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ゾンビワールド  作者: oga
4/7

武装集団

スキンはゾンビを引きずっていた

「おえっ」

えずきながらも、どうにか外に出し、軍手をぶん投げた


ゾンビ襲撃から1週間が経過し、緊張感も薄れていた

常にゾンビが俳諧してるわけでないと分かったスキンは、駅ビルまで足を運んだ

ブランドの店に来ると、よさげなライダースを見つけ

「ゾンビ退治はやっぱ革ジャンだよな」とつぶやいた

ゾンビ退治=革ジャン これは某ゲームの間違った認識である

革ジャンをはおって決めポーズを鏡の前で取る

「俺はスキン、ゾンビを狩る者・・・」

さっとうしろを振り返るが、誰もいない

もう一度「俺は・・・」といいかけ、なんか恥ずかしくなってやめた


買い物が終わり、ビルに戻ると異変に気づいた

センサーの外の面に傷が入っている

しかも、弾痕のようなあとだ

「まずい」

とっさに追っ手の仕業と判断し、隣の駐車場まで逃げ込んだ

全力で走って、柱に身を隠し、耳をそばだてた

コツ、コツ、と足音がする

それも3つ

スキンの耳はゾンビ化によって冴えていた

「左右から来る」

挟み込まれるのを恐れ、即座に近くのエレベーターホールに入った

エレベーターはなかなか来ない

しびれを切らし、わきの非常階段に入って、階段をさらに全力でかけた

「とまれ!」

下から声がした

慌てて階段を駆け上がり、適当なフロアで廊下に出た

「まけたか?だけど、どうやって逃げる?左右の非常階段はもう抑えられてるか・・・」

スキンは廊下で足を止めて考えた

おそらく一番腕のきくやつがしらみつぶしに上から降りてくる

そして上下で挟み撃ちにする気だ

「俺ならそうする」

真ん中の客室エレベーターという手もあったが、待ち伏せが怖い


銃を構え、迎え撃つ

それしかなかった

もっとも迎え撃ちやすいところ それは中央の客室エレベーターだ

左右の非常階段も見渡せる分、相手より早く銃がうてる

「来やがれ・・・」

マガジンに銃をこめ、スライドリリースを引き、安全装置を外し、トリガーを構える

するとすぐ後ろからエレベーターの音がした

チン・・・ガー・・・

中から男が出てきた

「居場所がばれてる!」

男はスキンを確認すると、即座にこちらを振りむいた

男は赤いジャケットを羽織り、どうやら下に防弾チョッキを着こんでいるようだ

一瞬ザワリと体に怖気のようなものが走り、周りがスローモーションになる

男のショットガンを構える姿がゆっくりに見えた

ジャンプして壁の向こうに隠れる

まずいことに廊下はまっすぐ一本の通路で、逃げ切るには角まで走らなければならない

後ろを向くと男がもう銃を構え、2発目の発射態勢に入っている

「くっそ」

横のトイレに飛び込む

弾が壁に当たりはじける音がした

男が近づきながらしゃべる

「抵抗するならお前は排除する」

出れは即座に殺される

それは最初相手が撃ってきたときに分かっていた

「覚悟を決めねえとな・・・」

スキンは息を整えて、一気に飛び出し、銃を乱射すべくトリガーを引こうとした

瞬間、赤いジャケットが目に入る

さらに体に異変が起こった

何か、怒りのような、耐え難い衝動だ

殺意を向けられそうなったのか分からないが、体温が熱い

「ウ、ウオオオ」

スキンは意識が飛びそうになった

銃口が定まらない


スキンは思い出していた

20代前半のころはまだ社会にも慣れてなく、よく他人にむかつくことを言われるとカッとなる癖があった

そのせいで、せっかく勤めていた会社を何度も辞めてきた

その時の衝動は自分のよくない癖と思い、そう感じたら目をつぶっていつも自分を冷静に保ってきた

おかげで、今の仕事はまだ続けられていた


「そうだ、落ち着け」

スキンは目をつぶって冷静になるイメージを働かせた

赤いジャケットが視界から消える

体内の血が落ち着き始めた

スキンは冷静さを取り戻した

ドンドンドンと立て続けに3発

相手の男にぶち込む


「ぐっ・・・」

男は倒れこんだ


「その赤いジャケットが目障りだな」

スキンはそう言い

「おっさん、言い残すことは?」

と銃を構えた

「・・・ゾンビ化を止める方法があるのを知っているか?」

衝撃的なことを、おっさんは口走った

「そんな方法あるのか?」

「これは国の機密事項だ お前に教えるなら俺の命と引き換えになるぞ」

「・・・とどめを刺すのをやめろってことか、だが、この状況でそんなことを知っても、お前にはまだ仲間がいる 俺の身は保障されない」

「手は出さん、約束しよう 俺だってこんなとこで死ぬ気はない お前はまだ人間としての意志は残っているようだしな 助かる見込みがないわけじゃない」

そういうと、おっさんは携帯を取り出し、仲間に手を引くよう伝えた

スキンは銃を下した

「これでいいか?」

「いいだろう、教えてやる エリー草について」



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