離婚に向かう60歳
夫の不審な言動を私は問うことさえ出来ませんでした。
問えば、もう夫婦でなくなってしまう……それが目の前のような気がして、私はなかったことにしたのです。
帰宅して家事を終えると、今日もPCを起動しました。
もう今の私は〖とおるこーらん〗に縋っているのかもしれません。
「まぁ、皆さん、ようこそ、お越しやす。
とおるこーらんの 人生相談でおます。」
「ほな、今日も頂いたメッセージを読ませて貰いまひょ。
先日、相談させていただいた60歳の専業主婦です。……まぁ、また頂きました。
その後の夫とのことです。……へぇ、どないなりました?
離婚に向けて動いております。……まぁ、勇気を出しはったんですね。
子ども達に話しましたら、もう長い間、気にしてくれていたそうです。
子ども達が支えてくれて、家を出ました。
家を出てアパートで一人で暮らしております。
離婚について、夫とは弁護士さんを通しており、夫とは直接会わないようにして
おります。
夫は一銭も渡さない!と言っておりますが、私には財産分与を受ける権利がある
ということで、話を続けて頂いております。
弁護士費用は子ども達が負担してくれております。
少ないながらもパートで働いております。
今までと違う快い疲労感で一日を終えています。
もう夫にも小姑たちにも何も言われない……それが、こんなにも楽なのだと…
舅、姑にも意地悪をされ続けた日々、それでも介護をしなければならなかった
日々が、やっと終わりました。残りの私の日々は、出来る限り子ども達の迷惑に
ならないように生きて参ります。
とおるこーらんさんに相談して良かったと心から思っております。
そして、本当にありがとうございました。
とおるこーらんのご多幸とご健康を心よりお祈り申し上げます。」
「いやぁ………。ほんまに宜しおした。
ええお子達に恵まれましたな。
ほんま、宜しおした………。
こっちゃこそ、ほんま、おおきに。おおきに。」
私は「離婚……されたんだ……。」と呟いていました。