい!》《鍛冶を修めし者》

 --------------------------------



「ステータス的には、鍛冶を修めし者で底上げされた筋力と魔法力分くらいで、あまり変わってないですよ」

「まあレベルも上がってないし、愛衣やカルディナ達みたいにポンポンスキルを伸ばしたり覚えたりもしないからな。

 それはしょうがないさ」

「それに50を超えてクラスが変わってレベルも上がれば、また話も変わってくるし、道具も進化してきてるから目に見えない成長があるじゃん」

「ですね。手榴弾の威力向上と小型化も大分進んで来てますし」



 今現在、帰還石の加工まで出来るようになってきたおかげで、指輪サイズの小さな爆弾まで造れるようになっていた。

 その上、最初期の手榴弾サイズの威力を出せるのだから、竜郎達のステータスとは別のベクトルで強化されているのだ。



「それに、魔道兵装っすか。そっちも大分形になってるんすよね」

「はい。理論は大体頭の中で纏まったので、後はそれを現実にアウトプットしての試行錯誤ってとこですね」

「それは楽しみですの!」



 その魔道兵装の第一弾として竜郎の杖を構想中らしいので、密かに彼も心をときめかした。


 そして最後、アテナのステータスを見ていく。


 --------------------------------

 名前:アテナ

 クラス:鎌術家 → ----

 レベル:49 → ----


 竜力:1151


 筋力:507+50

 耐久力:507

 速力:552

 魔法力:737+50

 魔法抵抗力:687

 魔法制御力:682

 ◆取得スキル◆

 《真体化》《成体化》《幼体化》

 《竜力路 Lv.9》《竜装 Lv.11》《乾坤一擲 Lv.5》

 《雷魔法 Lv.11》《風魔法 Lv.11》《土魔法 Lv.10》

《鎌術 Lv.10》《竜尾閃 Lv.6》《隠密迷彩 Lv.2》

 《竜力回復速度上昇 Lv.8》

 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+5》


 残存スキルポイント:279

 ◆称号◆

 《雷を修めし者》《風を修めし者》《土を修めし者》

 《鎌を修めし者》《すごーい!》《譎詭変幻》

 --------------------------------



「アテナは第三属性を土魔法にしたんだよな」

「そうっす。攻、柔、硬で固めてみたっす。

 それに金属も操れるっすから、雷魔法の補助にも使えるっすからね」

「それに風魔法と土魔法も混ぜると、いい仕事してくれるしね」

「ですのですの」



 最後までアテナは火魔法と迷っていたのだが、結局手堅い方へと流れていったのだ。

 けれど使ってみれば状況に応じて器用にモードを切り替えられる竜装もあってか、今ではその三つの属性がお気に入りのようである。



「鎌術もレベル10になってますよね。それに、その派生スキルも覚えましたし」

「あたしの鎌は大きさも自由に変えられるっすからね。

 最初に小さな鎌を見せておいてから、隠密迷彩で鎌を消して大鎌で仕留めるって手は使えそうっす」

「あんまり頭のよくない魔物だと、そんな小細工なしに無手の振りして切りかかることも出来ますし。

 そのスキルって意外と便利そうですの」

「そうそう。それに私の場合、鎌以外にも適応できるみたいだから、忍者ごっこが捗るの」

「体術の気獣技による竜鱗の分身に空蝉の術、隠密迷彩での隠れ身の術。

 それに空中飛びで水の上も走れるし、言われてみればゴッコどころか忍者だな」



 隠密迷彩は普通なら鎌の姿しか消せないのだが愛衣の場合、自分自身にそれを適用できた。

 なので漫画の様なファンタジー忍者の立ち回りができ、愛衣は密かに忍者気分に浸っていたのだ。



「でも派生スキルは使えるようになったっすけど、気獣技はまだ使えないんすよね~」

「鎌の気獣はえーと……わにでしたっけ」

「そーそう。ワニのシンクちゃん。使うと深紅色の気力が出てくるからね」

「また安直な名前を…。まあ本人が気に入ってるならいいんだが。

 それで愛衣の場合は無条件に使えるみたいだが、どんな行動を示せば力を貸してくれるようになるんだったか」

「確か強欲さだったかな。ワニさんだし、ガツガツしたのが好きみたい」

「あたしも戦闘ではガツガツしてるつもりなんすけどね。

 意識して頑張ってみるっす」



 そうしてステータス確認も終えた所で、前ボスの四部屋にどういう組み分けで行くのか考えていく。



「これで全員のステータス確認は出来たわけだが……。

 意外と、どんな組み分けにしてもいけそうだな。

 勿論、慢心はよくないが」

「なら、あたしは一人で行きたいっす」

「おっ、さっそくガツガツ精神だね!」

「そうっす。敵は皆、ガツガツ食い尽くしてやるっす!」



 全員で七人。四で割れば、誰か一人は確実に単独戦闘しなくてはならない。

 そうなった時はジャンヌやアテナなど、物理も魔法もできて、攻守にとても優れた要員が適しているといえるだろう。



「うーん。どうするかなあ」



 竜郎は目を瞑んで腕を組み、宙を仰ぐように顔を上げてどんな組み分けがいいのか考えていくのであった。

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