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勇者さらっちゃいました

 よろしくお願いします。

 「勇者よ、早く来い!」

 我は、早くここからでたいのだー。

 そんな時。邪神殿の壁が崩れ落ちた。おお、我が見た初めての光だ。眩しいぞ。ああ、このセリフを言わねばならんな。

 「ようこそ。勇者よ、よくぞやってきてくれな。」

 「……誰?」

 「は?」

 我の目の前に居るこのかわいい子は誰だ?めっちゃかわいいじゃん。あれ?でもここは魔王が倒されて。裏魔王が倒されてここが壊れる設定のはずなんだが。聞いてみよう!

 「そこの可愛い子。勇者は誰だ?」

 「僕が勇者だよ。」

 攫っちゃうしかないよね。うん。基本、我って無敵なんだよね。

 「我は邪神だよ。」

 「じゃ、死んでね。」

 かわいい顔してそんなとこというのがたまらない。これは、母性愛といったやつかしら。

 「死ねぇー。新聖剣奥義 僕の考えた必殺技 聖斬剣技 覇王の剣」

 「かっこいいよ。ショタッ子勇者ちゃん。私が受け止めてあげる。」

 ちょっとびっくりしたわ。ワールドエンドドラゴン級の魔力でいきなり襲ってくるんだもん。ああ、でも、かわいい。この世では素晴らしい言葉があるの。それはね「かわいいは正義」だ。もう、私たまんない。これぞ一目ぼれってやつだね。私の口調までおとめチックになっちゃってる。きゃー。もう私の目は、あなたしか見ていないわ。

 「えっ?嘘 受け止められた?この最強の僕が。なんで?まだだ、まだいける。遠距離がだめなら近距離で攻撃だ」

 「次はどんなわざみせてくれるのかな~」

 「容姿変換 細マッチョモード」

 「容姿が変わっただけ?」

 「それはどうかな?新聖剣変換刀 居合切り」

 何か、勇者の周りに神聖な感じのオーラが漂っている。これは、東の国で使われている剣術!それにしても、新聖剣は最強だね。変換の能力は普通なしでしょ。ここは、真・邪神剣であいたしするとしましょうかね。

 「パッパラパーン 真邪神け~ん」

 「勝てると思うなよ。」

 早いだが鍛え方がまだまだだな。これでは、我には勝てんわ。技を使うまでもない。ここはひとつ新聖剣を折るかな。

 「僕の新聖剣が折られただと!」

 「まだまだ鍛えが足りないよ~。」 

 「仲間たちよ。出てこい。僕だけでは無理だ~。」

 なんかぁ、ぞろぞろ出てきやがったんだけど。そこそこイケメンなやつとかボンッキュボンな女の子とか。無駄にスペックが高くて、しかも、容姿もいいやつは我の一番嫌いな人種だよ。これは、世界封印するしかないよね。

 「我の世界を呼びさませ、封印せしは勇者の仲間。我が世界に封印せよ。」

 「なんで?みんな僕よりかいくらか劣るけど世界では最強の一角といわれている。ハイエルフのラクティアーノ、真祖の吸血鬼のビビアンヌ、異世界転生者の山田 太郎、最上級僧侶 ヒキコなのに。封印されちゃってるの?できるわけがないじゃないか。」

 「でもしちゃったんだもんしょうがないじゃない。」

 「みんな僕にやさしくしてくれたのに許さないぞ。戦略級魔術 メテオブラストを使ってやる。」

 「どんどんきて❤うけとめてあ・げ・る。」

これだけの力があれば。裏魔王を倒したっていうのも。うなずけるわ。魔力の塊が空で浮かんでいるどんどん構築さていっているわね。ほんとだったら中断させたいけど。あなたの攻撃だったらうけとめられるわ。

 「さぁ、来て。詠唱短縮 邪神の盾」さすがにきついわ。でもこのぐらいじゃなきゃ私の夫にはなれないはわ。

 「勝った。勝ったよ。みんなの敵は打ったよ。え?あれ?なんで?なんで?生きてるの?」

 「強かったわ。正直死ぬかと思っちゃった。でもね、あなたへの愛の力はこんなものじゃないのよ。私の夫になりなさい。」

 「いやだ。」 

 仕方ないわね。あんまりこういう手は使いたくないけど。

 「わかったわ。じゃあ、あなたが、私の夫になってくれるんだったら仲間の封印解いてあげるわ。どうするの?」心優しい勇者が断れるわけないじゃない。

 「わかった。僕が、あなたの夫になるから。仲間を助けて。お願いします。」やっぱりね。じゃ、気乗りはしないけど。

 「我が世界よ、我にこたえよ、勇者の仲間を解放せよ」

また出てきてしまったわね。まぁ、いいわ。記憶を全部書き換えたから。

 「ありがとう。」勇者が唇を強くかみしめながら言った。

 「仲間の方は世界中のどこかに転移させるけどいい?」

 「うん。」

 「遠距離転移。」ハイ終わり。邪魔者は消え去ったわ。

 「これから僕はどうなっちゃうの?」

 何この生物めっちゃかわいい。

 「大丈夫よ。殺したりなんかはしないから。」

 「結婚式ってあげるの?」

 この子そんなことまで考えてたんだ。やっぱり武力・知力・精神力ともにすごいことになってるわね。

 「あげたいの?」

 「うん、僕は聖国の勇者で、もともとお姫様と結婚する予定だったんだ。」

 「お姫様と結婚したかったの?」

 「全然、ただ僕は村に居る幼馴染と結婚したかっただけなんだ。でもね、無理だってわかってからはもうやけくそになって魔王を倒してたんだ。」

 この子相当な人生経験をしているようね。もう、なんかかわいそう。

 「同情なんていらないよ?もともとこうなるとわかってたんだから。ほんとは殺されるものだと思ってたんだけど、生きて居られてよかった程度には思っているよ。」

 なんて、素直でいい子なんだろうか目の前に居る子は。わたしは、神殿に居る邪神とは言われているがその実外の世界のことは見れていないからわからないけどね。普通ならもうこの子は壊れてもおかしくないぐらいにまで精神が壊れている。

 「これからは私と第二の人生を歩んで行こうね。」

 「あなたの言うがままでいいよ。」

ちょっとこの奴隷根性的なところは直した方がいいかな。また、おいおいしていくことにしよう。

 「聞くの忘れてたけどあなたの名前は何?ちなみに私の名前はないからあなたがつけて。」

 「僕の名前?ああ、クセルディスだよ。で、僕が君の名前を付けると。うう~ん何にしようかな。名前は大事だからさまたの機会でいいかな?」

 私のことをしっかりと考えてくれてる。さっきまで闘っていたのに。状況が変わったらすぐにそれに対応する。大人でも難しいことなのに。それでも気丈に生きている。これまでの人生経験からなんだろう。全てを自分の中にため込んでいってしまう。邪神の言うことじゃないかもしれないけど。私に経験なんてないしね。私にできることは大きくこの子を包んであげることだけ。

 「泣いてもいいんだよ。私の胸で。」

 「何言ってるの?胸なんてないじゃん。」

チョットムカつく。でもよかった。このくらいの生意気な口を利ければ今は合格かな?私のスタイルあんまりよくないな、考えとかないとね。夫婦なんだから。あれ?

 「うわわ~ん。僕もう疲れたよ。僕は頑張ったよね。今まで仲間を失ったり、幼馴染から引き離されたりしたけどもうそんなことしなくていいんだよね。ほんとにいいんだよね。第二の人生送っていいんだよね。」

 「いいんだよ。今はいっぱい泣きなさい。今までため込んでいること全部吐き出しなさい。私も腐っても神なんだから。身勝手な願いなんてどうでもいいけど。ほんとに困ったとき神頼みっていうじゃない。その時に神が聞いているかは別だけど話すことは悪いことじゃないわ。つらかったんだね。」

 この後、二時間ぐらいの間この幼き勇者は、泣き続けた。これも運命という奴だったのだろう。勇者というのは、世界のなかでランダムで選ばれる。その中のほとんどは、魔王のもとにまではたどり着くがそこで殺される。この子は、世界中の人々の身勝手な希望を背中に乗せられてしまった犠牲者なのだ。この子には、足に運命の刻印が押されてあった。おっと泣きやんだみたいだ。

 「ぐす……ありがとう。」

 「どういたしまして。夫の困ったときに支えるのは妻の役目ですから。」

 「やさしいんんだね。」

 「そんなに辛気臭くならないで。あなたも大変だったんだから。あまり物事を抱え込まないでね。それでね、結婚式なんだけど今あげちゃわない?」

 「いいけど、どこでするの?」

 「あそこにあるじゃない。ちょっと壊れちゃってるけど私の神殿が。」

 「ああ、あそこならできるね。でさ、思ったんだけど信じる神様って変えた方がいいのかな?」

 「うん、そうねそうしてもらうと安心だわ。」

 運命の刻印がされてあったということは、死んだあとは信じている神様のもとで使えるということが決まっているようなものだからね。ああ、でも、これはまだ伝えない方がいいかもしれないわね。運命の刻印があるってことは神様に己の運命を改変さててしまっているのと同じ意味だからね。

 「じゃ、そうするよ。」

 「あっ、でも、神様の婿になるんだからシステム的に信じている神様が変わっちゃうんだけどね。」じゃ、タキシードとウエディングドレス創造っと。こんな感じかな。うう~ん、ちょっと違うかな。着てみよう、どうかなかわいいかな?

 「話、変わるけど。今の私かわいい?」

 「いつの間に着替えたの?ってかわいい女神様みたいだよ。」

 「あら嬉しい。邪神だけどね。あなたもタキシードを着て。」

 「うん、何処で着替えようかな。」

 「何言ってるの?私たちは夫婦だよね。」

まぁ、私は着替えをすっ飛ばしちゃったけどね。だって、恥かしいじゃない。

 「恥ずかしいよ。」

顔を赤らめてこちらを見てる。何このかわいい生物上目づかい最強ね。

 「大丈夫、受け止めてあげるから。」

 「じゃぁ、着替えるよ。」

着替え始めた。かわいいなぁ。普通、逆なような気がするけど、気にしないってことで。!!。

 「なに、そのでかさ!」

私、今とんでもないもの見てるよ。私の夫、まだ十歳ぐらいのはずなのに。立派な聖剣をもっていらっしゃるわ。チョットアレハオカシイヨネ?

 「どこ見てるの!てか思ったんだけど。立場普通逆だよね。なのに何なのこの違和感のなさは。」

 「あなたがショタってことよ。」

 「ショタって何?」

 「うう~んと。女顔?」

 「うわ~ん。」

あれ?泣いちゃったよ?まさか禁句ワード? 

 「ゆるさないぞ。」

絶対、怒っちゃってるよ。ここに来て初めての夫婦喧嘩なの?まだ、ラブラブ期間のはずよ。てかあってすぐ夫婦喧嘩ってこの先思いやられるよ。やばいよあれは。魔力の渦がすごい。あのレベルは裏魔王を普通に凌駕しちゃってるって言うか私と同等だよ。

 「変身、ペルセウスモード。」

なに。あれめっちゃかっこいいんだけど。って違う!。長身のジェントルマンって感じだね。でもね、それ継続するのにメテオブラスト一発一秒間に放てるほどの魔力の消費は良くないよ。あのオーラから察するに、一時的に運命の刻印の力を使って半神の状態になってるだけ。今はまだ大丈夫だけど第二フェーズに入るまでに力を抜きとらないと。あれは、完全暴走してるよね。やばい、止めれる気がしない。自分のコンプレックスを指摘されて仲間を封印された時以上の力出すとかあり得ないよ。ねぇ?なんか技放とうとしてない?

 「最終メテオ異世界召喚」

死ぬ。あれは死ぬ。やばいじゃん。とりあえず、最強の盾を使う。

 「邪神の盾 全力ver」

おお、最終戦争の最後のようだよ。冷静に言っているが、冷や汗が流れてるよね。もしも、あの時このチートじみた力使ってたら、私負けてたよ。今は夫婦だから。この世界がなかったら愛し合えないからこの世界を守るけど。夫婦喧嘩で世界が終るって洒落にならないね。うう。ギリギリセーフかな。

 「あれ?どうしたんだろう。僕?何か知らない。」

よかった。記憶がなくなってるよ。女顔は絶対に言っちゃいけない禁句ワードね。あの時の姿はあれはあれでかっこよかったのだけれども。おしいけれども。今の方がいいわ。まだ、子供だもん。いつかは、あんなダンディーな姿になるのかしらね。

 「うん。何でもないわよ。ただ、あなたが恥ずかしがって、チョット気絶知っちゃってただけよ。それにしてもそのタキシード似合ってる。」

 よかった。完全に記憶を失ってるわ。

 「ありがとう。」

 「結婚式なんだけど二人だけでする?」

 「なんかさびしいね。」

 「確かに、そうだね。真・六魔将軍、真・魔王達でも呼んでこようか?」

 「うん、おかしいよね。それ。僕そんな魔物聞いたこともみたこともないよ。」

 「あぁ~そうだったわね。あなた、裏魔王を倒したでしょう?」

 「うん。」

 「裏魔王を倒すとね、真・六魔将軍、真・魔王達それと私の封印がとかれることになってるの。」

 「どのくらい強いの?」

 「真・六魔将軍が私たちよりチョットだけ格下で真・魔王達は私たちとほぼ同等の力を持ってるわよ。」

 「人類、どうやっても勝てないよね。それ。」

 「いや、そうでもないわよ。だって、あなたの足に運命の刻印があるじゃない。それは、じきに解放されていって、努力さえすれば神さえ殺せるのよ。」

まぁ、それをさせないために運命の刻印には奴隷の印の能力もついてるんだけどね。さっき、信仰する神が私になったから即刻解除したけど、言わない方がいいわね。さっきの最終戦争なみのド迫力の夫婦喧嘩ができた理由がそれだから。

 「僕って、チート?」

 「うんすごくね。つまるところ勇者の中の勇者といったところかしらね。でも安心して。私達って基本めんどくさがり屋だから。人類を支配することになんて興味ないのよ。かってに信仰されているだけってところかしら?」

 「呼んでもイイよ害はなさそうだから」

 「んじゃ召喚と」

 とてつもなく巨大な魔法陣を描かなければならんから結構疲れるわね。これ。おお、出てきた、出てきた。


 

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