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多分珍しい理由の異世界転生

 俺はとあるカードゲーマー。

 特に強い訳ではなくどちらかと言うとコレクターと言った方が正しいと自覚している。

 カードで遊ぶと言っても仲間内だけでやっている事の方が多いし、ショップバトルとかあまり興味ない。

 もちろんショップバトルで勝てば限定カードを手に入れる事が出来る可能性はあるが、先ほど言ったように特に強いと言うほどではないので勝率はそんなに高くないのだ。


 そんな俺は今日仲間と一緒にカードショップで予約していた新弾のカードパックを手に入れるため一緒に来ていた。


「それじゃ勝負するか」

「別に勝負にしなくても良いじゃない」

「俺も興味ない」


 カード仲間の中でも特に仲の良い2人と一緒に誰がどんなカードを引くのか運試しを行おうとしていた。


「別にいいじゃん。そのままダブったカードとかは交換するわけだし、欲しいカードを普通に交換したって良い。それにはお互いのカードが何出たか確認作業もいるだろ?」

「そう言ってただカードが欲しいだけでしょ。全種類最低1枚は持っておきたいんでしょ」

「それにお前コレクターを自称するだけあってせこいだろ。XXレアは渡さないからな」

「流石に今回の目玉はそう簡単にトレードしてもらえるとは思ってないって」


 新弾の目玉カード、それはこのカードゲームがアニメ化していた際の主人公が使っていたカードの超強化版だ。

 俺がこのカードゲームを始める切っ掛けのアニメであり、プレイし始めるきっかけとなったカード。

 しかし時間の流れと共にそのカードは自然と使われなくなり、そのまま永久封印される物だとばかり思っていたが、そのアニメの10周年記念という事で最高レアのカードとして今の時代に合わせた再調整版が封入される事となった。


 そのカードはかなり強いとあちこちで声を聞いたが、ガチ連中から見れば使いこなすのが難しいロマンカードと言われてしまっている。

 そもそもその主人公が使っていたカードの系統が今では使われていない物だったり、新弾のカードだけではあまり強いデッキは組めないと色々言われている。

 だが俺はコレクターとして、そのカードをアニメの主人公のように使う事を夢見てこのカードゲームを始めたのだ。

 出来れば手に入れたい。


 ちなみに通常のカードで価格5900円。シークレットカードだと1万越えだそうだ。

 店で買うのは学生には無謀すぎる値段だ。


「とりあえず開けながら相談しようや。ただ黙々と開けていくのもつまらないから始めたんだし」

「まぁ元々運試し程度のものだったからね」

「しゃーねーな」


 片方は渋々という感じで始まった運試し。

 全員1パックずつ開けていきいいカードが出た、ちょうどデッキに組もうと思っていたカードが来たなど、談笑しながら開けていく。

 だが全員2箱開けても目玉カードは現れない。


「やっぱ出ないか~今回のXXレア」

「封入率までは知らないけど、ショップでかなりの高額で取引されてるからかなり少ないはずよ」

「まぁ元々10周年記念のカードってだけで本気でデッキを組もうと思っているのはこいつくらいだろうよ」

「いや、でもハマれば結構強いってカード回してる配信者も言ってたぞ。ハマればだけど……」

「確かのあのカードが強いことは認める。だがあの能力をフルで発揮させるにはかなりの条件が必須なのは分かってるだろ。そして必要なカードを集めるためのドローカードも少ない。ハイリスクハイリターンでもいいって言うならワンチャンあるかもだが」

「どれだけ彼に行っても無駄よ。彼ネタのロマンデッキばっかり組んでるんだから。前に戦ったことあるでしょ、十二星座全込みデッキ」

「あれか……ハマると面倒だったあれか」

「あんな思いついてもショップバトルとかでは絶対に出てこなさそうなデッキを大真面目に考えて参戦するのが彼よ。真面目にデッキ組ませれば強いのに全然しようとしない。ロマンデッキの使い手だもの」

「ロマンデッキの何が悪い!!俺は全力で遊んでるんだよ!!」


 どんな遊びだって人それぞれの遊び方がある。

 スポーツだって同じように本気で勝つためにやっている奴もいれば、ただ友達関係を続けるためだけに続けている奴だっている。

 そして俺はこのデッキが強いとそう言うものに拘らず、ただ自分の好きなカードや種族で固めて面白いデッキでプレイしたいだけなのだ。


「まぁ遊び方は人それぞれだからいいけど、あまり巻き込まないでよね」

「そんな巻き込んだことあるか?」

「こっちがカードショップ戦用にガチデッキ組んだ時にネタデッキの調整に使ったりするな。おかげで調整できたのかどうか分かり辛い」

「でもコラボデッキ使ったりしてくる奴だっているだろ?そう言う連中対策にはなるんじゃないか?」

「居たとしてもテメェほど訳の分からんデッキ組む奴はそういない。調子狂うからやめろ」

「へ~い」


 何て話しをしながら最後の1箱を開けている途中、当たった。


「………………マジ?」

「どうかした?」

「どうしたんだよ?」

「………………当たった」

「当たったってXXレア?良かったじゃない」

「良かったな5000円ゲットだ」

「…………………シークレットだから1万だ」

「え?」

「は?」

「ほら、これ」


 意外なほどあっさりした感じで俺は目当てのカードを手に入れる事が出来た。

 嬉しいと言う感情よりも驚きの方が勝ってしまい、どう反応すればいいのか分からない。


「良かったわね。おめでとう」

「おめっとさん」

「いや、俺もだけど反応薄いな」

「だってそれを中心にデッキを組むとしても1枚差しはデッキとしてかなり難しいじゃない。それにそんな貴重なカードデッキに入れられるの?」

「それは……」

「ぶっちゃけシークレットカードのほとんどは観賞用だ。それともそれ売って通常の奴2枚買うか?」

「そんな勿体ないことする訳ないだろ」

「ならそれは観賞用だな。でも欲しいもん当てたんだ。良かっただろ」

「まぁな」


 家に帰ってゆっくりしている間に実感が湧くんだろうかと思いながらそのカードを大切にしまった。

 その後俺達は少しだけ談笑した後、それぞれ家に帰った。

 とりあえず家に帰ったらシークレットカードをフォルダーにしまって、今日買ったカードで一応デッキ組めないか確認してみるか。

 あ~でも他にもレアカードは当たったからそいつらで――


 そう考えていると突然頭に衝撃が走った。

 どんな状況なのかは少し時間が経って倒れて地面の上に転がっている時にガサガサとビニール袋の音がした時。


 もしかして、俺殴られた?

 いや、ただ殴られただけなら何で俺は地面の上で転がってるんだ?

 何で起き上がれない?

 何で殴られたと思われる場所を手で触れようとしても腕が動かない?

 顔も動かせないし、音も少しずつ聞こえづらくなってきたし、どうなってるんだ??


 ……あ、雨か?

 ヤバい。せっかく買ったカードが濡れちまう。

 ビニール袋は手に持ってたからカバンの中にしまわないと――

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