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白【しろ】
白【しろ】
それは、青い空に浮かんでいる色。冬の空から舞ってくる結晶の色。
私たちを包み込むような大きさ。私たちの手のひらに収まってしまうような大きさ。
それは、純潔無垢で何も隠さない正義の色。
明白。潔白。告白。人は真実を証明するために、それらの言葉を使う。
それは、どこまでも続く果てしない色。
膨張色。実際よりも、より大きく、より広いように感じてしまう。
それは、何色にも染められていないありのままの色。
まっさらな様子。何からも汚されていない様子。ものの純粋なままの姿。
それは、はっきりと明るく輝いている色。
人の目は、光の反射によってこの色を認識することができる。
それは、無限の可能性を秘めている色。
画家は白紙に絵を描く。作家は白紙に物語を生み出す。音楽家は白紙にメロディーを奏でる。
それは、すべてを受け入れてくれる優しい色。
ほかのどんな色を毛嫌いすることなく、拒むこともなく。すべての色と混じり合うことができる。