やっと繋がる
数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございますo(*⌒―⌒*)o
本当にお久し振りです(*´-`)
今回も超絶短いですが、どうぞお楽しみください(楽しめるのうな内容かしら?)m(_ _)m
私はたぶん、本当に間違って生まれたのだ。
製造元から見た私は、単に避妊に失敗した存在だったのだろう。
だが狭間人として生まれた為に、家畜の如く手元に置いて搾取する方向に方針を変更したのだろうと思われる。
私が誰なのか、気付くのが遅いんだよ。
まあ、それはどうでもいい。
私としても間違えた。
生まれた場所を。
いや、あ奴等がお家乗っ取りなんぞしなければ、エイビス家の娘のままで問題無かったのだ。元々エイビス家当主イコール伯父様が正しい跡継ぎ。その娘になるはずだったのだから。
うむ。何処其処に生まれるというより、誰それの元に生まれるとした方が安全なのだな。
今更だけど。
「…………………生まれる前の記憶があるのか……!? いや、生まれる前から自我があるのか? それとも君が狭間人だからか?」
「そのような問い掛けは神様にでもなさってください。次点で神官ですね。その場合は憶測の域を出ないお答えになるでしょうけれど」
「……私は、君に、今、ここで、訊ねているのだが」
「記憶はございません。ただ物心付く前から当たり前にそのように思っていただけでございます。この証言をどのように受け取られるかは、受け取り側の判断でございましょうね」
「……何か知られては困る事情でもあるのか?」
「度々言葉が通じませんので、そろそろ帰ってもよろしいですか? 雪が緩み始めるこの季節は、もはや春。春先は色々忙しい季節ですの。雪解けの水気が乾ききる前に、野を焼いてしまいませんと」
「! 野焼きか!?」
「然様にございます」
「やっと話が繋がった!」
「……さも私が悪いように仰るのはおよしくださいませ」
前回書き忘れたのですが、伯父様の家の名「ムハラ」は薔薇の古い呼び方の一つです。
「ウマラ」「ソウビ」と迷ったのですが「ムハラ」に決定しました!