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落ちこぼれ勇者は最強吸血鬼とエンカウントしたようです  作者: 猫山 鈴
〜第一章 始まりの旅〜
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第八話 盗賊団

なんか、キモいキャラでます。ご注意下さい

 そよそよと優しい風が吹いてる。ここは「シロツメの丘」である。比較的現れる魔物も強くないこの丘。

 「うおりゃあ!」

 魔法の使えないエーデルも蹴りや剣技、拳で軽く凌げるレベルであり、実際めちゃくちゃ無双していた。

 「…お前、まさか前世はコング・コング(ゴリラ型の魔物)だったりせんのか?」

 「失礼な!ただ魔法使えない分、鍛錬してただけだし」

 

 若干引き気味のヴラムにそう制するエーデル。と言うのも魔女王の近くに行けば行くほど強い魔物が現れる。それこそ魔法が使えないと難しいレベルの…そうなると確実にヴラムとシュリに迷惑を掛ける可能性があるから、そこに行くまでは私が魔物と戦うとエーデルが言い出したのだ。


 とはいえ少女一人にだけ戦わせるのは周りの印象にしても自分的にも良くないとシュリもバトルに参加しているが、側から見ると、貴族の青年と護衛二人の図となっている。まだマシな図である。


 だからこそだろうか、

 「おい!てめーら金目のもん置いてけや!」

 盗賊に早速目をつけられていた。

 「あんたらに渡すお金なんかないわよ!」

 エーデルはそう言い返す。シュリも圧を掛けて睨みつけており、盗賊達は少し怯えている。しかしヴラムはじっと盗賊達の積荷を見つめている。


 「おい?その積荷には何が入っているのだ?」

 盗賊どもに被る猫はないと、素のまま話しかけるヴラムに盗賊達は肩を震わせた。ヴラムはシュリに合図を送り、積荷にかかってる布を取らせる。

 「んー!んー!」

 中には猿轡がされたエルフの子供が居たのだ。それは見たエーデルはその目に怒気を込めて、盗賊達を睨みつけた。恐らく彼らは人攫いも行っている集団だろう。


 「あんた達!人攫いは犯罪でしょ!しかも、こんな幼い子を!」

 「ちっうるせぇこのアマ!先生やっちゃってください」

 すると後ろから紫の髪をした大男が不気味な笑みを浮かべて立っていた。

 「おいおいおーい!俺の出番ー!?マジで?やったー!よかったねー!」

 しかもハイテンションでどこか支離滅裂な話し方だ。不気味さに拍車が掛かる。

 「取り合えーず♩取り敢えず♩みんなみんな"バーニング"♡」

 すると男の手から燃え盛る火炎が出現し、エーデルを襲う。(やばい!避けれない!)思わず目を閉じるエーデル、しかしいつまで経っても衝撃は来ない。目を開けるとそこには、ヴラムの背中が見えた。


 「ほお…これはイイ炎だな…少し楽しめそうだ」

 エーデルの目の前に立つヴラムは男の放った炎を血のような液体で包み込み攻撃を防いだのだ。そして炎を含んだボール状の血の塊をその男に投げつけ返す。するとボールは割れ中から先程放った炎が吹き上がり、男を襲う。


 「ひ♡うひひひひ♡やべー♩あったかーい♩有難う♡」

 しかし男は笑いだし喜んでいる。その様子を見たヴラムはクククと笑う。

 「たまにいるが、なかなかの変態だな。しかも見たところかなりの戦闘狂にも見える。めんどくさいタイプではあるかもな」

「ねー♩ねー♩君の名前なんてーの?僕様の名前は〜

デレレレレ♩クラウンだおー♩お友達になろうよー♡」

「はぁ?なる訳なかろう?貴様に教える名などないわ」

 ニコニコしながらヴラムに話しかけるクラウン。だがヴラムはそれを軽くあしらう。すると…


「ひどいよー!うわーん!お前なんか嫌いだー!」

 いきなりわんわんと泣き出し、癇癪をおこすクラウン。すると彼の周りに地面がボコボコと盛り上がり、大量の水が噴出した。

「うわ!せっ先生落ち着いて!ごばぁ!」

 盗賊の一人に水が直撃したようである。勢いよく噴き上げた水で天高く舞い上がった盗賊は嫌な音を立てて地面にぶつかる。


 そんなどさくさにエーデルは救出したエルフの子供を抱きしめ守りの体制に入る。そしてその二人を守りながら、自身の主を見守るシュリ。

 

 「ふー…風雅障壁」

ヴラムが唱えるとエーデル、シュリ、エルフの子を風のバリアが覆う。噴き上げられかけた水さえも風に遮られ、3人には全く届かず軌道を変えて流れていく。

 「ヴッヴラムありがと…」

 「フン…手間のかかる…」

 そう言ってヴラムはクラウンに向き直る。


 「喜べ!馬鹿者!俺が直々に遊んでやろう!光栄に思うのだな!」

 するとクラウンは涙をピタッと止め、パーっと晴れやかな顔になる。

 「遊んでくれるのー♡やった!有難う♡だーいすき♡」

 そしてヴラムは戦闘体制に入った。そして勿論クラウンもまるで新しいおもちゃを手に入れた子供のような無邪気な顔で戦闘体制に入っていった。

続きます

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