図鑑の最初の頁の話
大変お待たせしました。
ようやくかけた。
前回、すぐ出せると思うとか書いてたくせに、五ヶ月くらいかかってますね。
どんなに遅くても、私が書ける状態にあるうちは必ずいつか出しますので気長に、温かい目で見守っていてくれるとうれしいです。
「おまたせ!」
麻夜が勢いよく扉を開く
「見つけてきたわよ~」
二人とも走ってきたようで、息切れしている。
「あら、食べきったのね~」
「え?食べきったの?…ほんとじゃん...。すごい!」
狐はよほどおなかがすいていたようで、鍋に入っていたお粥をすべて食べきってしまったようだ。おっきな鍋一杯。私たちの三食二日分くらいあったんだけど...
「ご飯、足りてる?まだおなかすいてたら作るけど」
「いや、大丈夫。おなかいっぱい」
この大きさであの量食べたのだから、さすがにおなかいっぱいのようだ。
「狐さん、いまきづいたけどなんて呼んだらいい?」
名前を聞くのを忘れていた。
「そういえば、自己紹介してなかったね。僕の名前は『いぬい』。よろしく」
狐はそう名乗った。
ー…いぬい...なぜか、聞いたことのあるような気がする
まぁ、気にしてもしょうがないか
「こちらこそよろしくね~」
おねえちゃんもいつもの雰囲気で答えている。
これは...
「うん。よろしく、いぬい」
私も、思考を放り投げて答えるべきであろう。
気にしてもしょうがない、というものだ。
「それが、さっき言ってた本?」
と、いぬい。
「ええ。そうよ~」
お姉ちゃんが答える。
「見る?」
私はそう言いながら本を差し出す。
すると、いぬいは器用に前足を使って受け取り、
「ありがとう」
と礼を言った。
うん。かわいいわ。これ
「見てみてもいい?」
見るからにワクワクしている様子でいぬいが聞く。
「もちろん」
お姉ちゃんが答える。
そして、ゆっくりと表紙をめくる。
「すごい...!」
「最初のほうは確か、希少性の低い魔獣ね~。魔植が多いはずよ~
最後にいくにつれて希少性の高かったり、危険度の高い魔獣とか、すっごい珍しい魔人についてとかも載ってたはずよ~」
お姉ちゃんが解説してくれる。
でも、聞きなれない言葉が。
「魔人って?」
つい聞いてしまった。
うーん。もう少し自分で考えるようにもしないとなぁ
そう心の中で反省会を開いていると、
「えっとね~...」
と、お姉ちゃんが話し始めるところだった。
気付いてよかった。
「魔物は魔素から生まれたのをすべてひっくるめて魔物っていうの~。獣型が魔獣、人型が魔人、植物型が魔植、鳥型が魔鳥、魚型が魔魚ね~。魔魚は、地方とかでは、訛って『マギ』とか呼ばれているところもあるらしいわ。
他はあんまり覚えていないのよ~。ごめんなさいね~」
…な、長い...。よく覚えてるな。すごい。さすがお姉ちゃん。
「よく覚えてるね。すごい」
いぬいも驚いているようだ。
大丈夫、私もだから。
「実はね、お母さんが昔、
『いつか、私たちがいなくなっても、麻夜や、大切な仲間を守れるように、知識だけでもつけておきなさい。いつか、必ず役に立つから』
って言っててね~。基礎知識だけは覚えておいたのよ~」
そうなんだ。お母さん、私たちのこと、考えていてくれたんだ。やっぱり私、愛されてるな。
「そういえば、二人は親はいないの?二人以外の人の匂い、すごい薄い」
驚いた...親について触れられるとは。
お姉ちゃんの方を見てみると、お姉ちゃんもかなり驚いているようで、お姉ちゃんも普段あまり開いているとはいえない目を大きく見開いている。
だが、お姉ちゃんはすぐに切り替え、少し寂しそうな目をして口を開いた。
「じつは...私たちの両親はもう既に亡くなっているの...
ごめんなさいね。こんな重い話。」
その言葉にいぬいは申し訳なさそうに、
「こっちこそ、ごめんね。つらい話をさせちゃって」
と言ってくれた。やっぱりいい人だ。......狐だけど。
「こんな重い話より、早く図鑑見よ!」
重い空気よりも明るい空気のほうが絶対に良い。そっちのほうが楽しいし!
「うん。そうだね。ありがとう」
そういっていぬいはページに目を移す。私たちも図鑑に目を落とす。
一ページに大体二つ三つくらい載っているようだ。お姉ちゃんの言っていたように植物の方が動物よりも多いようで、魔植が多く載っている。どれも、特徴があってわかりやすい。
.......そして、そのうちの一つ、とても見覚えがある。
「.....ねぇお姉ちゃん。これ、うちの庭に生えてるやつじゃない?....しかも薬草として使っ
てるやつ...。」
私が指さしたのは一ページ目の三つ目。暗い緑の葉に白の花の一見普通の草花。
この家には昔からあるいろいろな薬のレシピ本が代々伝わっている。そのうちの一つ、塗るもよし、飲むもよしの万能薬。その原料がこの植物なのだが....
別に魔植だから、という理由でこうこわけではない。問題は図鑑に書いてあるその特性にあった。
......なんと、これには毒性があるのだ。しかも、猛毒。触るだけでもダメ。時間差で焼けるような痛みが走る。飲むだなんて以ての外。そんなことをすれば最悪死に至る...。そう、図鑑に書いてあった。
「...私たち、これ普通に触って飲んでるわよね~?」
「うん。どうやら私たち、傷口に塩擦り込むよりもやばいことしてるみたいだね。」
「...私たち、なんで生きてるのかしら~?」
「さぁ?」
私たちは今までの行動とこの図鑑に書いてある情報の矛盾に首を傾げる。
「え、二人とも、これ飲んでるの?」
いぬいが驚いたように聞いてくる
「ええ。薬にしたり、お茶にしたり、とっても万能なのよ~。傷口に塗れば次の日には痛みもなくなってるし、火傷したとこに塗ればひどいところでも痕にもならないわ~。」
「しかも、喉の調子が悪いときとかに飲んで寝れば次の日にはよくなってるし、寝付きやすいし、煎じてお茶にして飲むのでもいいんだよね。すっごいおいしいんだよ!」
そう。とても万能なのだ。ほんとに何でも使えるといっても過言ではないと思う。
「そうなんだ。........猛毒って書いてあるけど?」
いぬいが聞いてくる。そうは言われても私たちだって疑問である。
「私たちもそこ不思議だなぁって。だって今まで普通に飲んできたんだよ?薬としても普段から飲むお茶としても。それに、いぬいの怪我にも塗ったし」
「え、塗られてたの?でも、確かに結構な怪我してたよね、僕。そう考えると変だね。痛みなさ過ぎて気づかなかった。」
「ね?万能でしょ~?」
「うん。だね。でも、猶更不思議だね。」
「そうね~...。」
「まぁ、考えたってしょうがなし、次見よう!」
諦めたな、なんて思ったかもしれないが、わからないことはいくら考えたってわからないのだ。『少し考えてわからなかったら次に行く。』お母さんが言っていた大切なことの一つである。
「ふふ。そうね。考えたってわからないなら置いとくのが一番ね~。それに、いつか分かるかもしれないもの~」
「そうだね。次行こ!」
主 ようやくかけた。ごめんなさい、遅れました。前回の投稿から二ヶ月くらい、こっちの小説だと五ヶ月くらいですね。少しずつ筆のノリがよくなってきた気がするので次はもうちょっと早く出せるかもしれません。頑張ります。これからも、よろしくお願いいたします。




