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名前
「あのぉ、司くん。なんの冗談で?」
「冗談じゃないよ(笑」
だって、幼馴染の私でさえ
怒った領を見たことがないもん。
「領さんが、ブチギレたら大変だよ?」
司くんは面白そうに笑う。
サッと血の気が引いた女子軍は
急いでトイレへと出て行った
「んじゃあ、俺・・・もクラス戻るわ。
義さんがうるさいから(笑」
「あ、うん・・・」
嵐が過ぎ去る
シーンっとした空気の中
さっきから一言も声を出していない楓が
口を開いた
「やっぱ・・・かなわない、な・・・」
「え?」
「ありさ、に・・・」
「私に?え、なにが?」
「司くん・・・ありさしか見てなかった・・・」
「そんなことないってっ!」
・・・そんなこと、ない。
「あるよ。
だって、司くん私の名前呼んでないもん。
ありさ、たち・・・だった。
私の名前なんて一言も言ってくれなかったもん。」
「楓・・・」
「ま、わかってたんだけどね。」
楓はふっきれたように笑顔になる
その笑顔が、いたたまれなかった
「さ、教室もどろ?」
「・・・うん。」
今、私が何言っても
楓を傷つけるような気がした




