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序:遠い夢
薄い闇が広がっている。
ああ、これは夢だと、碧羅は察した。
と、自分の前に和服姿の青年が現れる。
とても優しい顔で自分を見つめてくる彼は、二十代半ばほどで、端正な面立ちをしている。
長身で髪は整えられていて烏帽子を被っており、腰には剣が携えられている。
初めて見るはずのその人の顔に、懐かしさを覚える。
「瑠璃」
愛おしそうに名を呼んでくる青年。
私は碧羅だと言おうとするが、夢だからか、声が出せない。
瑠璃という名前は、乱鴉が碧羅を見て呼んだ名前だ。
瑠璃とは誰のことだ。
貴方は誰だ。
疑問で一杯になる中、青年が碧羅の手を取った。
「次の戦に勝ったら、一緒になろう」
彼のその言葉に、自分の身体が勝手に動いて頷く。
「……ヨシタカ」
自分の口がその名を紡いだ瞬間、碧羅は目を覚ました。
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