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転生後の世界

 どうやら俺は死んでしまったらしい。

 物心ついた時にはすでに新しい生を受けていた。


 現在の名前はアレックス・ヘキサグラム。

 この世界で名字を名乗る事ができるのは貴族と王族だけであり、俺は貴族だ。

 一応父が貴族として王都で仕事をしているため俺も王都に居る。


 この国の名はディクト・ゼレン王国。

 アニメとかでよく見る西洋風の王国であり国の雰囲気は悪くない。

 これもファンタジーあるあるなのかもしれないが、衛生概念や飯の美味さは日本と変わらない感じでよかった。

 と言ってもなんちゃって西洋料理っぽくて完全に日本の洋食と言う訳ではない。


 そしてさらにあるあるの話として魔法が存在する。

 と言ってもかなり使える人は少ないようで一般的に普及はしていない。

 つまり勉強すれば覚えられるような物ではなく、本当に才能の世界になるらしい。

 しかも火の魔法しか使えない、水の魔法しか使えないというのもざらで、複数の魔法が使えたら天才の部類に入るそうだ。


 そして今日、10歳の誕生日に才能の有無が決まる。


「お兄様今日は楽しみだね!」


 俺の事をお兄様と言ったのは一個下の妹、リリア・ヘキサグラム。

 綺麗な青髪でまだ幼いが将来美少女になりそうな雰囲気がある。


 ちなみに俺の特徴は片目が赤のオッドアイ。右目が赤で左目が黒と言う中二病的な見た目だ。

 こういった配色はおかしな事ではないらしく、国全体で結構色んな色の人がいる。

 眼の色や髪の色が本当にアニメに出てくるような真っ赤だったり青だったり緑だったり、さらにメッシュの様に一部だけ色が違う人もいるのだからもう目が痛い。

 ちなみに両親は二人とも金髪だ。


 遺伝子情報どうなっとんねん。


 そして今乗っている馬車は王都でもっとも大きくて古い教会に向かっている。

 この世界では10歳の誕生日に神様から贈り物をもらえるかもしれない。

 かもしれないというのは絶対ではなく、もらえる人ともらえない人がいるからだ。

 もらえる物に関しては本当に様々で、本人の才能によって変化すると言われている。


 例えば剣をもらえれば剣の才能があると言われるし、魔導書をもらえれば魔法使いの才能があると言われる。

 と言ってもこんなに分かりやすいのは良い方で、よく分からない物をもらう人もいた。

 例えばスプーン1本だったり、万年筆1本だったりもする。

 これらが一体何の才能を指しているのか分からないが、もらえるだけマシと言える。


 なにせ何ももらえなかったとなれば才能なしの烙印を押されてしまうからだ。


 この事に関しては様々な理由、立場によって必死に求める人の方が多い。

 家が貧しく一発逆転のチャンスを狙って、地位の高い者だからこそ才能があると示したい者、ただ単にプライドの高い者などなど、様々な理由で神様に物を強請ねだる。

 だが元々神様から物をもらえる人の方が圧倒的に少ないのだ。

 具体的な人数と言われたら分からないが、それでももらえる側の方が圧倒的に少ないのは分かる。


 それに神様からの贈り物が無かったからと言って不幸になる訳でもない。

 むしろその方が圧倒的に多く努力すれば何者にでもなれる。

 それに神様からの贈り物を受け取って調子に乗って犯罪者になった事例もある。

 だから受け取ったから将来を約束されている訳ではない。

 あくまでも本人も知らない才能が何か教えてくれる、それくらいの認識しか持っていない。


 教会に到着すると俺はさっそく儀式を行う事となった。

 儀式と言うと重々しく感じるかもしれないが、なんかステンドグラスの前で片膝をつき、祈りを捧げるだけで終わる。

 祈りを捧げて1分以内に贈り物をもらえれば成功、もらえなかったらそれまでだ。

 目をつむり祈りを捧げると頭に衝撃を受けた。


「お……おおう……」


 あまりの痛みに祈りなんてやってられない。

 頭を押さえて痛みに耐えるしかなかった。


「アレックス!!」

「大丈夫!?」

「お兄様!!」


 家族が駆けつけてくれたが痛みは引かない。


「な、なにが起きたの……?」


 痛みを抑えながら顔を上げると全員の視線は一冊の本に集中した。

 あれが俺の頭の上に落ちてきたのか?

 神様と言うのはずいぶんと乱暴らしい。


 そう思っていると神官さんが俺に優しく本を渡してくれた。


「良かったですね。神はあなたに贈り物を送ってくださった」

「あ、ありがとうございます……」


 まだ頭に痛みが残っているが受け取った。

 早速開いてみようと思っていると妹が俺の後ろから本を覗き込んできた。


「どんな本?」

「さぁ、どんな本だろうね」


 本と言う事は魔導書だろうか?

 そうだとすれば魔法の才能があるという訳でちょっとファンタジー感が増える。

 そう期待しながら両親も本を見ようと顔をのぞかせる。

 すると本に書かれていたのは……


「これは……図鑑か?」

「魔物の図鑑のように見えますね……」


 本に書かれていたのは両親の言うように一見すると図鑑のように見える。

 だが俺にはこれの正体にすぐ気が付いた。


 これ、俺がやってたカードゲームのモンスター達だと。

 でも何で彼らのカードが入った本が俺の頭の上に落ちてきたんだ??


 何でだろうと本を開いているとふと何かが本の間から落ちた。

 なんだろうと思いながら拾い上げると手紙のように見えた。

 特に封がされている訳でもなくすぐに中身を見る事ができる。

 中身を見てみると意外な言葉が日本語で書かれていた。


『初めまして、私はこの世界の神です。

 あなたには少々特別な贈り物を送らせていただきました。

 あなたがよく遊んでいたカードゲームをそのままあなたの能力として使用する事ができます。

 ただしこの世界のルールに合わせて召喚、使役できるよう調整されていますので色々確かめてみてください。

 そしてこの世界用に変化させたルールに関してはこの図鑑の一ページ目からルールが書かれているので必ずお読みください。


 それから貴方はこの世界では召喚士と言う立場になります。

 動物や魔物、聖獣と契約して使役するのが主な立ち回りです。

 あなたの場合他の召喚士とは少し違いますが、もし困った事があればそう名乗ると良いでしょう。


 最後にこのようなお手紙を送った理由として特にあなたに特別な役目がない事をお伝えするためです。

 転生者の皆さんはこうして新しい生を受けると何か特別な役目があるのではないかと勘違いされるのですが、特にそんな事はありません。

 悪い事をしない程度に自由にお過ごしください。

 それでは、よい一生を』


 どうやら神様からのお手紙だったらしい。

 大した内容ではないがルール変更に関しては素直に気になる。

 どこまで俺が知っているルールで、どこからそうでないのか検証しなければならない。


 あと特に役目がないというのも助かった。

 もしこれで魔王討伐だ何だと言われたら面倒臭いにもほどがある。

 俺は元々英雄願望とか勇者願望とかないし、平和に暮らす事ができればぶっちゃけそれでいいのだ。

 手紙を本に挟むと妹が聞いてくる。


「お手紙なんて書いてあったの?」

「神様からあなたは召喚士ですって書いてあっただけだよ」


 俺が妹にそういうと両親は少し複雑そうな表情をした。

 どうやら召喚士はあまり人気のない感じみたいだ。

 その辺りも家に帰ったら聞いてみようと思う。

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