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主人公が着々と、殺人(薩人)マシーン化しています。
こんな11歳が居てたまるか!!!です。
開戦から一週間。
その日は、俺の隊とは別の隊が門を守っていた。
この一週間で、俺は部下達から信頼を集める事に成功していた。
今の俺みたいに幼い餓鬼に、命を預けて戦うなんて正気とは思えないが仕方ない………
そもそも、正気じゃこんな戦いやってられない。
いやしかし、戦友が居るって心強いね!!!こんな気持ちで戦うの初めて!!!もう何も怖くない!!!!
ティロ・フィナーr
その時、門が有る方で大声が聞こえた………
嫌な予感がする。
「隊を集めろ………早く!!!」
近くに居た副長的立場の男(矢次郎という名前だ)に声を掛ける。
「分りやした。」
「頭ぁ!!!門が破られやしたぁ!!!」
門の方から駆け付けた部下が知らせる。
マズイ………非常に拙い。
そんな時、最悪の知らせが入った。
「頭ぁ!!!!総大将が………総大将が、逃げやした………」
………what!?
え?じゃぁ、負けじゃん。ダメじゃん。
………俺達も、逃げちゃう??
そんな考えが頭をよぎった時だった。
一人の女性が、俺達の目の前を横切った。
炊き出しの時に、何時も握り飯を握ってくれていた女性の一人………
「おい、あのアホ総大将、ひょっとして女子供も置いて逃げたんか………」
「………頭??」
「………矢次郎。種子島かき集めて。」
「………へい。女子供も一か所に集めやす。」
俺の考えている事が分ったのだろう。指示を先読みしてくれる矢次郎。
「………逃げたい奴は逃げろよ?今回は経もあげてやれそうに無い。」
そんな俺の破戒僧ジョークに、笑って答えてくれる部下達。
やっぱり、一緒に戦ってくれる奴がいるって良いね。
城内に入った義久達は、異様な光景に出くわした。
十余人の足軽が、座り込んで種子島を構えている。
真ん中で座り込んでいるのは、坊主頭の小僧だ。
彼らの後ろには、怯えた様子の女達が見える。
此方を睨むその足軽達の視線が、手を出そうものなら只では済まさないと告げている。
今この時、この少数の足軽は確かに島津の軍勢を止めていた。
義久は彼らのこの行いに気押され、また、魅入られていた。
「童ぁ、お前の名前は何ちゅう?」
「………盛敦。長寿院、盛敦。」
それが、二人の出会いだった。
史実では城内の女性達、自決しています。
………重いぜ。