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レベルイーター  作者: 亜掛千夜
第四章 初級ダンジョン編
121/634

第120話 現状確認

 その日は雨が降っていた。

 領主の城を出た頃は、いつもの太陽は出ておらず曇り空。

 拠点の宿屋に着いた頃になって次第に雨足も強くなっていき、現在、昼前と言った時間になると外は土砂降り。

 そんな中で二人は雨音を耳にしながら、のんびりとソファで寛いでいた。



「ああ。我が家じゃないが、帰ってきたって感じだな」

「うん。昨日泊まったお城も悪くはなかったけど、ちょっと大きすぎて落ち着かなかったよねー」



 そう言いながら愛衣は竜郎の首に腕をまわし、頬にキスをしてきた。

 竜郎はそれを受け入れながら、愛衣の腰を掴んで引き上げると、今度は唇を合わせた。

 そうしてそのままなんやかんやし、風呂に入ってさっぱりした後は、ソファに再び座って肩を寄せ合っていた



「ここはいつ出るの?」

「うーん。明日は極夜だからなしとしても、買い物はしておきたい。

 でもって立てこもり事件の影響で便利な百貨店は三日間休業らしいし、その後かなあ」

「そうだねぇ。でも結構店内は滅茶苦茶だったらしいけど、三日で営業再開ってすごいね」

「だなあ」



 心地よい疲れを味わいながら、まったりとした後は遅い昼食を食べ、今まで放置していたSP消費とステータス確認の時間である。

 今回は、竜郎と愛衣以外にも、カルディナ、ジャンヌのレベルも上がっている様なので、そちらも確認しておきたかった。

 なので、その二体も《幼生体》で出てきてもらった。



「じゃあ。まずはSPを使おう。空いた時間で色々考えてはいたんだが、今あるSPは(511)もあるから、《生魔法 Lv.5》《土魔法 Lv.10》《解魔法 Lv.10》《風魔法 Lv.10》《呪魔法 Lv.6》《雷魔法 Lv.2》《樹魔法 Lv.1》と大盤振る舞いで行こうと思う」

「えーと、土、解、風は10にして、生5、呪6ってのはまあいいとして、雷と樹も新しく取るんだね。そうなると、全魔法の取得順が完全に決まっちゃうけどいいの?」

「ああ。いつかは決めなくちゃいけないんだし、雷は使ってみたいし、樹魔法は道中の野菜分確保に役立つかなと思ってな」

「雷の理由が適当だなあ……。まあ、いいけどね」

「……反対なしという事で、ではさっそく」



 竜郎は宣言通りのスキルをSP(497)支払って取得し、残りSP(14)となった。



《称号『土を修めし者』を取得しました。》

《称号『解を修めし者』を取得しました。》

《称号『風を修めし者』を取得しました。》



「よし。称号も手に入ったことだし、カルディナたちの魔法も10にしてから、ステータスを出そう」

「はーい」「ピピッ」「ヒヒンッ」



 そうして竜郎は出来るだけ手早く二体の魔法のレベルを上げると、まずは自分のステータスから公開していった。



 --------------------------------

 名前:タツロウ・ハサミ

 クラス:複合魔法師

 レベル:50


 気力:40

 魔力:1592

 竜力:100


 筋力:100

 耐久力:100

 速力:80

 魔法力:1401

 魔法抵抗力:1351

 魔法制御力:1429


 ◆取得スキル◆

 《レベルイーター》《複合魔法スキル化》《陰陽玉》

 《炎風》《土尖風》《粘着水》

 《光魔法 Lv.10》《闇魔法 Lv.10》《火魔法 Lv.10》

 《水魔法 Lv.10》《生魔法 Lv.5》《土魔法 Lv.10》

 《解魔法 Lv.10》《風魔法 Lv.10》《呪魔法 Lv.6》

 《雷魔法 Lv.2》《樹魔法 Lv.1》《魔力質上昇 Lv.4》

《魔力回復速度上昇 Lv.3》《魔力視 Lv.4》《集中 Lv.4》

《全言語理解》

 

 ◆システムスキル◆

 《マップ機能》《アイテムボックス+4》


 残存スキルポイント:14


 ◆称号◆

 《光を修めし者》《闇を修めし者》《火を修めし者》

 《水を修めし者》《土を修めし者》《解を修めし者》

 《風を修めし者》《打ち破る者》《響きあう存在+1》

 《竜殺し》《竜を喰らう者》

 --------------------------------



「称号やらなんやら、初期と比べると豪華になったねぇ。って、密かに《魔力視》と《集中》、《魔力質上昇》も上がってない?」

「ああ、それな。エンニオの契約を上書きする時に、勝手に上がったんだ。どうやら、結果的にそのスキルの鍛練にもなってたみたいだな」

「ほえー。んじゃあ、次は私かな」



 --------------------------------

 名前:アイ・ヤシキ

 クラス:体術家

 レベル:34


 気力:4625

 魔力:35

 竜力:100


 筋力:922

 耐久力:894

 速力:682

 魔法力:33

 魔法抵抗力:33

 魔法制御力:33


 ◆取得スキル◆

 《武神》《体術 Lv.7》《棒術 Lv.3》

 《投擲 Lv.8》《槍術 Lv.8》《剣術 Lv.9》

 《盾術 Lv.7》《鞭術 Lv.9》《斧術 Lv.2》

 《気力回復速度上昇 Lv.7》《身体強化 Lv.10》《集中 Lv.1》

 《空中飛び Lv.2》《全言語理解》


 ◆システムスキル◆

 《アイテムボックス+2》


 残存スキルポイント:31


 ◆称号◆

 《剛なる者》《打ち破る者》《響きあう存在+1》

《竜殺し》《竜を喰らう者》

 --------------------------------



「愛衣も、全体的にスキルレベルが上がってるな」

「もうちょっとで、10にいきそうなのも多くなってきたね。後は称号が増えたんだよ」

「おっ、本当だ。これはどんな称号なんだ?」

「えーと、《身体強化》の制御力向上かな。後は《身体強化》状態で武術スキルを使うと、そっちの制御にも補正がかかるみたいだね。だから前より動きやすかったのかも」

「こう言っちゃなんだが、ちょっと地味な感じもするな」

「うーん、ステータスに直に表れた方が解りやすいってのはあるね」



 そんな感想もソコソコに、今度は横でソワソワしている二体に目を向けて、まずはお姉さんのカルディナから見ていく。



 --------------------------------

 名前:カルディナ


 クラス:-

 レベル:9


 竜力:311


 筋力:58

 耐久力:58

 速力:53

 魔法力:176

 魔法抵抗力:176

 魔法制御力:171


 ◆取得スキル◆

 《真体化》《成体化》《幼体化》

 《竜飛翔 Lv.6》《竜翼刃 Lv.2》《解魔法 Lv.10》

 《土魔法 Lv.8》《竜力回復速度上昇 Lv.5》


 残存スキルポイント:27


 ◆称号◆

 《解を修めし者》

 --------------------------------



「おっ、ちゃんと修めシリーズが付いてる。正直、俺の魔法を移植してるだけみたいな感じだから、ちょっと不安だったんだが」

「属性魔法スキルレベル10で、必ず覚えるって事だね」

「ピッピピッ」

「よかったな。カルディナ」



 カルディナも嬉しそうに、ミニサイ状態のジャンヌの頭の上で飛び跳ねていた。

 その光景に癒されながら、最後にジャンヌのステータスも確認する。



 --------------------------------

 名前:ジャンヌ


 クラス:-

 レベル:8


 竜力:293


 筋力:53

 耐久力:53

 速力:48

 魔法力:162

 魔法抵抗力:162

 魔法制御力:162


 ◆取得スキル◆

 《真体化》《成体化》《幼体化》

 《竜角槍刃 Lv.6》《竜飛翔 Lv.2》《風魔法 Lv.10》

 《竜力回復速度上昇 Lv.5》


 残存スキルポイント:24


 ◆称号◆

 《風を修めし者》

 --------------------------------



「うーん。やっぱりか」

「何が?」



 ジャンヌのステータスを見て開口一番唸る竜郎に、愛衣とカルディナ、ジャンヌは揃って首を傾げた。

 その光景に竜郎は笑みを浮かべながら、自分の推測を語りだした。



「いやな。ジャンヌはあのパララケウスとか言う、そこそこ強かった魔物を倒して、カルディナはマリッカさんの話からすると、デプリス掃討の時にかなりの数を狩っていたらしい」

「そうだね。二体とも大活躍だったもん!」

「ピッピッ」「ヒヒーンッ」



 愛衣の誇らしげな顔に、二体とも嬉しそうに力強くうなずいた。

 それは竜郎も同じなので、二体の頭を撫でてあげる。



「そうだな。だけど、それにしてはレベルが低いんじゃないかと思ってな」

「あー、そう言えば。まだ、どっちとも一桁台だもんね」

「だから、竜という種族が関係しているんだと思う。魔竜の時のレベルの上がり具合から考えると、竜種は俺達みたいな普通の種族より多くの経験値がいるのかもしれない」

「えー、それじゃあ可哀そうじゃん」

「だがその代わり、ステータスとは関係ない素の能力値が段違いな気もする。1レベルの魔竜であれだったんだぞ?」

「そう言う所で、システムが釣り合いを取ってるのかな」

「かもしれないな」



 などと二人が竜種の特異性について話している間、カルディナは密かに胸をなでおろしていた。

 何故なら、ジャンヌは何やら強いのを一匹倒したという事を聞いていたので、もしかしたら姉の自分よりレベルが上になってしまっているのではと心配していたのだ。

 別にそれが悪いというわけではないのだが、まだまだ可愛い妹分にお姉ちゃん風を吹かせたかったのだ。

 そしてそんな姉の心情など知らずに、ジャンヌは暇そうにゴロンと寝ころんだのであった。

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