水中花火
しとしとと 雨が降る 夏の夜
一人きり 歩いてた 帰り道
傘を打つ 雨音が 寂しくて
手に当たる 雨粒が 冷たくて
街を行く人々は 口々に
「雨なんて最悪だね」って
不満そうに 歩いてる
小さな電灯に 照らされる
小さな水たまり ゆらゆらと
揺れる水面の 暗闇の中
きらきら光る 明るい光
それはまるで 線香花火
私だけの 水中花火
暗い路地 ため息と 足音が
響く中 今日のこと 思い出す
勝てなくて 負けそうで 悔しくて
諦めて うつむいて 悲しくて
先を行く人々は 口々に
「勝つなんて簡単だね」って
気楽そうに 進んでる
小さなプライドを 捨て去って
小さな可能性 信じてて
揺れる心の 葛藤の中
自分自身に 負けるなよって
自分自身に 言い聞かせてる
私だけが そうじゃないでしょ?
滴る水滴 水が跳ねる
覗いた先には 光漏れる
それは私の 心の闇に 光を灯す
だから私は 心に誓う 次は負けない
小さな電灯に 照らされる
小さな水たまり ゆらゆらと
揺れる水面の 暗闇の中
きらきら光る 明るい光
それはまるで 線香花火
私だけの 水中花火
雨が降る夜に、傘をさして歩いてる時にふと浮かんだこと。
雨は嫌いですけど、眺めてるのは好きです。