潜入プラン
エリー草とは
1000年に渡って地に根をはった大樹が、100年かけて地球の養分を集め、作りだした実のことである
これを食べればゾンビ化の進行を止めることができる
しかし、この実は世界的にも貴重で、現在5つしか存在しない
その実を食べる資格があるのは、国の中でもトップの人間のみであった
そのエリー草が、ある薬品メーカーの研究所にあるという
エリー草の成分を研究するためだ
スキンはそのサンプルを狙うため、協力者をおっさんから紹介してもらうことになり、今日、ねぐらにやってくる手筈になっていた
その協力者とは、窃盗のプロである
金に糸目をつけなければ、どんな人間にも協力するとのことだ
研究所に潜入するためのプランを練る必要があり、それは一人では無理だと判断したためだ
ねぐらで待っていると、男がやってきた
作業着に身を包んでいる
年は50前後か
ハリソンフォードのような、ダンディーな雰囲気の男だ
「スターマンだ」
男はそう名乗った
「どうぞ、座ってください」
男は椅子に座ると、早速概要を話し始めた
「まず、今回狙う薬品研究所は、3階建て、地下は5階まである、なかなかの広さを有す建物だ 1フロアもかなり広い」
男は図面を広げた
「私の友人はシェア98パーセントのセキュリティ施工会社に勤めていて、容易にあらゆる図面が手に入る
研究所のセキュリティシステムもその会社の施工だ」
「窃盗のプロとセキュリティの会社の人間が通じているのか・・・」
堅苦しい話は抜きだ、と言い、男は話し始めた
「手順を説明すると、まず、君が現地だな
そして、私がセキュリティを制御している電気室に待機する
電気室へは、搬入口から潜入して、おそらく建物内部に入るのにカードキーが必要になるが、ここは作業着を着て業者を装えば怪しまれないだろう
誰かが入ったのについていけばいい」
図面を見ると、確かに駐車場から建物の入り口までは、鍵付きの扉は存在しない
建物の内部に入るのに、キーがいるようだ
図面上に番号の入った「鍵」マークが記してある
「図面を見てくれ、入ってしばらく進むと、この部屋に制御盤があるな?この四角いマークがそうだ」
指でルートを追った先に、そのマークがある おそらく、ここが電気室だろう
「電気室に入る際に、必要な鍵は見てみなければわからんが、おそらくはよくあるピンタンブラー錠(シリンダー錠で最も多いもの ふつうの鍵付きの扉といえばこれ)か、レバーハンドルで回すグレモン錠だ」
そのあたりはプロに任せます といい、話を進めた
「君の狙っているエリー草がどこに保管されているのか それを調べなければならん だが、おそらくここだ」
男が指を差した先には、冷蔵室、と書かれた部屋がある
「エリー草を保管するにはこういった特別な冷蔵室が必要なはずだ
セキュリティ付きの大掛かりな冷蔵室、ここにさまざまな研究サンプルがあるはずだ」
それは大いにありうるが確証はない
だが憶測でしか話せない現状ではこのまま話を進めるしかなかった
「さて、どうやってここに行くかだな」
冷蔵室はB2にある
そこから下は、駐車場、さらに下は特高変電室など、巨大な電気設備などが設置されたところなので、あまり一般人は関係ない
「階段を使う際に、入口出口、この2つは解錠しなければならないな
そして、冷蔵室に入る手前のカギ、そして冷蔵室 合計4つか
地下は制御盤が1フロア置きだから、私も地下に降りて次の盤に行かねばならないな」
そうなると、カギは持ってない
どうやって向かえばいいのか?
「電線の通り道がある、縦にラックが走っているから、その通り道の穴をこじ開けて降りていけば、行けなくもない
他にも縦をわたってるダクトを通る方法もあるがな」
なるほど、さすが潜入のプロだ
こうして、ある程度の潜入方法のプランは固まった
この依頼を受けるのに、男には300万を支払う予定だった
「なけなしの、俺の最後の貯金が・・・」
いよいよ、このねぐらを離れる時が来た
ハリソンフォード→ハンソロ→スターウォーズ→スターマン
的な